2019年のスーパーフォーミュラ第5戦もてぎラウンド。その予選日は非常に暑くなった。
予選開始時の気温は38度、路面温度は49度にもなり、セッション中にはおそらく50度を超えるコンディションとなったはずだ。
■連続PPから連勝を狙う……パロウ「Q3ではトラフィックに遭わないよう祈った」
そんな中でも、TCS NAKAJIMA RACINGのアレックス・パロウが、コースレコードを更新する1分31秒442を記録し、ポールポジションを獲得してみせた。
フロントタイヤの幅が広くなったこともあり、昨年以上に速くなった今年のスーパーフォーミュラ。タイヤサプライヤーでるヨコハマタイヤは、毎戦レコードを更新したいと語っていたが、この厳しいコンディションでもそれが実現できたことについて「ホッとしている」様子だ。
「良かったです。気温がすごく上がりましたが、これはパロウのおかげですね。厳しいコンディションではありましたが、(コースレコードが)出たらいいなとは思っています。無理だなとは思いませんでしたね」
ヨコハマの秋山一郎開発本部長はそう語る。
「タイヤというよりも、エンジンとしてはもう少し涼しい方が良いと思ったんですが、(レコードを更新できて)良かったです。タイヤで言えば、1発のタイムを出すには、この日の路温は問題なかったです。路温が高すぎて、熱でタイヤのゴムが柔らかくなってしまう……というところはあるけど、冷たい路面よりは発動するはずなので、むしろ良いと思います」
とはいえ、52周を走りきるレースともなれば、状況は異なる。しかも、決勝レースも予選時と同様、気温・路面温度とも高くなると言われている。
ただそうなったとしても、ソフトタイヤをしっかりとマネジメントできるドライバーもいるかもしれないと、秋山本部長は語る。
「ミディアムタイヤとソフトタイヤのパフォーマンスが、どこでクロスするかですね。ですが、ペースをコントロールすることもできるでしょうし、燃料の問題もありますから……そういう(長い距離を走らせる)使い方をしようとするのであれば、暑くなったとしてもコントロール下に置けるドライバーがいるかもしれません」
「ただ、ミディアムタイヤをちゃんと使おうとしてくれる人がいればいいですし、場合によっては、ソフトを2セット使う2ストップという戦略だってあるかもしれません。結局のところ、ミディアムをどう”消化”するかということになるわけですからね。ソフトをできるだけ長くもたせようとするのか、それともソフトではさすがに難しいなと判断するのか……ソフトを使いきりたいという判断をするのであれば、2ストップも有りだと思います」
ただ、連続走行を行った時にタイヤがどのような反応を示すのかは、まだ明確になっていない。そのため、多くのドライバーも語っているとおり、日曜午前中に行われるフリー走行が重要になってくるはずだ。
それでも、この日の走行結果からすると、アタックラップではソフトとミディアムの間にタイム差は2秒程度あるものの、連続走行では1秒前後にまで縮まってくる。ただそうなると、1回のピットストップのロスタイムと言われる20秒+制止時間(合計30秒程度)を埋めるには、30周程度を要することになり、他のマシンよりも多くのピットストップ、つまり2ストップ作戦を取るのは難しいのではないかとも考えられる。
秋山本部長は続ける。
「何人かのドライバーは、ミディアムの使用義務がある予選Q1を突破できれば、Q2以降は自信を持って走れると言っていました。それくらい、ミディアムが使いづらいという評価になってしまっているんです。その、結構嫌われてしまっているミディアムをどこで使っていただけるか……ということにかかってくると思います」
「また、Q1ではミディアムを使わなければいけませんから、それなりにミディアムを使うためのセッティングはできていると思います。そこから決勝に向けて、ソフトも使うためのセッティングに変えるのか、それともセッティングを変えることなく両方のタイヤを使えるのか……車体の状況によっても変わってくるでしょう」
なお土曜日午前中に行われたフリー走行では、ほとんどのマシンのフロントタイヤに黒い筋が入っているのが確認できた。これはまったく問題のない症状だと、秋山本部長は説明する。
「これは普通の現象です。いつも同じなので、なぜ今回だけ皆さんが騒ぐのか、分からないくらいです」
「溶けたゴムが、ある一部分に寄っているだけなんですよね。ですから、この大会だけのことではないんです」
なお予選までを経た段階では、ブリスターなど懸念されるような症状は、タイヤには生じていないということだ。
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