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SBKがいよいよ開幕。ホンダ、ヤマハ、ドゥカティ、BMWがカワサキの連覇阻止に挑む

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SBKがいよいよ開幕。ホンダ、ヤマハ、ドゥカティ、BMWがカワサキの連覇阻止に挑む

 ひと足早くシーズンインを迎える、市販車ベース車両による二輪ロードレースの最高峰、スーパーバイク世界選手権(SBK)。開幕戦は今週末2月22~24日にオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで開催される。

 2019年は、1ラウンド3レースに増え、4連覇中のカワサキはNinja ZX-10RRをモデルチェンジ、ドゥカティはウイング付きのパニガーレV4 Rを登場させ、BMWはワークス体制を復活しフルモデルチェンジしたS1000RRで参戦する。

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 また、ホンダが2003年以来のワークス体制を復活させ、日本人ライダーの清成龍一が約10年ぶりのSBK復帰を果たすなど、シーズン開始前から話題が尽きない。その2019年SBKをシーズンスタート前におさらいする。

■史上最多のレース数、均等化されたマシンにより激しいバトルが勃発

 2019年も例のごとくレギュレーションがいくつか変更された。いちばん大きな変更点は史上初の3レース制導入だろう。これまで土日に各1回ずつレースが行われたが、今季は土曜日に1回、日曜日に2回の1ラウンド3レース制になる。

 スケジュールは、土曜日の現地時間14時に1レース目が行われる。日曜日はレース2を11時に10周のショートスプリント形式で行い、レース3はヨーロッパ時間に開催されるすべてのラウンドで、これまでと同様に14時に行われることとなった。

 今年も全13ラウンド行われるが、史上最多の39レースが開催されることとなる。それによりライダーにとってはケガでの欠場が続くと、チャンピオンシップに大きな痛手を負うこととなる。

 2018年シーズンより導入されたエンジン回転数の上限(レブリミット)制限は今年も継続。SBK仕様のマシンは、市販車のベースマシンよりも3%高いレブリミットを設定できることになっていた。しかし、性能調整を行う規則ができたため、レブリミットが制限されることとなった。

 異なるメーカーのマシン性能を等しくするために2018年シーズン前に設けられたこのルールは、ラップタイム、スピードトラップ、メーカーあたりのライダー数や、レース結果、レースタイムなどの個々のライダーパフォーマンスにより決定される。また、このハンディキャップ制度は3ラウンドごとに更新される可能性があり、変更される場合は250回転の増減で調整される。

 2019年シーズン各マシンのレブリミットは現時点で以下のように定められている。

ヤマハYZF-R1/14,700rpm
ホンダCBR1000RR SP2/14,550rpm
BMW・S1000RR(新型)/14,900rpm
カワサキZX-10RR(新型)/14,600rpm
ドゥカティ・パニガーレV4 R(新型)/16,350rpm

 なお、スポットで参戦する可能性のあるアプリリアは14700回転、MVアグスタは14950回転、ドゥカティのL型2気筒エンジン搭載マシンは12400回転、カワサキの2018年型マシンは14100回転、スズキが14900回転となる。

■5メーカーの真っ向勝負。カワサキの連覇を阻むのはどのチームか
 2015年から4連覇を果たしているカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK。今シーズンは5連覇を目指すジョナサン・レイと2018年ブリティッシュスーパーバイク選手権(BSB)チャンピオンのレオン・ハスラムのラインアップで臨む。

 レイは2018年第7戦チェコでカール・フォガティの最多記録59勝を抜き、第8戦から最終戦までトップを譲らず歴代最多の71勝の記録に更新。ハスラムにとっては2015年以来のSBKフル参戦となるがBSBでの走りは折り紙付きだ。2019年型に改良してきたZX-10RRでトップを快走する要素は十分あるだろう。

 このカワサキの連覇をストップすべく、他4メーカーが強力なチーム体制を作り2019年のSBKチャンピオンに向け挑む。

 ホンダは、2003年以降ワークスチームとして参戦してこなかったが、今季はホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)のサポート付きで、日本のモリワキとイタリアのアルティアが合同チームを組みモリワキ-アルティア・ホンダ・チームとして参戦する。

 ライダーは2008年から2シーズンSBKで戦った経験を持つ清成龍一が復帰する。清成は2018年、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦し、最終戦鈴鹿のレース2で、2007年以来11年ぶりの優勝を飾った。また、鈴鹿8耐にも参戦し8位を獲得した。チームメイトのレオン・キャミアは2018年にSBKでホンダを走らせ第2戦タイのレース1でシーズン最高位4位を獲得。強力な体制でホンダは2007年ぶりのチャンピオンを目指す。

 BMWは、2009年にスーパースポーツのS1000RRを開発し2013年までワークスチームとして参戦していた。2012年には当時BMWを駆ったマルコ・メランドリが6勝しマニュファクチャラーランキングで2位を獲得。BMWモトラッド・ワールドSBKチームは今季、新型マシンを投入し、ワークス体制に復活を遂げた。

 2013年SBK王者のトム・サイクスと2018年FIMスーパーストック1000王者マーカス・ライターベルガーのコンビでチャンピオンを狙う。ふたりは、事前テストでも上位につけ、フィリップアイランドテストではサイクスが2番手タイムを記録している。

■表彰台は常連だがあと一歩届かないドゥカティとヤマハ

 2015年から4年連続マニュファクチャラーランキング2位のAruba.it レーシング-ドゥカティ。ライダーのチャズ・デイビスは2勝を含む12度の表彰台を獲得しているもののランキング2位とチャンピオンにあと一歩届かない。

 今シーズンは2010年からMotoGPクラスに参戦し、ドゥカティを駆ったアルバロ・バウティスタが新加入する。さらにマシンはこれまで2気筒エンジンを使用してきたが、V型4気筒エンジンを搭載するパニガーレV4 Rを投入。開幕直前に行われたフィリップアイランドテストではバウティスタが2日間総合首位の座を獲得した。

 ヤマハは、パタ・ヤマハ・オフィシャル・ワールドSBKチームにチーム3年目のマイケル・ファン・デル・マークと4年目のアレックス・ロウズが継続参戦する。ファン・デル・マークが第6戦イギリスでSBK初優勝を果たすとそのまま連勝で2勝。ロウズは第7戦チェコのレース2で1勝を飾った。ヤマハの優勝も2011年シーズン以来となり、現行チーム体制となってからは初の優勝となった。また、このふたりは鈴鹿8時間耐久ロードレースにも参戦し優勝しており、ライダーもマシンも躍進し2019年シーズンはさらに期待がかかる。

 GRTヤマハ・チームは、ヤマハワークスのサポートを受け、メランドリとサンドロ・コルテセの布陣で臨む。メランドリは昨シーズンにドゥカティを駆りランキング5位を獲得している。コルテセは2018年にスーパースポーツ世界選手権(WSS)にエントリーし、参戦1年目にしてチャンピオンに輝いた。

 11ヵ国で全13ラウンド、史上最多の39レースが行われることになるSBK。各チームが強力な体制を作り上げており、どのライダーもマシンも目が離せず、注目の1年となることは間違いないだろう。SBK開幕戦は2月22~24日にオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットでスタートする。

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