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悔いなく戦いきったアロンソのレーシング魂【今宮純のF1アブダビGPドライバー採点】

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悔いなく戦いきったアロンソのレーシング魂【今宮純のF1アブダビGPドライバー採点】

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回はF1第21戦アブダビGP編だ。

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ラストレースで見どころある走り繰り広げたドライバーたち【今宮純のF1アブダビGP分析】

☆ ランス・ストロール(ウイリアムズ)


 最後尾からのスタートには慣れている。アブダビGP決勝の1周目に20番手→15番手へ浮上。混戦集団をかき分けていくのは(目立たないが)彼の長所。ストフェル・バンドーンとの熱中バトル、パディ・ロウも認める非力なウイリアムズFW41で最後まで闘争心をつらぬいた。

☆ ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)


 連日トラブルが起き、フラストレーションがたまる最終戦に。無線で叫ぶのもよく分かる。46周リタイアも入賞圏まで這い上がっていく展開に粘り強い実戦力を見た。

☆☆ エステバン・オコン(フォース・インディア)


 ブラジルGPでマックス・フェルスタッペンと接触した出来事の後に、2019年メルセデス・チームの『リザーブ』が決まった。現チームでのラストラン。序盤にフェルスタッペンと激戦、コース上でやりあう若い者同士の見せ場だった。2018年シーズンランキング12位、4回6位でひとまず“F1卒業“。

■コンスタントに結果を出す大物ルーキー、シャルル・ルクレール

☆☆☆ シャルル・ルクレール(ザウバー)


 予選アタックではマシン特性を活かし、セクター1と2でタイムを稼ぎ8番手。攻めるべきところで攻め、1周をまとめ上げた。決勝ではコンスタントに3戦連続7位(終盤6戦中4回も)。久々に出現した大物“新人王”、この1年の最終進化を表す。

☆☆☆ セルジオ・ペレス(フォース・インディア)

 初日からずっとマシンバランスが安定せず、珍しくオコンとの差が目立っていた。ところがその状況から活路を見いだし8位、最後までルクレールを追い込んだのは中堅らしい戦い。チームランキング7位を堅持、体制問題などあった今年をきっちりしめくくった。

☆☆☆ マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 ナチュラル・オーバーステアのままコーナーに切り込み、繊細な“F1ドリフト”コントロールで維持速度を高めていく。天性の資質だ。ボッタスとのバトルでは、接近戦に持ち込むとマシンタッチしながら見切りよく“当て抜き”、ダメージもなく乱れずにかわしてしまう。MAXの格闘技的レーシング・スタイルは一見荒っぽいが、相手の動きをよく観察した瞬殺プレーだ。

☆☆☆ ダニエル・リカルド(レッドブル)


 リヤタイヤ重視でトラクションを巧妙に駆使する走法は、フェルスタッペンとはやや違う。ウルトラソフトタイヤでのロング・スティント33周に賭け、スーパーソフトタイヤにつないだものの狙いは実らず。

 2018年の完走はわずか13レース。前半戦は2度優勝したものの、後半戦は5回リタイア、最上位は4位という無念の結果に(精一杯の笑顔サービスが空しく……)。

■2018年を象徴するルイス・ハミルトンvsセバスチャン・ベッテル

☆☆☆☆ カルロス・サインツJr.(ルノー)


 アブダビではこれまでいい結果がなく、6位入賞は自己ベスト。ウルトラソフトで37周も引っ張り、盤石なペースで“Bリーグ首位”と健闘。レース重視セットを考え、ハンドリングを夕闇の路面温度低下に合わせた“ヘッドワーク”。いい仕事を済ませ、来季アロンソの後を継ぐ。

☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン(メルセデス)


 ひとことで言えばリラックス・モード。アメリカの俳優ウィル・スミスとじゃれあいながら、連勝で締めた最終戦。予選で見せたタイムアタックの巧さ、セクター1はじっくりと、セクター2はしっかりと、そしてセクター3は激しく……。最速セクタータイム無しでも83回目PP、1周のペース配分もさすがだった。五冠王に敵なし、表彰セレモニーもまるで独り舞台のように(?)。

☆☆☆☆☆ セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)


 敗者の美学か意地なのか、54周目に最速ラップを叩き出し諦めずにプッシュ。初日からセクター3、とくに最後のコーナーふたつでアンダーステアが著しかった。それでもプッシュするベッテルとキミ・ライコネン、2018年シーズン後半のフェラーリを物語るシーンに思えた。予選はハミルトンに0.162秒及ばず、決勝も2.581秒届かず、ベッテルはすべての力をメルセデスにぶつけ敗れた。

☆☆☆☆☆ フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)

 なにより個人的に回想したことは、2001年オーストラリアGPでのミナルディPS01デビュー戦。3年落ちの“ヨーロピアンV10エンジンながら予選19位、決勝12位、ベネトン勢2台を抑えきった。そのときのアロンソは19歳217日、最年少完走記録だった。

 それから17年が過ぎた314戦目(参戦数)は予選15位、決勝11位で完結……。レースにおいて大事なのは競うこと、悔いなく戦うこと――アブダビGPはアロンソを見るだけでも、価値があったのではないだろうか。

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