日曜日にツインリンクもてぎで行われたスーパーGT最終戦で3位に入り、スーパーフォーミュラと併せて今季国内トップレース二冠を達成した山本尚貴。彼にとってこの載冠は、ある特別な意味を持つことになる。
山本は今季二冠を達成したことで、スーパーライセンスポイント35(スーパーフォーミュラ:20点+スーパーGT:15点)を獲得。昨年までの6ポイントと併せて、41ポイントとした。つまり、これでスーパーライセンスの発給条件を満たすことになる。F1に参戦できるのだ。
二冠達成でさらに高まる『F1待望論』……気になる山本尚貴の心境は?
スーパーGTの最終戦を迎える前、ホンダの山本雅史モータースポーツ部長はこの件について、motorsport.comに対して次のように語っていた。
「今週末に(スーパーGTで)チャンピオンを獲って、スーパーライセンスのポイントを満たすことができれば、(スーパーライセンスを)取っておけばいいし、取っておいてもらおうと思いますよ」
「フリー走行1回目だけでも、F1に乗るという経験をさせることで、彼がまた一歩育つということにも繋がるかもしれません。レギュラードライバーになるということだけではなく、彼がF1を経験するということは、とても重要です」
「最近のF1に乗ったのは(日本人ドライバーとしては)松下だけですからね。彼はテストで乗りましたが、その評価は高かったんですよ。プログラムをしっかりとこなして、フィードバックも非常に良かった」
「山本選手がダブルタイトルを獲ってスーパーライセンスの条件を満たせば、僕は進んでライセンスを取らせたいと思います。可能性は持っておきたいですから、それを最初から捨てることはありません。そのことについては、当然彼にも話をします」
山本部長は、山本尚貴がF1に行くことについてどう考えていると感じているのか、それについて問うと、次のように語っていた。
「(F1に挑戦したいという気持ちは)ゼロじゃないと思います。ただ、スーパーフォーミュラ(フォーミュラ・ニッポン)に参戦し始めた時と同じ気持ちかどうか、そこまで突っ込んだ話しはしていません」
「ただ彼も去年結婚して、子供も生まれて、生活環境も変わりました。ですから、すぐにその回答はできないと思います。当然、年齢的なこともあります」
「まだ具体的には話をしていませんが、今週(スーパーGT最終戦)が終わったら、一度食事でもしようと言っています。そんな機会にでも、話したいと思います」
これに対して山本尚貴本人はどう考えているのか? スーパーGTのタイトルを獲得した後の記者会見で来季以降のことについて質問されると、彼はこのように回答した。
「来年以降のことに関しては、まだレースが終わったばかりですし……まだちょっと具体的なコメントはできません。皆さんが僕に何を求めているのかは分かっているつもりですが、今はスーパーフォーミュラとGT500でタイトルを2つ獲得できたという喜びでいっぱいなので、今はそれだけにさせてください」
日本人ドライバーとして、名実共にF1に最も近い所にたどり着いた山本尚貴。彼と山本モータースポーツ部長の間で、一体どんな話が交わされるのだろうか……。
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