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スポーツ 2018.10.21

GT500予選《あと読み》:ARTA NSX-GTポール獲得の“決め手”。そしてライバルは決勝の逆襲に虎視眈々

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 ホンダNSX-GTが予選トップ3を独占する形となったスーパーGT第7戦オートポリス。特にポールポジションを獲得したARTA NSX-GTは、Q2で野尻智紀が従来のコースレコードを1.4秒上回る1分31秒441というタイムをマーク。周囲をアッと驚かせるアタックを決めた。このARTA NSX-GTは、朝の練習走行を走り始めた時点では、アンダーステア傾向でバランスはあまり良くなかったという。

「走り始めはアンダーステアだったんですけど、そこからセットアップを変更したら、サーキットサファリの時にはすごく曲がるようになりました」と語るのは、Q1を担当した伊沢拓也。

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「でもセットアップで言うと、ちょっとしか変えていないのに、こんなにクルマが変わるのかというぐらいのフィーリングでした。気温などのコンディションが噛み合ったのかもしれないですけど、いい状態になりましたね」

「一方でフリー走行からサーキットサファリまでの、そのちょっとの差でクルマの感触が大きく変わるということは、予選ではどうなるか分からないので、(予選に向けて)不安は結構ありました。予選で気温・路面温度が上がった時には、朝、一番良かった状態の時と比べたら、うしろ(のグリップ)がない状態でのQ1でした」

「自分自身も、そういうクルマはあんまり好きじゃないですし、野尻選手もたぶんそういうクルマじゃない方がいいんだろうということで、それをチームに伝えて。そこから何でアジャストしたか、僕はよく分からないですけど、野尻選手が『バランスは問題なかった』というところで言うと、変えたセットアップが良かったんだろうなって思っています」。

 伊沢は、ポールポジション会見のなかで、Q2を走る野尻に対して「タイヤの温め方を含めてアドバイスした」とコメントしていたが、それはどういうことだったのか。

「あまり温める必要がないくらい勝手にタイヤが温まるので、自分のQ1の時の感覚から長い1周を考えるとそんなに無理して温めなくていいんじゃないかと伝えました」と伊沢。

 これを受けてQ2のアタックに向かった野尻は、「あまり自分で負荷をかけていって温めることはなかったですね。最後、アタックに入る前は、ちょっと不安になったので、本当にグリップしているかを確かめて。それでアタックにいきました」という。

「クルマのバランスとしては、リヤがグリップしないという症状がありそうだったので、あまりそういう動きをさせないような走りをしました。そういったことを念頭に置いた走りにしたら、しっかりと良く曲がるし、高いコーナリング速度も保ってくれていたと思うので、いい方向にアジャストできていたのかなと思います」

「いいアタックができました。どこかを大きく落とすことがなく、どの車速域でもいいバランスを保つことができたので」

 ただし、ポールポジションを獲ったからとは言うものの、明日のレースに向けてはまだ課題も残っている。

「グレイニング、ピックアップ含めて、タイヤのコンディションをうまくキープするのが大事だと思うんですけど、レクサス勢も含めて(ブリヂストンユーザーは)少し大変そうだという話は聞いているので、たぶん誰も答えが分からないなかでレースをやらなきゃいけないかなと思います」

「セカンドスティントでどのタイヤを履くのかも含めて、うまくマネジメントしていかなくちゃいけないと思いますね」

■ホンダ勢のストレートスピードに注目
 これに対して、ここまでランキング3位で、NSX勢を追いかけなければいけない立場のKeePer TOM’S LC500は、Q1で平川亮が3番手タイムをマークしたものの、Q2ではニック・キャシディに小さなミスがあり、終わってみれば予選5番手。ポールのARTA NSX-GTには1秒以上引き離されてしまった。

「朝は結構アンダーステアが強かったんですけど、予選のバランスは良かったですよ」と平川。練習走行の後、「いろいろいじり倒した結果、いい方向のセットアップが見つかって、予選は良かったです」という。

「まだアンダーはありましたけど、朝よりは格段に良くなりました。(トップ3を独占した)ホンダ勢はスーパーフォーミュラや、もしかしたらF1でもそうかもしれませんが、予選でいわゆる“ブースト設定”を大きく上げているように感じています」

「Q1を見たときは“意外とウチもイケるのかな”って思っていたんですけど、Q2になったら……。Q1で(ホンダ勢は)まだマージンがあったみたいで、もっと上げてきたのか、1秒以上差をつけられたので、ピットの中ではみんなショックを受けていました(苦笑)」

「最後は間違いなくエンジンパワーでやられていますね。向こうも、Q1~Q2と同じスペックのタイヤを使っているはずですから。まぁ、決勝レースではそこまでやってこないと思いますし、決勝に向けては、ウチもそこまで悪くはないと思っています」

 平川のコメントにあるように、ホンダ陣営はスーパーGTでは予選が特に強く、予選用のブースト設定がライバルよりも上回っており、一発のエンジンパフォーマンスが高いとの見方が強い。

 これと同様のことは、Q2を走ったキャシディも感じたようだ。

「僕はアタック中にミスがあったんだ。1コーナー手前のバンプに乗って、その時に通常ダウンシフトで3速までしか落とさなくていいのに、(パドルシフトに)手が当たって1速まで落としてしまった。そこでタイムロスがあったんだ。それ以外の場所ではミスもなかったし、クルマのバランスも良かったんだけどね」

「ホンダとのタイム差も予想できる範囲のものだったよ。もちろん、いつもこういう結果を見るのは、気分がいいものではないけどね。でも、NSX勢は僕たちよりも10度以上もリヤウイングが立っていた。それなのに直線がものすごく速い。僕たちよりダウンフォースが多い上に、ストレートでも速いんだ」

「特にセクター2とか3では、コーナー区間が長く続くから、これは大きなアドバンテージだよね。ただ、エンジンのブーストに関しては、たぶん彼らも1周だけしか使えないんじゃないかと思っているんだ。練習走行やQ1ではそこまで(の速さ)ではないし、今年これまでの戦いを見ても、レースではそうしたブーストは使えないんだと思う」

「僕のなかでは、レース中、彼らが常にそうしたブーストを使えないだろうという部分に希望を持っているよ。本当のところは分からないけど、僕たちが外から得られる情報を合わせると、そうじゃないかと思うんだよね」

■決勝でのライバル勢の逆襲は……!?
 もちろんKeePer TOM’S LC500も決勝に向け、NSX勢を攻略するためにも、まだまだやらなければならないことはあるという。だがふたりの表情に暗さはない。

「決勝は、タイヤの落ちでもっとアンダーステアになることを予想しているので、もうちょっとケアしてあげなきゃいけない」とは平川の言葉。

「ただ、レースはもう少し戦えると思います。朝、セットアップに取り組んでいる間にタイヤ(のパフォーマンス)が落ちて、ロングランまではできなかったですし、いつもレースに向けて不安はありますよ」

「タイヤももつのはもつんですけど、(パフォーマンスの)落ちがちょっと怖いですし、ピックアップの懸念もあります。ただ、僕たちが落ちれば、ホンダ勢はもっと落ちると思うので、もっと不安だと思いますね」

 キャシディも「ホンダ勢は僕たちより柔らかいタイヤを選んでいる。だから、僕たちは硬めのタイヤでのアドバンテージを決勝で活かせればいいなって思っているよ。明日の決勝も晴れて、今日よりも暖かくなれば、僕らにとってはより良い状況になると思う」と展望を語った。

「そういうコンディションになれば、タイヤのグレイニングも問題ないしね。開幕戦の岡山と状況は似ていると思うよ。予選ではNSXが上位を独占して、僕たちは予選9番手だった。だけど、最初のスティントが終わる頃には、僕らがトップまで浮上できていたんだから、それと同じような状況になったらいいなと期待を持っているんだ」

 さて、その一方、今回の予選で4台揃ってQ1敗退という結果になってしまったのがニッサン勢だ。過去、オートポリスを得意としていたGT-Rに何があったのか。ニッサン系チームのエンジニアに話を聞くと、朝から抱えていたアンダーステアが予選でも解決できなかったと言う。

 また、ミシュランユーザーのCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rについては、チームの宮田雅史エンジニアによればQ1でアタッカーを務めた千代勝正はアタックラップの1コーナーでブレーキロックし、タイヤにダメージを負ってしまったことも失速の要因という。

 ただ同じミシュランを履くMOTUL AUTECH GT-Rも下位に沈んだことを考えると、予選日の気温が想定外に冷え込み、タイヤの温度レンジから外れてしまった可能性は高そうだ。

「メーカーテストの時の状況だと、MOTUL AUTECH GT-Rもカルソニック IMPUL GT-Rもそんなに悪くなかったんですよね。だから、なぜこんなにフィーリングが良くなくなってしまったのかというのは、ちょっと分からないですね」と田中利和ニッサン系チーム総監督は振り返る。

「正直、ホンダ勢が速いのは予想していましたけど、この差は想定していませんでした。ウチは全車が同じように、それぞれアンダーステアと言っていますが、同じ傾向のものとそうじゃないものがあります」

「だから、なかなか難しいですね。原因がわかっていれば、対策ができるんですが。ただ、ダウンフォースのバランスだとか、そういうことがひとつあるのかなという感じはします」

 一方で先にも述べたようにニッサンGT-Rは、2017年に4~5位を獲得するなど、このオートポリスは得意としているサーキットのひとつ。明日の決勝では、後方からGT-Rがゴボウ抜きで上がってくるというような展開もあるのか。いずれにしても、一筋縄ではいかない一戦となりそうだ。

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