FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦富士6時間レースは、7号車(小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペス)が優勝。8号車(中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ)が2位となり、TOYOTA GAZOO Racingがホームレースでワンツーフィニッシュを飾った。3位以下に4周差をつける圧勝に、TMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)の村田久武社長は『チーム力』の差が出たと話した。
レースでは、ポールポジションからスタートした8号車が順調にトップをキープ。予選タイム抹消でクラス最後尾の8番手からスタートした7号車も早々に2番手まで浮上した。
WEC富士決勝:トヨタ7号車が今季初優勝。大荒れの序盤を乗り越えトヨタがワンツーフィニッシュ
雨の強さが周期的に変わる不安定なコンディションの中、タイミング良くドライタイヤを装着した7号車がトップに立つと、そのまま8号車とのマッチレースを制し、今季初優勝を飾った。
「チームとしては最高の結果でした。ドライバーズタイトルに近づいたし、チームポイントも獲得できました。7号車と8号車が真剣勝負をしていたけど、ぶつからなかったし、コースオフもしませんでした」
村田社長は、そうレースを振り返った。
「タイヤ交換は、最初に8号車がウエットタイヤからインターミディエイトに変えて調子が良いと言っていました。でもまた雨が降り始めて、12時過ぎまで降るという状況の中で、7号車は変えるタイミングを逸してウエットでずっと走っていました」
「でも、その後の時間が長かったのでレースエンジニアがウエットからドライに直接変えるということにして、いろんな綾で可夢偉がドンと前に出られました。それで一貴ももう一回すぐに入れてスリックに変えたので、あそこで変えるタイミングがひとつ違っていたら、順位はひっくり返っていました」
「これは結果論で、いろんな綾の中で今回の結果が出ました。ル・マンの流れがひっくり返りました」
今回はコンディションが7号車にマッチしていたという村田氏。小林・コンウェイにとっては2016年の富士戦以来の優勝。予選でピットレーンスピード違反をしてしまったロペスにとっては汚名返上、そして嬉しい初勝利となった。
「100周ぐらいまではタイヤ交換のタイミングがずれてたから、ニュータイヤを履いた方は速くて差を広げ、反対になるとまた縮まってを繰り返していました。それを過ぎてからは7号車が安定して速かったです」
「気温が低く、その温度域では7号車が安定していました。予報では雨がもっと早く上がり、天気が好転すると言われていました。予報通りになっていたら結果は変わっていたでしょう」
「ロペスは昨日の失敗を反省して、今日はしっかり走りました。ファステストも出しましたし、今回の勝利はロペスにとっても良かったと思います。予選後のミーティングは相当どんよりした空気が流れていました。みんな、『ロペスになにやってんだ!』と思ってたはずです」
今回の富士を前に、トヨタはEoT(技術均衡値)の変更に同意し、車両最低重量が26kg増加した状態でホームレースに臨んだ。また、週末中にEoTがさらに変更され、LMP1クラスのプライベーターたちが1周で使える燃料が増やされることになった。
これまで以上にハンディのきつい状態で戦うことになったトヨタだが、終わってみれば前戦シルバーストンと同じく、3位以下に4周差をつけた。
これについて村田氏は、速さの点では確実にプライベーターたちが近づいていると話した。
「今回のレース、LMP1プライベーターと1周の速さだけを見ると相当近づいているのは事実です。僕らに重量が載り、彼らは使える燃料が増えました」
「この前(シルバーストン)と同じように4周の差は付いたけど、それはチーム力(の差)だと思います。タイヤをきちっと選択したり、ピットインの作業をきちんとやったり……」
「今回は路面がウエットからドライに変わりましたし、最後は気温が下がりました。タイヤのちょうど良いところが合わない状態でもクルマのアベレージを落とさないように走るというところが4周(という差に繋がった)になっただけで、テーブル上の1周の戦闘力という点では相当近づいています」
「でも、1周で決まらないのが耐久レースで、6時間安定して戦闘力を保ち続ける力はレギュレーションでは縛れないので、その差が4周になったということです」
一方、週末中にEoTが変更された点については、苦言を呈している。
「今週末、レース前に出ていたEoTがレース中にもう一回変えられるなんて、こういうことをしているとコントロールが効かなくなります。そういう点に於いて、これはやってはいけないことです」
今季は、ウインターシリーズへの移行期間”スーパーシーズン”という形で行われているWEC。シーズン最終戦には今季2度目のル・マン24時間レースが控えている。前戦シルバーストンではスキッドブロックの違反で失格となっているだけに、村田氏は今回の富士をきっかけにル・マンに向けて気を引き締めていくと話した。
「長いシーズン、半分が終わりました。今朝みんなに話したのは、去年の富士で勝って流れを引き寄せてル・マンで勝てたということ。しかし、この前のシルバーストンで一回その流れが終わったので、もう一度この富士から初心に返って、2019年のル・マンに向けて立て直そうという話をしました」
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