2度のダカールラリー・ウイナーであり、元WRC世界ラリー選手権PWRC(プロダクションカー選手権)王者でもあるナッサー・アル-アティアが、ESモータースポーツとの契約で2019年のWorldRX世界ラリー選手権にフル参戦する意向であることが分かった。
現在、ダカールラリーを筆頭とするラリーレイドに参戦しTOYOTA GAZOO Racing SA(サウスアフリカ)に所属するアル-アティアは、9月中旬にWorldRX会場でもあるラトビア・リガのビケルニエキ・サーキットを訪問。
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現在、ESモータースポーツが開発を進めている『シュコダ・ファビアRXスーパーカー』のテストを行うべく、その開発ドライバーを務めるヒュンダイのWRC契約ドライバー、ケビン・アブリングと合流してともにステアリングを握った。
この最新ラリークロス用スーパーカーにとっても、これがクローズドのラリークロス・トラックでの初テストとなり、先に開催されたWorldRXの2018年タイムをベンチマークとしてパフォーマンス比較が行われた。
「正直に言って、予想していたよりも上手く行っている。期待値以上であることは間違いない」とテストの感触を語るのは、チームマネージャーを務めるラムナス・フェティングス。
「ファーストラップを終えてすぐ、我々はすでにヨーロピアンRXにエントリーできるレベルであることをお伝えできる状況で、とても満足している。本当にうれしいよ」
リトアニアに拠点を置くESモータースポーツは、引き続きオランダ人のアブリングが開発ドライバーとして貢献することを望んでおり、同時にアル-アティアとも2019年のシリーズフル参戦に向けたプランの最終的な詰めに入っているという。
「ふたりのドライバーたちには本当に満足しているんだ」と語ったフェティングス。
「ナッサーはあらゆるカテゴリーで豊富な経験と実績を持っていて、今はRXスーパーカーを心から楽しんでいてくれるよ。そしてケビンのテストからは本当に貴重で重要な知見がもたらされている」
「現時点でナッサーの契約を公式に認める段階には来ていないが、彼はラリークロス車両にとても満足してくれていたし、チームとしても彼のパフォーマンスに感銘を受けた。ともに来季に向け、すべての面で合意できるよう契約交渉を進めていくつもりだ」
ESモータースポーツは現在のRXスーパーカー開発と並行して、2021年に導入延期が決まったフルエレクトリックRXカーに関しても、開発作業に取り組むべきかの評価を進めている。
「チームは現時点で、現行RXスーパーカーだけでなく電動車両の開発も行うか議論している最中だ」と続けたフェティングス。
「我々は少なくとも5カ年計画でWorldRX参戦を考えており、そうなれば2021年に切り替わる電動車両の開発も視野に入れなくてはならない。もし世界選手権に残りたいならフルEVマシンは不可避であり、開発作業のスケジュールを考えれば決断は"今"ということになる」
チームはラトビアで2日間のテストを実施し、今後はドイツやフランスでも同様のセッションを予定している。
「ナッサーのカレンダーはこれから非常にタイトになるので、テスト機会を増やせるよう今のうちに物事を進めているんだ。今後はドイツ戦(第11戦WorldRXオブ・ジャーマニー)の直後にも、エステリンクでテストを行うことになるだろう。その実現可否を見て、厳しそうであればフランスでのテストに切り替える計画だ」
2019年シーズンのWorldRX開幕戦は、4月5~6日に初開催となるアブダビ首長国連邦に上陸し、F1開催サーキットのヤス・マリーナでの1戦となることが発表されている。
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