山頂付近は前日に雪が降るというコンディション
6月26日、アメリカ・コロラド州にあるパイクスピークで、第94回パイクスピーク・インターナショナルヒルクライム2016(PPIHC/通称:パイクスピーク)が開催された。
【パイクスピーク2016】両席にハンドルがついたコルベット登場!
パイクスピークは、標高2862mのスタート地点から4301mのゴール地点まで、約20kmのルートを一気に駆け上がり、誰が一番速いかを競うヒルクライムレースである。その歴史は古く、初開催は1916年、アメリカでインディ500に続く2番目に古いレースであり、今回は100周年の記念大会となる。2012年にコースの全行程がアスファルトで舗装され、年々アベレージスピードが上昇している。
エントリーを100台に絞っての開催となった今回、練習走行でのクラッシュなどで2台がリタイア。決勝に進めたのは、2輪部門35台、4輪部門63台の98台となった(日本から参戦の4輪3台3名、2輪3台4名は決勝に進むことができている)。
このレースウィーク同様、決勝日も朝からパイクスピーク周辺は快晴であった。しかし、前夜に降った雨は、山頂付近で雪となっており、路面が凍結していたため、早朝から頂上付近では除雪車が出て、路面コンディションを整えるなど準備が進められた。
そして午前8時、ペースカーがまずスタートし、パイクスピーク100周年記念大会の幕が開けた。ペースカーは今年もアキュラNSX。ドライブするのは、グランツーリスモ・シリーズでおなじみのポリフォニー・デジタルを率いる山内一典さん。パイクスピークへの参戦を表明しているがまだ実現してはいない。
「100周年という節目にペースカーをドライブできて非常に光栄なことだと思っています。また、クルマから見る景色もとてもきれいで夢の中にいるような気分でした」と、初のパイクスピークの感想を伝えてくれた。参戦計画については「来年こそは出たいですね。やはりパイクスピークは実際に出場しないと楽しめないと思います。どんなマシンなら勝てるのか、って考えると非常にワクワクしますね」と、参戦に前向きの様子であった。
ル・マンに続いてデュマ選手が伝統のレースを制す!
予定よりも30分ほどの遅れでレースはスタート。出走順は、2輪部門が各クラスごとのエントリーリスト順。そして、それに続く4輪部門は、予選タイム順という、今回も変則的なオーダーで、レースは進行した。
この日の路面の状況は、全体的に低い路面温度、前日の雨によるダスティな路面、そしてトップセクションにはウエットパッチと、これまでの練習走行とはまったく異なる。2輪・4輪ともにコースアウトや転倒なども相次ぎ、回収などに時間がかかったことなどもあり、エントリーを制限したにも関わらず、レースは非常に長い1日となった。
4輪部門は、ポールスタートのロメイン・デュマ選手、そしてそれに続くリース・ミレン選手、山野哲也選手という出走オーダーでスタートした。一番先に上がってきたデュマ選手は、パイクスピークとしては2年ぶりに9分を切る8分51秒445をマーク、そして続くミレン選手も8分台となる8分57秒118のタイムを出してきたが6秒及ばず、今年の総合優勝は、ロメイン・デュマ選手! ル・マン24時間レースに続いてパイクスも制することとなった。
また、参戦2年目の山野哲也選手も、8分台にわずかに及ばずの9分6秒015! 日本人歴代最速タイムを更新した。山野選手は走行後「今日のコースはまったく別のコースを走っているみたいでした。最初のコーナーからカウンターを当てながら走るような状態で、今までの練習走行がまったく無意味だった、そんなパイクスピークでした」とコメントしてくれた。
山野選手と同じく電気自動車(EV)部門電気自動車改造クラスに、#1 Tajima Rimac E-Runner Concept_Oneで出走した田嶋伸博選手は9分51秒978と、これまでの自身のタイム更新はならず。今回はトヨタ86をベースにTRDが100台限定で販売した「TRD 14R-60」でタイムアタック部門タイムアタック2クラスに参戦した奴田原文雄選手は、非力なマシンにてこずりながらも12分33秒139のタイムで無事に完走した。
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2016は、78台が完走、19台がリタイヤという厳しい結果となった。
(文・写真:青山義明)
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