車名は「eKスペース クロス」!?
ズバリ、次期・三菱eKスペースだ。日産版(デイズルークス)よりひと足早いお披露目で、2019年度中の発売が公表されている。
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プラットフォームををはじめとするメカコンポーネンツは、すべてを一新したeKワゴン/eKクロスと共通。軽スーパーハイトワゴンの超背高ボディは後端を強くキックアップさせたベルトラインが特徴的だが、パッケージングも現行から大きな進化を遂げている。
エンジンルーム長の圧縮によってホイールベースは65mm長くなり、室内長はさらに拡大。全高と着座位置も若干高くなり、スーパーハイトワゴンならではの空間効率や見晴らしのよさをいっそう高めている。ベルトラインを引き上げ、ガラスエリアの面積を必要以上に大きく見せないようにできたのも、その効果だろう。
軽の域を超える質感のインパネ、ゼログラビティシート採用の前席は、基本的にeKワゴン/eKクロスと同じ。だが、後席はさらに広大な室内空間を生かすべく、背もたれだけでなく座面にも左右分割を採用する。eKワゴン/eKクロスの前後スライドは左右一体だが、次期eKスペースは左右独立でリクライニング&前後スライドが可能。そのスライドは、後席両肩口のレバーで片手ワンアクションと操作もラクラクだ。リヤの天井にはサーキュレーターも装備。
さらに、後席の格納方法も先代の2アクション方式から一新。ホンダN-BOXなどと同じように、ワンタッチでフラットになるダイブダウン方式を採用している。また、新型は前後席間でコミュニケーションを取りやすくできるなど、子育て世代のユーザーの使い勝手に配慮したシートアレンジが、前席を含めて盛り込まれているという。開発に際しては競合ライバルをじっくり研究しているはずで、その出来栄えも楽しみなところ。
次期型は走りにも期待
パワートレーンもeKワゴン/eKクロスと同じラインアップ。デュアルインジェクター採用のBR06型660cc直3エンジン+マイルドハイブリッド(モーター機能付き発電機)のターボ&NA、そしてハイブリッドのないシンプルなNAの計3タイプだ。NAはeKワゴンで実用域のトルクが最大15%も向上。軽専用に開発された副変速機のない小型・軽量CVTと相まって、車重の重いeKスペースでも現行の非力さが解消されることは間違いない。
登録車と同じブラシレスモーターを用いた上質な操舵感のステアリング、路面追従性に優れたサスペンションなど、シャシーの実力もeKワゴン/eKクロスで実証済み。先進運転支援装備では、日産車ではプロパイロットとしておなじみMI-PILOT(マイパイロット)を設定し、ライバルに差をつける。
日産版の次期デイズルークスとの差別化は、これもeKワゴン/eKクロスと同様。ルーフレールやデジタルルームミラーの設定はeKスペース専用となる。
そして、何と言ってもフロントフェイス。今回アンベールされたのはeKクロスと同じ雰囲気のSUVテイストで、現行のカスタムに相当する。車名はカスタムから一新されるか!? 現行同様に標準顔のデザインも設定される。
軽スーパーハイトワゴンの覇権を奪取すべく、次期eKスペースとデイズルークスの強力タッグが、独走を続けるホンダNボックスに挑戦状を叩きつける。その日は近い。
〈文=戸田治宏 写真=岡 拓〉
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