トヨタ自動車はCES 2019のプレスカンファレンスで、自動運転技術の新たなアプローチ「ガーディアン」の開発に関する進捗を発表した。今回の発表では、完全自動運転と並行して開発を進めている高度運転支援システムであるガーディアンが、人間の危険回避能力を増大させる方向で高い安全性が実現できる見込みであることと、運転の楽しみの両立が可能であることが強調された。
ガーディアンとは、トヨタが2016年1月に人工知能など先進技術の研究・開発拠点として設立した「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」が開発を進めている、高度安全運転システムのこと。TRIでは、完全自動運転技術の開発と並行して、人間のドライバーがクルマをコントロールすることを前提としたガーディアンの開発を進め、それを賢く進化させる研究に注力。CES 2019でその進捗を発表した。
今回の発表では、カリフォルニア州で実際に起きた3台のクルマが関係した事故(ガーディアンの開発中、手動運転時に発生した)を例に、予測が難しい複雑な状況で起こる事故についても、実車と柔らかな素材でできたダミー車両を活用するなどして正確にシミュレーションし、ガーディアンがこの事故を回避可能と考えられるレベルまで進化したことを明らかにした。
その進化したシステムの重要なキーのひとつが、“人間と機械のそれぞれの能力や強みを融合し、調和的な車輌制御を作り出したこと”だという。そこには戦闘機の飛行制御方法が応用されている。戦闘機では、パイロットが操縦桿を握り、飛行制御システムがパイロットの意思を読み取り、1秒に何千回という単位で機体を安定させる制御を行う。ガーディアンでは、このようなヒトと機械がチームメイトとしてお互いの良い部分を引き出すようなシステムを目指しているという。
TRIのCEOであるギル・プラット氏は次のように話す。
「人間には、自由に動き回りたいという根源的な要求があります。ハンドルを握り、加速して、ブレーキングする。そのように体の延長のようにクルマを操ることがドライブの楽しみです。自動運転の重要なメリットは、クルマの操作の自動化にあるのではなく、ヒトの安全と自由なモビリティを支えることなのです」。
自動運転と聞くと、ドライバーが介在しないシステムを思い浮かべがちだが、ガーディアンはヒトと機械が調和した高度な運転支援システムとして進化を遂げている。運転の歓びをこれまで通りに味わえ、同時に高い安全性が確保されるとなれば、クルマ好きにとってもうれしいシステムとなりそうだ。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?