■警備員による誘導があってもドライバーの安全運転義務は免除されない
工事現場やイベント会場などには、警備員(誘導員)が適所に配置されています。 状況に応じてクルマの往来を止め、歩行者の通行を促すこともありますが、警備員の誘導によって事故が発生した場合、誰が責任を負うのでしょうか。
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工事現場や商業施設の駐車場の出入り口に立つ警備員は、道路上の安全を確保するほか、クルマや歩行者の円滑な移動のためになくてはならない存在です。
結論からいうと、警備員の誘導に明らかな不備があったとしても、ドライバーが事故の責任を免れることはできません。
警備員の業務は「警備業法」で定められており、交通誘導については第2条の「定義」1項2号で「人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」とされています。
通行に危険のある場所で発生する事故を警戒・防止するために警備員が配置され、配置された警備員はクルマや人を誘導しているのです。
しかし、同法の15条「警備業務実施の基本原則」では、「警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たっては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない」と規定されており、警備員としての業務でクルマや歩行者を誘導する場合であっても、何らかの権限が与えられているわけではありません。
つまり、クルマの移動を警備員の誘導によって止めることができる法的な権限は無く、クルマ側も警備員の誘導に従わなくてはならないという義務はないのです。
さらにいえば、交通誘導自体は警備員でなくても可能で、フルサービスのガソリンスタンドでは、給油対応してくれた店員が道路へ誘導してくれることもあります。
対して、クルマのドライバーは安全運転義務などを負っており、警備員が不適切な誘導をしたとしても、最終的な安全確認などはドライバー自身が判断して運転しなければなりません。
そのため、交通事故における刑事責任については、主に運転者の過失の有無が検討され、警備員の誘導ミスは過失の検討における一要素となる程度であることがほとんどのようです。
交通事故に詳しい法律事務所の担当者は、次のように話します。
「過去、警備員やガソリンスタンドスタッフ、ボランティアスタッフなどの誘導によって起きた交通事故の事例はあります。
ほとんどはドライバー側に責任が追及されましたが、1件だけ歩行者が死亡してしまった事故があり、その場合は誘導していたスタッフにも過失があると判断されました。交通事故全般においていえることですが、死亡事故は『過失』に対する追及がシビアになります」
■警備員の責任も追求された例も。ポイントは「過失」の重大さ?
交通誘導中の事故はドライバーに責任がある一方、警備員の過失の程度が大きく、過失によって直接重大な結果が生じた場合などは、ドライバーだけでなく警備員も刑事責任を追及されることがあります。
2012年1月、当時水道工事がおこなわれていた現場で、警備員による交通誘導に従って右折したクルマが母親に続いて歩く児童に衝突し、事故の2か月後に児童が死亡するという事故が発生しました。
この事故では、警備員が母子に対して横断可能であると誘導した直後に、クルマを通行させるような誘導をおこなっていたといいます。
2013年3月に開かれた判決公判では、「(警備員とドライバーの)2人の過失が重なったことで死亡事故に発展した」と認定され、ドライバーだけでなく、警備員にも有罪判決が下っています。
なお、損害賠償責任など民事においても、ドライバーがその責任を免れることはできないでしょう。
しかし、先の判例のように、ドライバーの責任とは別に警備員のミスの内容や交通事故との関係、事故の状況などによっては、ドライバーのみならず、警備員についても責任が問われることは考えられます。
ドライバーと警備員のそれぞれに責任が認められる場合には、それぞれ被害者に対して損害賠償義務を負いますが、ドライバーと警備員との間については、過失の程度等によって負担割合が決められることになります。
また、警備業を営む会社の業務として警備員が交通整理をおこなっていた場合は、会社の使用者責任も問題となると考えられます。
警備員の誘導があっても、ドライバーは安全確認を徹底し、安全な通行を心がけなければなりませんが、警備員の誘導に法的な権限がないからといって、その誘導を無視するのは危険です。
警備員が配置されてる場所は「人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所」であることを忘れず、警備員の誘導を確認した際には、ドライバー自身でも安全を確認しましょう。
交通事故は大小を付けられるものではありませんが、人の命が関わったケースでは、基本的なルール以上の判断がなされるようです。
なお、警察官による誘導ついては、道路交通法第6条の各項において、その権限として交通規制ができることが定められているだけでなく、同法第7条では「道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第一項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない」と定められており、ドライバーは警察官の手信号などに従う義務があります。
警察官による手信号を無視すると、上記第7条に違反する「信号無視」となりますが、信号無視して人身事故を起こしてしまうと、危険運転致死傷罪(信号無視運転致死傷)に問われる恐れもあるのです。
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みんなのコメント
そもそも、工事現場近辺なんて徐行で通過するし、その速度で事故(もらい事故はまた別)とかあり得ないし、スピード出してたらただのバカ。
誘導員に文句言っていい場合は、誘導員同士が失念して片側交互通行なんかでお見合いしちゃった場合くらい。