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猫の交通事故はなぜ多い? 理由は意外な「猫の生態」にあった

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猫の交通事故はなぜ多い? 理由は意外な「猫の生態」にあった

■猫は交通事故に遭いやすい? 理由には猫の生態が関係

 2月22日は「ニャン、ニャン、ニャン」の語呂合わせで、猫の日制定委員会が制定した「猫の日」です。猫は屋外で放し飼いにされているケースもあるほか、野良猫として道路を歩いていることもあります。

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 そして、猫はクルマとの交通事故に巻き込まれやすい動物でもありますが、その理由には、ある猫の生態が関係しているといいます。いったい、どのような猫の生態が関係しているのでしょうか。

 猫の交通事故は、いまなお日本各地で多発しています。

 環境省が発表した「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」によると、2018年度の負傷した猫の収容数は1万1184頭にのぼり、これは負傷した犬の収容数(860頭)を大きく上回ります(交通事故以外が原因の負傷も含まれます)。

 要因として、猫は犬と違って単独で散歩をすることもありますが、ほかにも理由があるといいます。

 京都大学の動物心理学研究チーム「CAMP-NYAN(キャンプ・ニャン)」は、猫が事故に遭いやすい理由について次のような見解を示します。

「放し飼いの猫や野良猫は、常に交通事故の脅威と隣合わせの存在です。しかし、車道を自由に行き来できることだけが、彼らが事故に遭いやすい理由ではありません。

 じつは、猫には『クルマと直面したときに恐怖で身動きが取れなくなってしまう』といった、万が一のときに“事故を避けられない生態”があります。

 機敏なイメージの猫ですが、迫りくるクルマの前では無力であることを知っていただきたいです」

 このことからも、普段から制限速度を守り、急ブレーキなどで交通の流れを乱すことなく避けることが、猫の命を守る方法となります。

 猫を避けるために急ブレーキ・急ハンドルをおこない、クルマや歩行者などと交通事故を起こしてしまったら本末転倒です。自分本位ではなく、周囲に配慮した運転を常におこなうことがドライバーには求められています。

■エンジンルームへ猫が入るのを防ぐためには

 自動車関連ビジネスに携わる企業のなかには、猫にまつわる交通事故を減らす取り組みをおこなっている企業も存在します。

 大手カー用品店のイエローハットは、道路上での猫の交通事故を防止する「全国交通にゃん全運動」を前出のCAMP-NYANと展開しているほか、日産はクルマのボンネットのなかに紛れ込んだ猫の命を守る「猫バンバンプロジェクト(以下、猫バンバン)」を推進しています。

 猫バンバンとはどのような活動なのでしょうか。日産は次のように説明します。

「『猫バンバン』とは、クルマの隙間に入ってしまった猫に、こちらの存在を気付かせるために、乗車前にボンネットをバンバンと軽く叩き、車体を揺らすアクションです。

 毎年冬になると、猫が寒さをしのぐためにクルマのエンジンルームやタイヤの隙間に入ることがありますが、人間がそれに気付かずエンジン始動をしたために、猫が犠牲になってしまうという事故が多発しています。

 そのような悲劇を少しでも減らすべく、乗車前には必ず猫がいないかを確認し、気配を感じたらエンジンルームを確認するように呼びかけています」

 ロードサービスを展開するJAFによると、2019年1月に猫がクルマに入り込んだことで起きたトラブルで、JAFが出動した件数は25件を記録しました。

 2019年1月に動物が入り込んでしまったことによるトラブルは、猫以外の動物も含めた出動件数で27件を記録しているので、すべての動物のうち9割以上を猫が占めた計算となります。

 猫がエンジンルームに入ってしまうのは、エンジンルームが暖かいからという以外にも理由があるようです。JAFは次のように説明します。

「猫は暖かい場所だけでなく狭い場所も好みます。駐車しているクルマのエンジンルームは風雨が入りにくく、そのうえ暗く狭い空間で、警戒心の強い猫にとっては安心できるようです。

“暖かいから”という理由だけではないことからか、沖縄県で出動要請が発生したこともあります。そのため、冬だけでなく1年を通してご注意ください」

※ ※ ※

 クルマと猫は同じ車道を共有する存在です。ドライバーが猫に思いやりをもって接することで、より安全な交通社会が実現できるといえるでしょう。

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みんなのコメント

4件
  • ネコの事故原因は、飛び出しです。
  • 人が捨てたり、外飼いするからです。
    猫は野生動物じゃないんだから、全て人の責任です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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