昭和と平成で栄えた4輪の公道バトル
法律やマナーの問題などで、”公道を使った暴走行為”はほぼ絶滅してしまった「走り屋」の文化。しかし、1980年代から1990年代を中心に、さまざまなブームが起こったのも事実だ。クルマもハイパワースポーツやFR車が多かったし、車両価格も若者でも頑張れば買えた時代。一生懸命にアルバイトしながら、タイヤ代、ガソリン代を確保して夜な夜な走りまくったものだ。
「ドリフト禁止」サーキットが増加! "スキール音"問題よりも重大な本当の理由
今回は当時のブームについて振り返ってみたい。ひと口に走り屋といっても、さまざまなカテゴリーというか、ジャンル(族)が存在したのであった。
・ドリフト族
正確に言うと、ふたつに分かれて、ひとつは”峠”の走り屋。いわば漫画にもなった「頭文字D」の世界で、峠を上ったり下りたりしながら、車体を横滑りさせながら楽しんでいた。時間帯も夜間なので、ヘッドライトの光で対向車の存在がわかったり、「上り優先(下りの車両は徐行)」という暗黙のルールが存在するなど、一部の峠は安全な側面もあった。当然ながら事故や転落はあったもので、そのときもギャラリー(見物客)も含めてみんなで協力して事故処理する光景も見られた。
もうひとつのドリフト族が、夜間の埠頭などで行なわれるもの。交差点を中心にしたり、直ドリ(直線を横滑りしながら走行)したりなど、ある意味で無法地帯だった。そしてバルブ崩壊後、いまやドリフトは立派な競技として行なわれており、サーキットに移行した「D1グランプリ」などが存在。高い人気を得ている。
・環状族
大阪の環状線が発祥なので、この名前がある。大阪環状線(阪神高速1号環状線)は、右回りの一方通行なのだが、昭和60年代を中心とした全盛期には多くの走り屋が集結。グルグルと回って速さをを競ったり、集団で隊列を組んで暴走するなど、警察とのイタチごっこも日々見られたものだ。
車種もホンダのシビックが大阪環状線の代名詞になるなど、独特だった。オービスの「Hシステム」が環状族の対策として導入されたというウワサもある。
・ルーレット族
こちらは東京の首都高速の都心環状線を回る走り屋を指す。ただ、当時の記憶としては、当人達は「ルーレット族」とは呼んでいなくて、警察が付けた名称だったように思う。深夜のクルマの少ない時間を狙ってタイムアタックをしつつ、辰巳や芝浦、箱崎のパーキングに集結しては、走るチャンスを狙っていたものだった。
ルーレット族をイメージするゲームや映画も登場し、首都高速の名前が広まった分、取り締まりも強化。オービスの大量設置(後ろを写すタイプも存在)されて次第に下火に。現在も消滅したわけではないものの、交通量が増えていることもあって、流す程度といった感じだ。
・湾岸族
こちらは、当時全線開通したばかりの首都高速・湾岸線を使った、最高速アタックが狙い。日産のスカイラインGT-RやフェアレディZ、トヨタ・スープラなど、大排気量ターボ車が多かった印象をうける。とくにGT-Rなどはリミッターを外して、少し手を入れてやるだけで250km/hを軽く超えることができて、驚いたものだ。
ただ、ハイスピード走行を延々続けるわけでなく、他車や路面の問題もあって一瞬出しておしまいという走り方が多かったのも事実。取り締まる側の警察もマツダRX-7のパトカーを投入するなど話題は多く、大阪においても5号湾岸線をステージに走る人が増えた。
・ゼロヨン族
公道で0-400mの加速タイムを競う「ゼロヨン(ドラックレース)」を行なっていた時代がある。カリカリにチューニングされた過激なクルマばかりでなく、ノーマルに近い車両も分け隔てなく走ることができ、一部は仕切っている人間が似たレベルのクルマ同士にしてくれることもあった。
こちらもドリフトと同じく埠頭を中心に行なわれているが、警察の取締り強化や夜間の進入禁止などで少しずつ減少。若者のクルマ離れもあるが、暴走行為を行なうことで厳しい「刑事罰(2年以下の懲役/50万円以下の罰金)」や「行政処分(基礎点数25点)」も背景にあるだろう。
ザッと見ただけでも、これだけのジャンルが、各地で夜な夜な走りまくっていたものだ。また、環状線をはじめ、全国的には有名なスポットが各地にあり、ギャラリーを含めて盛り上がっていた。走るステージはサーキットに移り、現在からすると完全アウトな世界ばかりだが、クルマ好きとしては懐かしいのもまた事実だったりする。
*画像はすべてイメージであり、本文の内容とは一切関係ありません
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