現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クルマ好きを熱狂させた”走り屋”の名称 「ルーレット族」「環状族」「ドリフト族」ってなに?

ここから本文です

クルマ好きを熱狂させた”走り屋”の名称 「ルーレット族」「環状族」「ドリフト族」ってなに?

掲載 更新 46
クルマ好きを熱狂させた”走り屋”の名称 「ルーレット族」「環状族」「ドリフト族」ってなに?

昭和と平成で栄えた4輪の公道バトル

 法律やマナーの問題などで、”公道を使った暴走行為”はほぼ絶滅してしまった「走り屋」の文化。しかし、1980年代から1990年代を中心に、さまざまなブームが起こったのも事実だ。クルマもハイパワースポーツやFR車が多かったし、車両価格も若者でも頑張れば買えた時代。一生懸命にアルバイトしながら、タイヤ代、ガソリン代を確保して夜な夜な走りまくったものだ。

「ドリフト禁止」サーキットが増加! "スキール音"問題よりも重大な本当の理由

 今回は当時のブームについて振り返ってみたい。ひと口に走り屋といっても、さまざまなカテゴリーというか、ジャンル(族)が存在したのであった。

・ドリフト族

 正確に言うと、ふたつに分かれて、ひとつは”峠”の走り屋。いわば漫画にもなった「頭文字D」の世界で、峠を上ったり下りたりしながら、車体を横滑りさせながら楽しんでいた。時間帯も夜間なので、ヘッドライトの光で対向車の存在がわかったり、「上り優先(下りの車両は徐行)」という暗黙のルールが存在するなど、一部の峠は安全な側面もあった。当然ながら事故や転落はあったもので、そのときもギャラリー(見物客)も含めてみんなで協力して事故処理する光景も見られた。

 もうひとつのドリフト族が、夜間の埠頭などで行なわれるもの。交差点を中心にしたり、直ドリ(直線を横滑りしながら走行)したりなど、ある意味で無法地帯だった。そしてバルブ崩壊後、いまやドリフトは立派な競技として行なわれており、サーキットに移行した「D1グランプリ」などが存在。高い人気を得ている。

・環状族

 大阪の環状線が発祥なので、この名前がある。大阪環状線(阪神高速1号環状線)は、右回りの一方通行なのだが、昭和60年代を中心とした全盛期には多くの走り屋が集結。グルグルと回って速さをを競ったり、集団で隊列を組んで暴走するなど、警察とのイタチごっこも日々見られたものだ。

 車種もホンダのシビックが大阪環状線の代名詞になるなど、独特だった。オービスの「Hシステム」が環状族の対策として導入されたというウワサもある。

・ルーレット族

 こちらは東京の首都高速の都心環状線を回る走り屋を指す。ただ、当時の記憶としては、当人達は「ルーレット族」とは呼んでいなくて、警察が付けた名称だったように思う。深夜のクルマの少ない時間を狙ってタイムアタックをしつつ、辰巳や芝浦、箱崎のパーキングに集結しては、走るチャンスを狙っていたものだった。

 ルーレット族をイメージするゲームや映画も登場し、首都高速の名前が広まった分、取り締まりも強化。オービスの大量設置(後ろを写すタイプも存在)されて次第に下火に。現在も消滅したわけではないものの、交通量が増えていることもあって、流す程度といった感じだ。

・湾岸族

 こちらは、当時全線開通したばかりの首都高速・湾岸線を使った、最高速アタックが狙い。日産のスカイラインGT-RやフェアレディZ、トヨタ・スープラなど、大排気量ターボ車が多かった印象をうける。とくにGT-Rなどはリミッターを外して、少し手を入れてやるだけで250km/hを軽く超えることができて、驚いたものだ。

 ただ、ハイスピード走行を延々続けるわけでなく、他車や路面の問題もあって一瞬出しておしまいという走り方が多かったのも事実。取り締まる側の警察もマツダRX-7のパトカーを投入するなど話題は多く、大阪においても5号湾岸線をステージに走る人が増えた。

・ゼロヨン族

 公道で0-400mの加速タイムを競う「ゼロヨン(ドラックレース)」を行なっていた時代がある。カリカリにチューニングされた過激なクルマばかりでなく、ノーマルに近い車両も分け隔てなく走ることができ、一部は仕切っている人間が似たレベルのクルマ同士にしてくれることもあった。

 こちらもドリフトと同じく埠頭を中心に行なわれているが、警察の取締り強化や夜間の進入禁止などで少しずつ減少。若者のクルマ離れもあるが、暴走行為を行なうことで厳しい「刑事罰(2年以下の懲役/50万円以下の罰金)」や「行政処分(基礎点数25点)」も背景にあるだろう。

 ザッと見ただけでも、これだけのジャンルが、各地で夜な夜な走りまくっていたものだ。また、環状線をはじめ、全国的には有名なスポットが各地にあり、ギャラリーを含めて盛り上がっていた。走るステージはサーキットに移り、現在からすると完全アウトな世界ばかりだが、クルマ好きとしては懐かしいのもまた事実だったりする。

*画像はすべてイメージであり、本文の内容とは一切関係ありません

こんな記事も読まれています

いよいよランクル250の販売がスタート!どんなモデルがライバルになる?
いよいよランクル250の販売がスタート!どんなモデルがライバルになる?
グーネット
プリウスオーナーにおすすめ!鋭角のフロントガラスにフィットする内窓専用ワイパー カーメイト
プリウスオーナーにおすすめ!鋭角のフロントガラスにフィットする内窓専用ワイパー カーメイト
グーネット
ジープ 限定車「コマンダー オーバーランド」発売 ブラウン内装がプレミアムな室内空間を演出
ジープ 限定車「コマンダー オーバーランド」発売 ブラウン内装がプレミアムな室内空間を演出
グーネット
レンジローバーイヴォーク 2025年モデル受注開始!PHEV車を中心に価格を見直し
レンジローバーイヴォーク 2025年モデル受注開始!PHEV車を中心に価格を見直し
グーネット
ベテランだってチト怖い!? 鬼門!! [高速道路の合流]への恐怖心を払拭せよ!
ベテランだってチト怖い!? 鬼門!! [高速道路の合流]への恐怖心を払拭せよ!
ベストカーWeb
昭和世代じゃなくてもグッとくる!?  ちょい[イケてるクルマ]にまつわる言葉8選
昭和世代じゃなくてもグッとくる!?  ちょい[イケてるクルマ]にまつわる言葉8選
ベストカーWeb
新型エルグランド大胆妄想!! アルファードに勝つために必要な性能と価格とは?
新型エルグランド大胆妄想!! アルファードに勝つために必要な性能と価格とは?
ベストカーWeb
なぜ「SLS AMG」は比類なきスポーツカーだったのか? メルセデス・ベンツとAMGが注いだコスト度外視の革新的技術とは
なぜ「SLS AMG」は比類なきスポーツカーだったのか? メルセデス・ベンツとAMGが注いだコスト度外視の革新的技術とは
Auto Messe Web
MotoGPスペインGPプラクティス|王者バニャイヤ、レコード更新し初日最速。マルク・マルケス3番手
MotoGPスペインGPプラクティス|王者バニャイヤ、レコード更新し初日最速。マルク・マルケス3番手
motorsport.com 日本版
トヨタ・ランドクルーザーの中核モデル「250」シリーズが発売。特別仕様車のZX“First Edition”とVX“First Edition”も設定
トヨタ・ランドクルーザーの中核モデル「250」シリーズが発売。特別仕様車のZX“First Edition”とVX“First Edition”も設定
カー・アンド・ドライバー
ボルボ「XC40」仕様変更&プレミアムな装備を採用した特別限定車を発売
ボルボ「XC40」仕様変更&プレミアムな装備を採用した特別限定車を発売
グーネット
日産 新エネルギー車のコンセプトカー4車種をお披露目 北京モーターショー【動画あり】
日産 新エネルギー車のコンセプトカー4車種をお披露目 北京モーターショー【動画あり】
グーネット
ホンダ 新EVシリーズ第2弾 新型「e:NP2」「e:NS2」発表 北京モーターショー
ホンダ 新EVシリーズ第2弾 新型「e:NP2」「e:NS2」発表 北京モーターショー
グーネット
エンジン版と共有部品ナシ! ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 ちゃんと「らしい」 航続500km以上
エンジン版と共有部品ナシ! ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 ちゃんと「らしい」 航続500km以上
AUTOCAR JAPAN
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
AUTOSPORT web
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
AUTOSPORT web
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
くるまのニュース
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

46件
  • ガソリン大量消費者!
  • 時代だね、今の人には到底理解できないことだと思う。肯定するわけではない迷惑被った人も沢山いると思う、でも何かみんな熱くてギラギラしてた時代なのかな?今の合理的で冷めた目線じゃ到底理解できない世界ってあるんじゃないかなー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村