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ソウルレッドにマシーングレー!? 1本300円のマツダ宣材用ボールペン誕生秘話を追う【前編】

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ソウルレッドにマシーングレー!? 1本300円のマツダ宣材用ボールペン誕生秘話を追う【前編】

抜群の書き味に美しい塗装色

自動車のメディア関係者が集まる場所で、いくつかの自動車メーカーがイベントで配布した筆記用具を使う姿がよく見られる。ここ数年来、そのなかで業界人気ナンバー1に君臨しているのが、マツダが採用しているボールペンだ。

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たかがボールペンと言うなかれ。その書き心地はインクがしっかり濃いのに、キモチいいほど滑らか。筆記用具にほとんど無頓着だった筆者も、一度使ったらこれまでの”もらいもの”を使う気になれないほどである。

そして、その「マツダのボールペン」が業界で密かに話題となった理由にはもうひとつ、デザインがある。スタイリッシュなメタルボディなのだが、注目点は塗装色。マツダ車は2012年のアテンザに始まる新世代商品群で「匠塗(たくみぬり)」のソウルレッドプレミアムメタリック(現在はソウルレッドクリスタルメタリック)を展開したが、ボールペンの塗装もソウルレッドにそっくりなのだ。もしかして注文色!? まさか…。

ところが、匠塗の第2弾としてマシーングレープレミアムメタリックが登場すると、配布のボールペンにもそっくりのグレーが追加されたではないか。マツダのデザインに対するこだわりは、ここまで凄いのか! これは広報部に確かめるしかない。

と思いながら、失念を繰り返してきた筆者。まぁマツダ広報部の皆さんも、モデルチェンジの連続できっと忙しかっただろうし。というわけで、ようやく「マツダのボールペン」誕生秘話(?)に迫ることになったのだ。

商品名は、ゼブラの「スラリ300」

まず、このボールペンは筆記用具メーカーでおなじみゼブラが市販しているものだ。商品名は「スラリ300」。書きやすさのヒミツは、ゼブラが世界で初めて搭載したエマルジョンインクにある。本来は混じり合わない油と水を独自の新技術で乳化状態(エマルジョン)にし、安定的な混合に成功したことで、油性の濃い筆記線と水性(ジェル)の滑らかな書き味という両者のいいトコ取りを実現している。

ちなみに、この油性ボールペンにはほかにも三菱鉛筆「ジェットストリーム」、パイロット「アクロボール」、ぺんてる「ビクーニャ」といったライバル商品が存在。自動車メーカーと同じく、文具メーカーもそれぞれ独自の技術やデザインを駆使し、商品開発で熱い戦いを繰り広げているのだ。

ゼブラの「スラリ」シリーズは、2010年に樹脂ボディの「スラリ」でスタート。「スラリ300」は、ビジネスシーンでも映える高級感があるタイプが欲しいというニーズに応えるメタルボディで、2014年6月に発売された。マツダがアテンザ(2012年11月発売)、CX-5(同12月追加)、アクセラ(2013年11月発売)でソウルレッド旋風を巻き起こした時期だ。ボール径は0.5mmと0.7mmの2タイプで、価格はネーミングどおり1本300円(税別)。樹脂ボディのベーシックなスラリは1本100円(同)で、スラリ300は使い捨てにはもったいなさすぎる“高級品”なのだ。ギョーカイ諸氏は心して使うように。

そして、このスラリ300に目をつけたのが、イベント用などの宣材品を担当するマツダエース。同社はマツダの子会社で、マツダがクルマづくりに専念できる体制をサポートするべく、生産設備、情報サービス、建設・不動産、警備・防災、保険代理店などさまざまな事業を展開している。精密なミニチュアカーやロータリーエンジンをモチーフにしたキーホルダー、アパレルなどファン垂涎のマツダオリジナルグッズを手がけているのも同社なのだ。

そのマツダエースがつくったと宣材品と聞けば、ボールペン一本に対するこだわりにも納得がいく。(後編に続く)

〈文=戸田治宏〉

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