2019年10月5日~6日、俳優・唐沢寿明さんが発起人のクラシックカー・ラリー「GO!GO! ラリー in 東北~Classic car meeting 2019~」が宮城県・仙台市を中心に開催され、筆者は2日間、唐沢寿明さんと奥様の女優・山口智子さんに密着した。
2019年10月5日~6日におこなわれたクラシックカー・ラリー「GO!GO! ラリー in 東北~Classic car meeting 2019~」。イベントの発起人は俳優の唐沢寿明さん。クラシックカー・ラリー初参加の筆者は、いままで雑誌やテレビでしか見たことのなかった名車を多数目の当たりにして、すっかり舞い上がってしまった。とくに参加車両の1台、鮮やかなイエローの「ディーノ」はとても美しく、しばらく言葉が出なかったほどだ。
クーペの魅力を存分に味わえる希少な1台! レクサス RC300h 試乗記
よく見ると、ナンバーが“八王子 33”だった。ちょうど、本連載をスタートさせるべく準備中だったこともあり、おもいきってオウナーに声を掛けた。ちょうど2日目の朝、出発準備中のときである。
愛車の雨滴を拭き取っていたオウナーの麻沼恵さん。夜中降った雨を丁寧に拭き取っている姿からして、ディーノを愛されているのがひしひしと伝わる。オウナーの麻沼恵さんに取材したい旨を伝えると、快く応じてくださった。
訊くと、30年以上ディーノを所有されているという。筆者もいくつかのメディアでディーノを見たが、2桁ナンバーの個体は記憶がほとんどないから、希少な1台のようである。
【2桁ナンバー物語 過去記事】
Vol.1 春日部33のブガッティ EB110 前編/後編
Vol.2 品川35のアルピナB8 4.6 リムジン 前編/後編
Vol.3 練馬34の日産 ステージア 前編/後編
25台の歴代所有車は?12月初旬、ディーノを所有する麻沼恵さんのご自宅に向かった。麻沼さんは「麻沼歯科医院」の院長を務める歯科医で、大のクルマ好きである。
7年前につくったという、こだわりの自宅ガレージ内にイエローのディーノはあった。
ディーノのほかアルピーヌ「A110」なども並ぶこだわりのガレージ。「ガレージは以前、雑誌『ENGINE』で取材されましたよ。各地で集めたポスターやミニカー、参加したラリーのゼッケンなどを飾っています」
なかにはディーノとともに、初代アルピーヌ「A110」とMGの「MGB」もあった。
MGBは数年前に購入。ガレージの壁には、以前参加されたラリー・イベントのゼッケンなどが飾られている。くわえて、ポルシェの初代「ボクスター」も所有されている。
「2シーターのライトウェイトスポーツが好きなんです。最近は、ロータス『ヨーロッパ』も気になっています」
麻沼さんは免許取得後、先輩から3万5000円で譲ってもらったトヨタ「コロナ」を皮切りに25台所有してきたという。
ポルシェの初代「ボクスター」はガレージとは別の場所に駐車している。「当時、雑誌『ザ・スクランブル・カー・マガジン』を愛読していて、古いクルマに憧れていたんです。コロナの次は真っ赤なフォルクスワーゲン『ビートル』を購入しました」
ビートル以降は、フィアット「124スパイダー」やトライアンフ「スピットファイア」、ポルシェ「911(993)」、ジャガー「Mk2」、アルファロメオ「2000GT」、トヨタ「MR2」などを所有してきたという。
「MGの『MGA』も所有しましたが、車両火災で廃車になりました。あと、『ワーゲン バス』も所有していました。家内が幼稚園の送り迎えなどに使っていましたよ」
奥様もクルマ好きなのかと思いきや、そうではないという。にもかかわらず、ワーゲン バスで子供の送迎とはすごい。
「ディーノだけは一生所有したいですね」と、話すオウナーの麻沼さん。31年目のディーノこれだけのクルマを所有してきたものの、ディーノだけは手放すつもりはなくずっと所有してきたという。
「私がディーノを購入したのは1988年です。購入当初は5速に入らなかったり、オーバーヒート気味だったりしたものの、コンディションはそれほど悪くはありませんでした」
購入翌年の年賀状。ディーノと家族との写真が目を引く。「当時、家族の移動はワーゲン・バスでした。ディーノにはふたりしか乗れませんので(笑)」と、麻沼さん。麻沼さんが購入したディーノは1972年型の246GT、通称“ティーポE”と呼ばれる最終型だ。前オウナーは、大手食品メーカー創業一族のひとりであったという。
「ディーノを購入する前はアルファロメオ『アルフェッタ』に乗っていました。そのアルフェッタに乗って、家内と秩父へドライブしていたときにディーノを見て、一目惚れしてしまったのです(笑)」
早速、アルフェッタの整備を依頼していた「ガレージ33」(東京都東久留米市)に、ディーノを探してもらうようお願いしたという。
「見つかるまで数カ月かかりました。購入した個体は西風さん作の漫画『GTroman』単行本の表紙にも使われたそうです」
【2桁ナンバー物語 過去記事】
Vol.1 春日部33のブガッティ EB110 前編/後編
Vol.2 品川35のアルピナB8 4.6 リムジン 前編/後編
Vol.3 練馬34の日産 ステージア 前編/後編
良いメカニックとの出会いが重要購入してから31年のあいだ、故障はどれほどあったのか?
「大きなトラブルはほとんどありません。俗に言うアタリ個体だったようです」
普段の整備は、1年1回の定期点検のみという。
「普段の整備は、メカニックのNさんにお願いしています。Nさんはフェラーリ『365GTB/4』(通称:デイトナ)をレストアしたりするなど、イタリア車、とくにフェラーリの整備を得意としています。今は、イギリスでも整備の仕事をしているため、日本とイギリスを頻繁に往復されていますよ」
“アタリ個体だから苦労はまったくなかった”というわけではない。やはり40年以上前のクルマゆえ、トラブルはいくつかあったようだ。
ボディは1度、塗り直したという。「維持するうえで大変なのは壊れるタイミングがまったくわからない点です。かつて、クラシックカー・ラリーの帰路、突然走らなくなってしまったこともありました。また、メカニックを探すのも大変でしたね。とはいえ、周囲から『これほど壊れないディーノはないよ』と、よく言われるので、この個体と出会えたのはまさに幸運でした。5年前には、エンジンもオーバーホールしました」
故障がほとんどないディーノというのは、筆者もフェラーリ乗り(360モデナ)として羨ましい限りである。
次週、同乗試乗などの印象についてリポートする。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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