現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「レクサス」が「メルセデス・ベンツ」よりも売れていないのはブランド力の差なのか

ここから本文です

「レクサス」が「メルセデス・ベンツ」よりも売れていないのはブランド力の差なのか

掲載 更新 164
「レクサス」が「メルセデス・ベンツ」よりも売れていないのはブランド力の差なのか

レクサスはユーザーからの信頼度が高い

「レクサスの国内販売がパッとしない」。そういうイメージを持っているクルマ好きは少なくないだろう。街中でも輸入車のほうが目に留まるし、そもそも「レクサスの中身はトヨタなのだからクルマ好きは買わない」という古いイメージもあるかもしれない。

高級車ブランドの日産「インフィニティ」とホンダ「アキュラ」を日本導入しないワケ

メルセデスの新車販売は年間6万台超

 実際、メルセデス・ベンツとレクサスの新車販売台数を比較すると、メルセデス・ベンツのほうが売れている。少々古い数字になるが日本国内における2018年度の新車販売台数は、メルセデス・ベンツが6万7554台なのに対してレクサスは5万5098台に過ぎない。事実、日本国内でもっとも売れている輸入車ブランドはメルセデス・ベンツで、フォルクスワーゲンやBMWは5万台規模なのでレクサスのほうが若干ながら販売台数は多い。

 メルセデス・ベンツよりは少ないが、フォルクスワーゲンよりは多いという事実。レクサスが予算感などでいえば輸入車の購入層をターゲットにしていることからいえるのは、「レクサスはパッとしない」という意見はあくまでもイメージであり、実際にはクルマ好きが思っているよりも売れているという事実だ。

 トヨタの販売規模からすると非常に小さい規模なのは間違いなく、トヨタの中のレクサスと考えると期待値に届かないという意見もあるだろうが、レクサスがターゲットにしている層を考えると、ジャーマンスリー(メルセデス・ベンツ/フォルクスワーゲン/BMW)と同程度の販売台数であることをみればビジネスとしてはまずますといえるだろう。

ラインアップ数はメルセデスが圧倒

 前述のようにメルセデス・ベンツの新車販売規模はレクサスの2割増しといった状況。この違いがそのままブランド力の差を示していると考えるのは早計だ。なぜならば、新車のラインアップ数でメルセデス・ベンツが圧倒しているからだ。

 電気自動車の「EQC」を含めて、「Aクラス」にあるハッチバックやセダンのようなボディ形状の違いを別にカウントして車種を数えるとメルセデス・ベンツは25モデルを超える。人気のSUVだけでいってもGLA/GLC/GLE/GLS、そして元祖Gクラスと5モデルを用意しているほど。また、ミニバンのVクラスはレクサスにはない存在で、ラインアップは充実している。さらにAMGも別カウントすれば、さらに差は広がるわけだ。

 一方、レクサスはボディ形状を基本に「Fシリーズ」をベース車にまとめて数えると11モデルのみ。コンパクトハイブリッドの”CT”はあるが、”LS”からはじまるセダンは4モデル、”LC”などのクーペが2モデル、SUVは4モデルというのが現状のラインアップ。メルセデスベンツがオープンカーだけで5モデルを用意しているのに対して、現時点ではレクサスのオープンモデルは設定されていない(LCコンバーチブルが2020年夏発売の予定)。

 つまりメルセデス・ベンツが売れているというのは、その絶対的なブランド力によって数少ないラインアップを確実に売っているというのではなく、豊富な車種によってユーザーニーズをしっかりと満たすことで販売台数につなげているといえる。

 そんな意味でも、少ないラインアップでジャーマンスリーと同じくらいの販売規模のレクサスは互角か、それ以上のブランド力を持っているということが考えられる。その中には、冒頭で記したクルマ好きの思いとは真逆の「トヨタのブランドだから信頼できる」というものもあるだろう。

手ごろな中古車流通が少なく感じるのは?

 新車販売台数だけでブランド力を云々することはできない。ブランド力の要素として見逃せないのがリセールバリューである。”リセールバリューの高いブランド”は、中古車になったときの値落ちが小さい傾向。そのためレクサスについては手ごろな価格の中古車が少ない傾向にある。

 さらにレクサスにおいては正規ディーラーの展開している認定中古車(CPO)が、流通する中古車全体の1割以上を占めているのも、そうした印象につながっている。中古車の流通台数もレクサスよりメルセデス・ベンツが多く、中古車情報などをチェックしていてもレクサスが少ないために売れていないと感じるのかもしれない。

 ブランド力というのは日々変わっていくものだが、レクサスがメルセデス・ベンツに大差をつけられているということはない。むしろJDパワーの初期品質調査の結果を見ると、レクサスはプレミアムブランドで圧倒的なトップであり、ユーザーからの信頼度は高いといえるだろう。

 まとめると、日本国内の新車販売台数を見る限り、メルセデス・ベンツとレクサスには確かに違いはある。しかし、メルセデス・ベンツのラインアップしているモデル数が倍以上あることを考えると、この程度の差であるというのはレクサスが健闘している。つまり、ブランド力で大差がついているとするのは妥当ではないだろう。

こんな記事も読まれています

日産 新エネルギー車のコンセプトカー4車種をお披露目 北京モーターショー【動画あり】
日産 新エネルギー車のコンセプトカー4車種をお披露目 北京モーターショー【動画あり】
グーネット
ホンダ 新EVシリーズ第2弾 新型「e:NP2」「e:NS2」発表 北京モーターショー
ホンダ 新EVシリーズ第2弾 新型「e:NP2」「e:NS2」発表 北京モーターショー
グーネット
エンジン版と共有部品ナシ! ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 ちゃんと「らしい」 航続500km以上
エンジン版と共有部品ナシ! ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 ちゃんと「らしい」 航続500km以上
AUTOCAR JAPAN
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
AUTOSPORT web
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
AUTOSPORT web
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
くるまのニュース
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
AUTOCAR JAPAN
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
AUTOSPORT web
アウディの電動SUV『Q6 e-tron』に105mm長い「L」
アウディの電動SUV『Q6 e-tron』に105mm長い「L」
レスポンス
においを出すSUVだと…? ホンダの新SUVは至れり尽くせり? 中国でEV攻勢へ
においを出すSUVだと…? ホンダの新SUVは至れり尽くせり? 中国でEV攻勢へ
乗りものニュース
「市販します」トヨタのEV“bZ”シリーズ新型2車種 Z世代向け&ファミリー向け スタイルはっきり分ける
「市販します」トヨタのEV“bZ”シリーズ新型2車種 Z世代向け&ファミリー向け スタイルはっきり分ける
乗りものニュース
三菱「新型“精悍”コンパクトSUV」発表! 斬新マスクがカッコイイ! 新型「ASX」マイチェン版 欧州で発売へ
三菱「新型“精悍”コンパクトSUV」発表! 斬新マスクがカッコイイ! 新型「ASX」マイチェン版 欧州で発売へ
くるまのニュース
セゾン自動車火災保険、商号を「SOMPOダイレクト」に変更
セゾン自動車火災保険、商号を「SOMPOダイレクト」に変更
レスポンス
フィアット「500」の謎の振動がやっと解消! 飛び散るオイル問題は果たして解決されたのか…!?【週刊チンクエチェントVol.35】
フィアット「500」の謎の振動がやっと解消! 飛び散るオイル問題は果たして解決されたのか…!?【週刊チンクエチェントVol.35】
Auto Messe Web
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
グーネット
33歳、フェラーリを買う──Vol.17 オープン最高! でも……
33歳、フェラーリを買う──Vol.17 オープン最高! でも……
GQ JAPAN
タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
レスポンス
これぞ徹底的に遊べる軽!──新型ホンダN-VAN FUN STYLE+ NATURE試乗記
これぞ徹底的に遊べる軽!──新型ホンダN-VAN FUN STYLE+ NATURE試乗記
GQ JAPAN

みんなのコメント

164件
  • レクサス…デザイン悪い。
    特にフロントグリル。
    センスない。
  • ブランドとしてはどっちでもいいって人結構多いと思うけど運転支援でメルセデス選んじゃうよな 新型になればなるほど目に見えて機能向上するから買い替えスパンも短くなる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村