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【スポーツカー以外でも少数派】フロントにエンジンを搭載していない乗用車5選

掲載 更新 25
【スポーツカー以外でも少数派】フロントにエンジンを搭載していない乗用車5選

 エンジンをフロントに搭載して前輪を駆動するのがFFで、後輪を駆動するのがFRである。FFベース、FRベースにかかわらず前後輪を駆動するのが4WDとなっている。

 特殊例としては、エンジンをフロントの車軸よりも後方に搭載するフロントミドシップと呼ばれるものもある。

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 そのいっぽうで、フロントにエンジンを搭載していないクルマもある。リア車軸前にエンジンを搭載してリアを駆動するMR、リア車軸上またはリアのオーバーハング部にエンジンを搭載するRRと呼ばれるものがある。

 RRクルマは360cc時代の軽自動車に採用されていたように小型車には比較的採用されるケースが多かったが、RRの代名詞と言えばポルシェ911で、MRとともにスポーツカー用の駆動方式というイメージが強い。

 本企画では、スポーツカーではないがMRレイアウトやRRレイアウトを採用している(した)クルマを集めてみた。日本でスポーツカーではないRRといえばスバルオリジナル時代のサンバー、MRといえばホンダアクティの軽トラ勢が有名だが、ここでは乗用車に絞って見ていくことにする。

文:ベストカーWeb編集部/TOYOTA、HONDA、MITSUBISHI、RENAULT、MERCEDES-BENZ

【画像ギャラリー】一度は手に入れたい!!日本のミドシップスポーツ

三菱i&i-MiEV

販売期間:2006~2015(i)、2009年~(i-MiEV)

iの駆動方式についてはRRという表現も見られるが、エンジンの中心線はリア車軸より前にあり、エンジンを45°リア車軸側に傾斜させて搭載しているためMRが正解

 三菱は2006年にワンモーションフォルムのエクステリアが斬新なプレミアム軽自動車のiをデビューさせた。iをベースに世界初の量販EVとしてデビューしたのがi-MiEVだ。i-MiEVはエンジンの代わりにモーターを搭載している。

 最大の特徴はエンジンをリアミドに搭載していることで、軽自動車として最長の2550mmのホイールベースを実現することで、広い室内スペースを確保することに成功している。

コンパクトカーよりも長い2550mmのロングホイールベースにより室内、特に前後スペースは軽自動車でもかなり広く余裕があった

 リアにエンジンを搭載しているためラゲッジはほかの軽自動車よりも高い位置にあって使いにくいなどのデメリットもあったが、重いエンジンがリアにあるため、ブレーキング時にノーズダイブが起きにくく、操舵時の駆動干渉もないため、軽自動車とは思えない質感の高い走りを誇ったようにメリットが勝っていた。

 今では軽自動車の価格が高くなっているが、当時としてはライバル車よりも価格設定が高めだったのが苦戦した要因と思われる。

2代目ホンダZ

販売期間:1998~2002年

タフなSUVテイストのエクステリアは今出れば人気が出たかもしれない。ホンダZはメカニズムにこだわりを見せたホンダらしい1台

 ホンダは当時Jムーバーとしてキャパをデビューさせていたが、Zは軽自動車の新しい価値を創造するKムーバーとしてデビュー。懐かしのZの車名が復活したことで話題になった。

 Z最大のトピックはUM-4と呼ばれる革新的プラットフォームを採用したことにある。UM-4はアンダーフロアミドシップ4WDの略で、リアミドに搭載していた。

UM-4と呼ばれる新プラットフォームを採用し、フロア下にエンジンを搭載することで、Zは軽自動車ながら室内スペースに余裕が出て快適だった

 縦置きエンジン+4WDの組み合わせはスーパースポーツカーと同等だった。

 コンパクトカー並みに広い室内、コーナリングパフォーマンス、4WDによる走破性など魅力にあふれていたが、一般ユーザーからはウケなかった。

 登場する時代が悪かった、と簡単には結論付けられないが、SUVテイスト、少数派、個性的なデザインなど今の時代に復活させてほしい1台だ。

初代トヨタエスティマ

販売期間:1990~2000年

コンセプトカーがそのまま市販されたようなインパクトがあった初代エスティマのエクステリア。先進的ミニバンは世界をアッと驚かせた

 1989年の東京モーターショーに参考出品され、1990年にショーモデルそのままといっていい斬新なエクステリアでデビューしたのが初代エスティマで、日本だけでなく世界に衝撃を与えた。

 1BOX系モデルはフロントの車軸前または運転席下にエンジンを搭載するのが当たり前だった時代に、2列目シートの床下あたりにエンジンを配置するミドシップを採用。フロアのフラット化のためにエンジンを横に75°寝かせて搭載するなど工夫が凝らされていた。

 トヨタ自ら『天才タマゴ』というキャッチコピーを使ってエスティマの凄さをアピールしたのも頷ける画期的具合だったのだ。

当時の1BOXカーの常識を覆すミドシップレイアウトは、エンジンをフロア下で75°オフセットして搭載。これによりフラットフロアが実現した

 ただ、当時の日本は5ナンバーが主流だったこともあり、エスティマの販売は思うようには伸びなかったが、5ナンバーサイズに『縮小』したルシーダ/エミーナが大ヒット。

 しかし、ミドシップレイアウトはコストがかかるということで、2代目エスティマではFFレイアウトに変更されたと同時に、ルシーダ/エミーナは絶版となってしまった。

3代目ルノートゥインゴ

販売期間:2014年~(日本での販売は2016年~)

初代、2代目ともFFレイアウトだったが、現行はRRレイアウトで登場したトゥインゴ。全長は短くしたものの室内は広くなり魅力アップ

 ルノーのベーシックコンパクトカーとして日本でも初代から販売されていて人気が高いモデルで、初代、2代目がFFだったのに対し、3代目の現行モデルはRRとして登場。

 全長3590×全幅1640×全高1550mmのコンパクトなボディサイズは狭い道の多い日本での使い勝手もバッチリ。実は全長を2代目から100mm短くしながらも、室内長は130mm長くして広い室内を実現できたのもリアにエンジンを搭載したから。

ラゲッジ下にエンジンを搭載するためフロア自体は高くなるが、使い勝手が悪いわけではなので大きな不満にはならないレベル

 RRのデメリットとして直進安定性がよくない、コーナリング時がシビアなどが挙げられているが、サスペンション技術の進化によりこのデメリットを解消し、街中でのスムーズかつスタビリティの高い走りを実現している。

 クルマが高くなっている現在で、輸入車で198万6000円から購入できるプライスもエントリーモデルとして乗るにはかなり魅力的だ。

スマートフォーツー&2代目フォーフォー

販売期間:1998~2007年(初代)、2007~2014年(2代目)、2014年~(3代目)、2014年~(現行フォーフォー)

初代スマートの全長2500mmの超ショートボディを実現するためにはRRレイアウトが必須だった。RRはスマートのアイデンティティだ

 コンパクトカーで広い室内スペースを確保できるというものがRRの最大のメリットだが、その恩恵を最も受けているのがスマートだろう。厳密には極小のボディにするためにはRRが必須なのだ。

 スマートフォーツー(初代のシティクーペ時代を含む)は、初代、2代目、現行の3代目ともRRを採用している。

 小さなクルマの代名詞とも言えるスマートフォーツーだが、モデルによって大きく進化しているのがわかる。それが如実に出ているのがボディサイズだ。

■初代:全長2500×全幅1510×全高1500mm、ホイールベース:1810mm
■2代目:全長2690×全幅1560×全高1540mm、ホイールベース:1870mm
■3代目:全長2695×全幅1665×全高1555mm、ホイールベース:1875mm

 全幅を1475mmにして日本の軽自動車枠に合致させたスマートKの時代から考えると現行モデルはかなりワイドになっている(まぁ、それでも充分小さいが)。2代目では三菱iのエンジンを999ccに排気量アップさせた3B21を搭載していた。

 現行フォーフォー(5ドア)はルノーと共同開発し、前述のトゥインゴとプラットフォーム、パワートレーンを共用している。

ルノートゥインゴとプラットフォーム、パワートレーンを共用する現行のフォーフォー。しかし乗った感じの味付けはかなり違い、スマートのほうが硬い

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みんなのコメント

25件
  • 三菱アイが発売された時、デザインが優れていてメカも革新的なことから、評論家の多くは絶賛した。
    ところが、開けてみたらあまり売れない。ターボのみで価格も高いからだと判断したメーカーはノンターボも用意したが、てこ入れの効果はさほど現れなかった。
    結局、購買層はこの車の良さがわからず、単に屋根が高いことで広々に見えるハイトワゴンを選んでいくのを見るにつれ、この国の自動車文化はまだまだだなと思った。
  • サンバーもよろしく!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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