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2019年、もっとも気になった3台はコレだ! Vol.6 島下泰久編

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2019年、もっとも気になった3台はコレだ! Vol.6 島下泰久編

思えば「RAV4」は、かつてのRVブーム時代に、主流だったゴツゴツと無骨な4WDに対して「そんなのもう古いよ」とばかりに、乗用車的なデザイン、走り、洗練性をまとって登場して大ヒットになりました。

ところが復活した新型は、無骨なテイストを持ったデザインや、合計3種類の4WDシステムを用意するなどして打ち出した高い走破性によって、SUVが乗用車として当たり前に選ばれる存在になった今の時代に、敢えてタフさやワイルドさを強調したモデルとして登場しました。

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つまりRAV4はおなじ名前ではありながらも、四半世紀を経てまさに180度真逆のキャラクターを持つモデルに変化したのです。おそらくRAV4というのは、敢えて世の中の趨勢の逆をいくことで4WDの面白さの幅を拡大するモデルなのでしょう。もちろん、その背景にスズキ「ジムニー」や、メルセデス・ベンツ「Gクラス」などの人気もあるには違いありません。

SUVブームのなか、無難なものを出しておいてもそれなりの数は出たはずですし、そもそも先代RAV4は北米市場で「カムリ」を凌ぐベストセラーだったわけですから、普通ならキープコンセプトで出てきたはず。

それを敢えて冒険して、予定調和を壊してきた痛快さ、そして、エントリーモデルは300万円を切る、それなりに買い求めやすい価格で登場した結果、市場が大いに盛り上がったことも含めて、RAV4を今年1番評価したい日本車として選びました。

ベスト・オブ・輸入車:ポルシェ 911(タイプ992)個人的な思い入れもあるに違いないのですが、2019年の輸入車を振り返るとポルシェの存在感がとても強かったように思います。新型「911」=タイプ992はもちろん、初の電動スポーツカーであるタイカン、そして高回転型自然吸気エンジンに回帰した「718ケイマンGT4/718スパイダー」と、インパクトのあるモデルがいくつも並びました。

どれを挙げてもいいのですが、ここではやはり911を推したいと思います。何より唸らされたのは、その内外装のデザイン。もちろん911に見える、911にしか見えないフォルムを踏襲しつつ、1970年代のGモデルにインスパイアされたというディテールが、されど古臭さとは無縁の、むしろ未来的な雰囲気にまで昇華されたかたちで使われている外観の仕立ては、まさに見事としか言いようがありません。

今や必需品の大型ディスプレイを収めるべく、やはり空冷時代のモチーフを引用してきたインテリアともども、他に例のない50年以上も不変の車名、カタチ、パッケージングを継承してきた911ならではの引き出しの多さと、それを活用するセンスに大いに感心させられたのでした。

一方で走りに関しては、実はボディなど完全に新設計されてはいるものの基本的なディメンションなどに大きな変化はなく、996から997への進化のときとおなじような究極の正常進化と言えます。しかしながら、それで結果が悪かろうはずもなく、高い限界性能とグランツーリスモとして余裕の快適性はまたも一段上の高みに達したと感じられます。

強いて言えば、先代カレラ4系と数値自体はおなじとは言え、広がった全幅によって街中などでの取りまわしの際に以前ほどの「どこでも入って行ける感」が無い点、走りの味わいがややドライな点が、ネガとしては挙げられるでしょうか。

また個人的にはRHD、PDK(ツインクラッチタイプのAT)しか設定が無いのも不満です。本国でも現時点ではMTは出ていないのでそれは仕方ないですが、これまでの歴史的経緯を考えても、またプレミアム商品だという点を考えても、本国にあるものは自由に選ばせてくれるべきでしょう。

ともあれ個人的にはまだ乗ってない素のカレラも楽しみですし、ターボやGT3といった派生モデルにも当然、期待が高まります。ポルシェ911が、2020年もやはり注目せざるを得ない存在であることは間違いありません。

あらためて評価したい既存モデル:BMW i32019年は数多くの新しい電気自動車に乗ることができましたが、そんななか、あらためて乗る機会のあったBMW「i3」は、今もってまったく古びていないコンセプト、斬新なハードウェアの構成に、当時のBMWらしい強いこだわりを感じさせる走りっぷりで、大きな印象を残しました。

当時、理想に燃えていたBMWは、大容量バッテリーの搭載により車重がかさむのを嫌ってアルミ製シャシーにCFRP製ボディを組み合わせた専用のボディを起こし、電気モーターをリアに積んで後輪駆動を実現するなど、最初の量産EVを非常に凝ったかたちで産み落としました。

実際、その走りっぷりはEVのネガを切り捨て、ポジな部分だけを引き伸ばしたかたちで、瞬発力あり、軽快で、質高い仕上がりで、あらためて乗って大いに嬉しくさせられたのでした。

走りだけじゃありません。そのボディ構造が可能にした観音開きのサイドドアや凝ったデザイン、先鞭をつけたワンペダルドライブ機能等々の他の見どころも、まさに今、発表されたとしても通用するほど先進的と言えます。

さらには、リサイクル材を内装に使ったり、CO2排出をオフセットした専用工場を作ったりするなど、非常に意欲的だったBMW iシリーズですが、その後は続かず……。i3の後継車も、どうやら生まれることはないようです。

だからこそ永遠に古びないと言えるかもしれない、プレミアムEVのパイオニアたる1台。あらためてステアリングを握って「そろそろ買っておくべきなのかも」という思いに駆られてしまったのでした。

文・島下泰久 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

2件
  • いやいやRAV4はSUZUKIエスクード潰しに造っただけの車でしょ? そんな立派な開発コンセプトがあったのかどうか疑問です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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