3ナンバーとなった新型カローラは市場に受け入れられている
トヨタ・カローラまで全幅が1.7mを超えるボディとなった。これに対して異論反論があるようだが、結果として新型カローラは売れに売れている。実際、2019年10月の販売台数は1万1190台(自販連調べ)で、登録車として唯一の5桁セールスとなり、久しぶりのトップとなっているほどだ。もちろん新車効果と、周囲の消費税増税による冷え込みといった状況も無視できないが、カローラは市場に受け入れられている。
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ひとまず、スタートの状況を見る限り、市場は3ナンバーサイズのボディになったということで拒絶反応を示していないといえる。そもそも、モデルチェンジ前のカローラはグローバル仕様が大きく成長するなかで、国内向けは5ナンバーサイズにこだわったばかりにトヨタ・ヴィッツ系のBセグメントプラットフォームを使っていた。
カローラといえばCセグメントのモデルであり、ボディサイズのためにBセグメントの骨格を使うというのは本末転倒という面もある。3ナンバーサイズのボディ(それでもグローバル仕様よりは狭い日本専用ボディだ)になったといっても、しっかりと最新のCセグメントプラットフォームを使ったフルモデルチェンジが評価されるのは当然といえよう。
自動車メーカーが5ナンバーサイズのクルマを減らしているから小型乗用車のラインアップが減っているのか、ユーザーが5ナンバーであることにそれほどこだわらないから普通乗用車が増えているのか、因果はわからないが、ともかく日本市場において5ナンバーサイズにこだわらなくともビジネスは成立するというのは事実だろう。
もっとも市場シェアの変遷をみると、小型乗用車にこだわるユーザーが軽自動車に流れたという部分も見て取れる。なお、商用1BOXの世界においては4ナンバー(大きさとしては5ナンバーサイズと同じ)にこだわるユーザーは少なくない。それがトヨタ・ハイエースと日産NV350キャラバンの熾烈な競争につながっている。
じつは選択肢が豊富! 5ナンバーのクルマのほうが売れている
では、日本市場は積極的に3ナンバーモデルを選んでいるのかといえば、さにあらず。自販連の発表している2019年度上半期(4~9月)の新車販売トップ10は以下のようになっている。 1位 トヨタ・プリウス(3ナンバー)
2位 日産ノート(5ナンバー)
3位 トヨタ・シエンタ(5ナンバー)
4位 トヨタ・アクア(5ナンバー ※一部3ナンバー)
5位 トヨタ・ルーミー(5ナンバー)
6位 トヨタ・カローラ(3/5ナンバー)
7位 日産セレナ(5ナンバー ※一部3ナンバー)
8位 トヨタ・ヴォクシー(5ナンバー ※一部3ナンバー)
9位 トヨタ・ヴィッツ(5ナンバー)
10位 ホンダ・フリード(5ナンバー) アクア、セレナ、ヴォクシーは一部のグレードで3ナンバーとなるが、基本的には5ナンバーサイズのボディである。また、上半期でいえばカローラもカローラスポーツが3ナンバーなだけで、フルモデルチェンジ前のセダンとワゴンは5ナンバーサイズ。つまり、純粋な3ナンバーボディでトップ10に顔を出しているのは1位のプリウスだけだ。車両価格との兼ね合いもあるので、購入理由が5ナンバーサイズにこだわっただけとはいえないが、結果的に5ナンバーを選んでいるユーザーは多い。
上記のトップ10に入らなかったモデルでも、ホンダ・フィットやマツダ・デミオ(MAZDA2)、スズキ・スイフトやスズキ・ソリオ、さらにスズキ・ジムニーシエラなど5ナンバーサイズのモデルはほかにも存在している。日本を代表するビッグネームであるカローラが3ナンバー化したことで5ナンバーが減っているように感じてしまうが、イメージよりもずっと5ナンバーの選択肢は豊富なのも事実だ。
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