■あおり運転より厳しい!? 過労運転で受ける罰則の実態とは
近年、「あおり運転」の被害に関するニュースが盛んに報じられています。2019年11月現在、あおり運転自体は免許取り消しの対象ではないものの、同11月には、警察庁が今後あおり運転を免許取り消しの対象とする方針を固めたと報じられるなど、規制強化が進められています。
運転中のハンズフリー通話は違反? 手で持ってないから大丈夫という考えは危険
しかし、あおり運転以外に、2019年11月現在すでに免許停止の対象となる、危険な運転行為があります。善良なドライバーでも犯す可能性がある行為といいますが、いったいどういうことなのでしょうか。
2019年11月現在、警察があおり運転を摘発する際には、道路交通法26条の車間距離保持義務違反が適応されることが多いといわれています。
車間距離保持義務違反の違反点数は高速道路で2点、一般道で1点であることから、あおり運転をしたドライバーがほかの違反行為をしていなければ、一般違反行為に該当し、過去3年以内の免許停止などの処分がない場合の免許取り消し対象となる15点から24点(欠格期間1年)以上という基準には届かず、点数の免許取り消しにはなりません。
一方、あおり運転とは異なりドライバーに悪意がなかったとしても、危険運転の対象になりうる行為に「過労運転」があります。
過労運転は、道路交通法第66条で「何人も、(中略)、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」という条文で定義づけられています。
そして過労運転の違反点数は25点となり、一発で免許取り消しの対象になりうるのです。
以前、盛んに報じられたトラックやバスの長距離運転者の労働環境も、状況によっては過労運転を招く可能性が指摘されているほか、一般のドライバーにとっても無縁とはいえません。
2018年5月には東京都で、運転中の居眠りで重大な事故を起こした男性が危険運転致傷罪の疑いで逮捕されましたが、このとき男性には睡眠障害の影響が出ていたということが報じられました。
睡眠障害は本人も気づきにくい場合が多いといわれていますが、これも過労運転と判断されると見られています。
また、風邪薬などの副作用として眠気が現れ、それが原因で正常な運転ができなくなった場合も、過労運転に該当する可能性があるのです。
※ ※ ※
時速100kmで高速道路を走行するとき、クルマは1秒間に約28mも進みます。一瞬集中力が途切れただけで周囲の状況が大きく変化するため、クルマに乗る際は、常に注意力を保てることが大前提です。
クルマに乗る前に眠気が出て、眠気の原因が薬の副作用がであることが自身で明らかな場合などは、過労運転につながる恐れがあるため、最初から運転することをやめるのが賢明です。
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