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MoMAに永久収蔵されるクルマは、どれもカワイイ顔だった!

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MoMAに永久収蔵されるクルマは、どれもカワイイ顔だった!

■おもわず「カワイイ!」と声を上げたくなる、MoMAに永久収蔵されたクルマたち

 ニューヨーク・マンハッタンにある現代美術の殿堂であるニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art、以下MoMA)は、絵画等だけではなく、後世に影響を与える秀逸なポスターや写真、映画、産業プロダクト、そしてクルマも収蔵しています。

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 かつて美術館が収蔵していなかった産業プロダクトをいち早く収集しはじめたMoMAは、クルマも永久収蔵しています。

 日本でおなじみの産業プロダクトでは、auの携帯電話の機種で女性にも人気のあった「INFOBAR」がMoMAに永久収蔵されて話題になりました。
 
 MoMAに永久収蔵されるには、女性にウケるデザインであることも大切な要因なのでしょうか。収蔵されているクルマで検証してみましょう。
 
●ジャガー「Eタイプ ロードスター」

 1961年のジュネーブモーターショーでジャガー「Eタイプ」は登場しました。Eタイプはモデルチェンジごとに「シリーズ1」、「シリーズ2」、「シリーズ3」の大きく3つのタイプがあります。
 
 このなかでMoMAに収蔵されているのは、シリーズ1のEタイプです。ちなみに収蔵されているEタイプは1963年製です。
 
 Eタイプには当初からクーペとロードスターのふたつのボディタイプがありましたが、ロングノーズショートデッキの流麗なスタイルを持つロードスターをMoMAは選びました。
 
 ジャガーは美しいスタイルで高性能の割にベントレーやアストンマーティンなどに比べて安価であることがウリでした。そうしたこともあり北米でヒットし、15年近いモデルサイクルで7万台以上が生産されました。
 
 Eタイプはジャガーの歴代モデルのなかでもアイコニック的な存在です。そのため2017年には、英国のジャガー・ランドローバー・クラシックでフルレストアした「Eタイプ リボーン」としておよそ4000万円近くで販売したという実績もあります。
 
 同じく2017年に、ジャガー・ランドローバー・クラシックは往年のEタイプをフルEV化した「Eタイプ ゼロ」も製作しています。
 
 Eタイプの実車を見たいという人は、愛知県のトヨタ博物館に行くといいでしょう。同館ではシリーズ1の4.2リッターを収蔵しています。
 
 あのエンツォ・フェラーリをして「世界一美しい」といわしめたEタイプですが、ヘッドライトの高さまで視点を低くして真正面から見ると、なんとも愛くるしいマスクをしています。

●スマート「シティクーペ」

 1998年に鳴り物入りで発売を開始したスマート「シティクーペ」(のちに「フォーツークーペ」に改称)。新たなシティコミューターとして大いに期待されました。
 
 MoMAの解説では、1990年代はじめにカリフォルニア州アーバインにあるメルセデス・ベンツのデザインスタジオで開発されたとされています。
 
 当初はスイスの時計メーカーであるスウォッチとダイムラー・ベンツが手を組んでの企画でした。スウォッチ(Swatch)の「S」、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)の「M」に、「ART」を組み合わせて、「smart」という名称になりました。
 
 MoMAに収蔵されているのは、最初期の1998年モデルです。当時、日本にも並行輸入業者が独自に販売をしており、中古車市場では30万円前後で現在取引されているようです。
 
 シティクーペのフロントマスクは、口角の上がった微笑み系。MoMAに永久収蔵されている芸術品と思えば、いま安く手に入れておくのも一興です。

●ウィリス「M-38A1ジープ」

 第2次世界大戦中に米軍のために設計されたのがウィリス「M-38A1」です。1952年にウィリス「M38」のエンジンをよりパワーのあるものに換装して登場しました。
 
 そのため、ボンネットが丸みを帯びており、軍用車であるにも関わらず、M38の前モデルであるウィリス「MB」よりも大きくなったヘッドライトと相まって、愛くるしいフロントマスクをしているのが特徴です。
 
 悪路での走破性を考慮した地上高、ボンネットの上に折りたたむことができるフロントガラス、乗降性高めるためにドアがない点、すぐに部品の交換ができるようにボルトやナットなどにアクセスしやすくなっていることなど、デザインもさることながらプロダクトとしての完成度の高さも評価されています。
 
 M-38A1はシャシとボディを切り離して、箱のように積み重ねて輸送することができた点も軍用車として優れている点でした。
 
 M-38A1の7スロットグリルと丸目ヘッドライトは、現在ではジープ「ラングラー」に引き継がれています。

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●フィアット「500」

 MoMAに収蔵されているクルマで、ウィリスM-38A1に引けを取らないほど誰もが知っている市販車といえばフィアット「500」でしょう。現在でもローマやフィレンツェなどの市街地でよく見かける、イタリアの国民車です。

 1957年に登場した500は、20年もの長きにわたって生産され続けます。MoMAが収蔵している500は、1968年製です。
 
 ちなみにMoMAでは、500を手がけたカーデザイナーでありフィアットの技術部長であったダンテ・ジアコーサの名で登録されています。
 
 アニメ「ルパン三世」の劇中では、よく登場人物が屋根から上半身を出していますが、500に標準装備のキャンバストップは、車内にこもるエンジンの騒音対策のために屋根を切って対処した産物でした。
 
 誰からも愛されるジアコーサが手がけた500のデザインは、2007年に3代目として登場したフィアット「500」に受け継がれています。

●チシタリア「202クーペ」

 チシタリアとは聞き慣れないメーカー名ですが、第二次世界大戦後にイタリアの大富豪ピエロ・ドゥジオが創業したメーカーです。
 
 ボディのデザインは、イタリアのカロッツェリアであるピニンファリーナが手がけ、1951年にMoMAで開催された特別展で「動く彫刻」として展示されました。
 
 MoMAに永久収蔵されているチシタリア「202クーペ」のボディはレッドで、1946年製です。ピニンファリーナの工房でボディはつくられましたが、実際にデザインしたのはヴィニャーレともいわれています。そういわれるとフロントの左右フェンダーに穿たれたふたつの穴も、ヴィニャーレらしくて納得です。

 ボディとフェンダーが一体化していたチシタリア202クーペは、その後のカーデザインに大きな影響を与えました。それまでのクルマは、フォーミュラマシンのように四輪はボディから突き出すようにして配置されていました。
 
 それがチシタリア202クーペの登場で一変。1950年以降、現在に至るカーデザインの源流となったのです。
 
 ただ美しいだけでなく、カーデザイン史における金字塔としても、チシタリア202クーペはMoMAに永久収蔵される価値があるのです。
 
 全体的に丸みを帯びたボディ、とぼけた口のようなグリルデザインは、愛らしささえ感じます。
 
 これまで紹介した5台のなかで、チシタリア202クーペだけが、新車当時から超高級車で、クーペとオープンモデルをあわせても200台も生産されていないようです。
 
 ほかの4台は、広く世に普及し、欧州や北米などの路上の彩りとなったクルマたちでした。
 
 ちなみに、チシタリア202クーペも愛知県のトヨタ博物館に収蔵されています。

※ ※ ※

 ジャガーEタイプ ロードスターは、クラシックカー市場でも非常に人気の車種で、程度のよいものは高額になりました。
 
 いま日本で気軽に手に入れるとしたらスマート シティクーペ、そしてちょっと背伸びすればフィアット500も入手可能です。ウィリスM-38A1ジープは、ライセンス生産されたデザインの近いものや、市販モデルとなるCJ-5を中古車市場で探し出すことができるかもしれません。
 
 チシタリア202クーペは、海外オークションに出品されるのをチェックするか、直接オーナーから譲ってもらうしか入手方法はありませんが、軽く数億円することだけは間違いありません。

 いずれにしても、MoMAに永久収蔵されているクルマはどれも、女性ウケする愛くるしい容姿をしていることだけは確かなようです。

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