オートバイで出かける理由はたくさんある。
フラリと出かけたり、目的をもって行ってみたり。
「あそこ、もう一度行きたいな」
そんなできごとが、オトナにはあるのだ。
家族サービス中にふと見つけた絶景へ
家族の用事で温泉へ行った。お父さんは、当然クルマの運転手。
妻と子どもふたり、それに年老いた父と母も乗せて、総勢6人の苦行(笑)。
子どもたちも、両親も妻も喜んでいる。お父さんとして、これでいいのだ。
けれど一閃! 道すがら、目の覚めるような景色に出逢った。
次の目的地への移動の車中、運転手(=つまり僕)以外はみんな寝ちゃってるときに、運転手だけ興奮していたのだ。
――うお! すげぇ景色だ。
それは、山の上の果樹園に向かっている時に、山道を上がりながら、ふと見やったバックミラーに広がっていた絶景。
小高い丘から眼下に広がる町並みは、高い建物が少ない地方都市のなだらかな盆地で、遠くに霊峰富士を望み、川も田んぼも畑も、緑も青空も、みんなある。
――ここは、バイクで来る!
そう決心して2週間で、このツーリングを決めたのだ(笑)。
申し訳ない、モーレツな公私混同で。でも思い立ったが吉日なのだ。
以前にも、このパターンは何度もあった。
こどもの頃に行った場所、いつも仕事で通う道、電車から、バスから見た風景。
そこを、あらためてバイクで走ってみたい、そう考えることが多いのだ。
これって、僕だけ? いや、きっとそんなことない。
ツーリングに行く理由なんてなんでもいい。
ともだちとみんなで、ならば定番のコースもいいけれど、ひとりでフラッと、ならばほんの些細な、それこそ今回のようなつまらない理由を目指して走って行けばいい。
ツーリング――迷わず行けよ。疾走ればわかるさ。
ヤマハ MT-09 ABS 主なスペックと価格
SPECIFICATION<>内はSP
■全長×全幅×全高:2075×815×1120mm
■ホイールベース:1440mm
■シート高:820mm
■車両重量:193kg
■エンジン:水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ
■ボア×ストローク:78×59mm
■排気量:845cc
■最高出力:116㎰/10000rpm
■最大トルク:8.9kg-m/8500rpm
■燃料タンク容量:14L
■ミッション:6速
■キャスター/トレール:25°/103mm
■タイヤ前・後:120/70ZR17・180/55ZR17
■車両価格:100万4400円 〈MT-09SP:111万2400円〉
ヤマハ MT-09 ABS カラーバリエーション
MT-09 ABSのカラーバリエーションは、撮影車の新色・マットライトグレーメタリック、ブルー系のディープパープリッシュブルーメタリック、ブラック系のマットダークグレーメタリックの3カラー。
ヤマハ MT-09 SP ABS
フロントに専用のKYBフロントフォーク、リアにオーリンズ製リアサスを採用したMT-09SPは、専用色の塗り分けタンクのブラックメタリックX。
スタンダードと比べると税抜き10万円アップ……お得です。
YAMAHA MT-09 ABSの各部をチェック!
フロントブレーキはφ298mmローターに4ピストンキャリパーを装備。
フォークはφ41mmの倒立式で、プリロードと伸/圧側減衰力調整機構つき。
写真は19年モデル新色のバーミリオン(フラッシュオレンジ)ホイール装備のマットグレー。
完全新設計の並列3気筒エンジンは、スロットル操作に忠実なレスポンスが素晴らしい!
数字的には100㎰そこそこだが、パワーモードのA/STD/Bモードが選択できるうちのフルパワー「A」では、獰猛なほどのパワーフィーリングを味わえる。
車重の軽さと俊敏なレスポンス、そしてこのトルクはなかなか他のモデルでは味わえない刺激的なものだ。
アシスト&スリッパークラッチ、シフトアップ方向のみのクイックシフトを標準装備。
トラクションコントロールは1/2/OFFの3段階。
17年モデル以降の現行型は、リアフェンダーをスイングアームマウントとしたデザインとなりMTっぽさをさらに強調。
二次減速比は、同系エンジンを使用しているTRACERとは同一で、NIKENよりドリブンスプロケットが2丁少ない。
[ アルバム : もっと詳しく見る! はオリジナルサイトでご覧ください ]
リッター未満で久々の銘機鳴きだす水冷トリプル
MT‐09に度肝を抜かれて、もう5年が経つ。
あの頃のヤマハは、しばらくニューモデルを発売していなかった頃で、ちょっと元気がなかった時期だったのかな。
久しぶりのニューモデル、BOLTを発売して盛り返し始めた頃、次のニューモデルとしてリリースしたのが、このゼロナインだったのだ。
ぼくは初試乗、初めてのバイクと接する時、事前資料を読み込まずに乗るようにしている。
こんなフレームかぁ、タイヤの純正銘柄がコレで、エンジンはこれなんだ――なんていろいろ考えながら、大体の乗り味の予想を立てて、その予想は9割がた、外れることがない。
それが、ゼロナインは、大外しした!
新設計の水冷並列3気筒エンジン、新設計フレームに、異形のスタイリング――ゼロナインはもともとカテゴライズしづらいところを狙ったオートバイだったんだけれど、それが予想を混乱させたし、アルミダイキャストフレームも水冷3気筒も経験のないものだったから。
ゼロナインは、とにかくエンジンが素晴らしい。
初期モデルは、かなりワイルドで粗削りなフィーリングだったけれど、スリムな車体と軽量なボディのおかげで、意のままに車体をコントロールできる、初対面から好ましいオートバイだったのだ。
200PSだ、最高速300kmだなんて超高性能モデルじゃない、100PSそこそこの、止まるも曲がるもアクセルひとつでコントロールできる、そんなバイク、久しぶりだったし。
特に、ステアリングヘッドから座る位置が近くて、フロントタイヤに乗ってリアを流して乗るような、いや実際には流せないけど(笑)、そんなハンドリングも新鮮だった。ストリートでクイックで、くるくる曲がる、クルージングに入っても、快適に穏やかなツーリングもできる。こりゃ、イッポン取られた!
ゼロナインの肝である水冷3気筒は、4500回転くらいを境にキャラクターが豹変する。
6速4000回転で100km/h定速巡航ができるんだけれど、それ以上ではギュルギュルとうなりを上げ、それ以下では穏やかに走ることができる。
ホントよくできたエンジン、それを許容するフレームなのだ。
今回、あらためて気づいたことがある。
6速でクルージング中、エンジン回転数が3500回転を越えると、吸気音かな、走行サウンドに、キュイィィィン、という鳴き音が加わるのだ。
この鳴きは、この回転帯を外しても、シフトダウンしても鳴らない、オーナーだけが知っているゼロナインのツボ。
イカツいルックスしているクセに、こんなところがすごく愛おしい。
そしてゼロナインは、市販モデルナンバー1のパワーを持っている。
それはパワーの絶対値でなく、A/STD/B3種類のパワーモードのことなんだけれど、それが世界ナンバー1と言っていいほど変化するのだ。
フルパワーのAモードは強烈のひと言。レスポンスも鋭く、低回転からガンガン来るし、中回転から高回転のつながりもハイパワー。
STDはこれが扱いやすいハイパワーになり、Bモードは雨用かな、レスポンスも穏やかでトルクの立ち上がりもスムーズ。
ハッキリ言って、Aモードは激しすぎて、ぼくはこの取材中、ずっとSTDで走っていたくらいなのだ。
1台でなんでも使えるオートバイ。それが実力深く、実力はなかなか測りづらい――それがゼロナイン。
乗れば乗るほど、人気モデルなのが良くわかる!
文/中村浩史・撮影/松川 忍
[ アルバムはオリジナルサイトでご覧ください ]
ヤマハ MT-09 公式サイト
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