現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 87】日産 フェアレディZ 300ZX:昭和58年(1983年)

ここから本文です

【昭和の名車 87】日産 フェアレディZ 300ZX:昭和58年(1983年)

掲載 更新
【昭和の名車 87】日産 フェアレディZ 300ZX:昭和58年(1983年)

昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は昭和58年発売の日産フェアレディZ 300ZXだ。

3LのV6ターボで230psの大パワーを与えられた3代目Z
日産 フェアレディZ 300ZX:昭和58年(1983年)9月発売
日本を代表するスポーツカーとして、また世界で最も売れているスポーツカーとして、確固たる地位を築き上げたフェアレディZが2度目のフルモデルチェンジを受けたのは、昭和58年(1983年)9月のことだった。

【スクープ】どうなる日本のセダン? 消滅が秒読みのビッグネームたち!

Z31という型式を持つ3代目Zは、初代モデルからの流れを受け継いだロングノーズ+ファストバックスタイルの2シーターと2by2。とくにテールまわりの造形は、Zのアイデンティティを明確に表すデザインとなっていた。

このモデルの外観上の特徴として注目されたのは、Zとして初めてリトラクタブルヘッドランプを採用したことである。ただしこれも従来のイメージとあまりにかけ離れてしまうのを嫌い、通常でも半分ほどが露出した状態で、点灯時に垂直にライズアップする独特の機構を採用していた。

そして、初代のS30やS130と最も大きく異なっていたのは、エンジンが直6ではなくV型6気筒とされていたことだ。搭載されるのは3L+ターボのVG30ET型と2L+ターボのVG20ET型の2種類。これらはメカニズム的に見れば、一般的なSOHCヘッドを採用した何の変哲もないエンジンで、V6であることを除けばごくごく普通のパワーユニットだった。

しかしVG30ETは、そのパワースペックで人々を圧倒した。当時はまだグロス表示だったとはいえ、国産車としては前代未聞の最高出力230ps/5200rpmというハイパワーを発生したのだ。最大トルクも34.0kgm/3600rpmと、驚異的に図太かった。このころライバルとされていたセリカXXは、5M-Gに強化したとはいっても175ps。実に50ps以上のアドバンテージをZは確保したわけである。

実際に走らせてみても、Zの230psのパワーは鮮烈な印象を与えた。FJ20ETを搭載するスカイラインやシルビアのRSターボが、210km/h台の最高速度を出して速いと言われていた時期に、300ZXは234.91km/hを叩き出したのだ。また、0→400m加速にしても、一気に15秒を切る14.42秒をマーク。真のスポーツカーはここにあり、とでも言うような、強力な説得力を持つ動力性能を見せつけた。

前がストラット、後ろがセミトレーリングアームというサスペンションの基本形式は2代目のS130から引き継いだものだが、設計はもちろん全面的に見直されている。最初から大パワーによる超高速走行を前提としていたため、直進安定性などのレベルは当時の国産車としては抜群に高かった。また旋回性能にしても、直6より重量配分的に有利になったこともあって、弱アンダーステアの良好な特性を示した。

一方、2Lモデルは最高出力が170ps/6000rpm、最大トルクが22.0kgm/4000rpmで、スーパースポーツに進化した3Lに対し、スペシャリティ度を高めた比較的おとなしい設定とされていた。しかしそれが不評を買い、結局1985年10月には、V6専用モデルだったはずのZに、直6DOHC+セラミックターボのRB20DET搭載モデルを追加することになる。このあたりは商品企画面での失策かもしれない。

1986年10月には、Zはかなり大がかりなマイナーチェンジを受ける。まずスタイリングをリフレッシュするために、フロントマスクやリアエンドのデザインを、アメリカにあるデザインセンターNDIに任せて変更。力強さの中にも上品さを漂わせる、洗練された造形となった。

そしてこの時に追加されたのが、NA(自然吸気)の3L DOHCエンジンVG30DEを搭載した国内専用モデル300ZRである。300ZRはそれまでのGT志向のサスチューンを完璧な運動性能重視のセッティングに変更。NAエンジンならではのクイックレスポンスと相まって、最も走りを楽しめるZとして人気を集めた。対米モデルをもとにしたクルマ造りではなく、日本の要求を100%受け入れた純スポーツカーを目指したことによって生まれた、ベストモデルといえるだろう。

日産 フェアレディZ 300ZX 2シーター 主要諸元
●全長×全幅×全高:4335×1725×1295mm
●ホイールベース:2320mm
●重量:1325kg
●エンジン型式・種類:VG30ET型・V6 SOHCターボ
●排気量:2960cc
●最高出力:230ps/5200rpm
●最大トルク:34.0kgm/3600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:215/60R15 90H
●価格:320万円

昭和の名車のバックナンバー

[ アルバム : フェアレディZ 300ZX はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

ついに[レガシィ]の名が消える…… 2025年春にメイン市場の北米で生産終了! でもアウトバックは生き残る!
ついに[レガシィ]の名が消える…… 2025年春にメイン市場の北米で生産終了! でもアウトバックは生き残る!
ベストカーWeb
スズキ「アヴェニス125」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「アヴェニス125」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
「Appleのパクリ」はもはや過去! 中国シャオミ初EV「SU7」受注7万台突破と新経済圏ブチ上げ、米中貿易摩擦も何のその?
「Appleのパクリ」はもはや過去! 中国シャオミ初EV「SU7」受注7万台突破と新経済圏ブチ上げ、米中貿易摩擦も何のその?
Merkmal
アウトドアテイスト満点な新設[HuNT]がイカす!!! ホンダの中核コンパクトSUV[ヴェゼル]が満を持してマイチェン!
アウトドアテイスト満点な新設[HuNT]がイカす!!! ホンダの中核コンパクトSUV[ヴェゼル]が満を持してマイチェン!
ベストカーWeb
THE NORTH FACEを体現した一台! トリプルネームで開発されたトヨタ ランドクルーザープラドがベースのキャンパー
THE NORTH FACEを体現した一台! トリプルネームで開発されたトヨタ ランドクルーザープラドがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
走るファーストクラス【レクサス LM500h エグゼクティブ】
走るファーストクラス【レクサス LM500h エグゼクティブ】
グーネット
GAINER TANAX Zが岡山で待望のシェイクダウン。ドライバーふたりもポテンシャルに手ごたえ
GAINER TANAX Zが岡山で待望のシェイクダウン。ドライバーふたりもポテンシャルに手ごたえ
AUTOSPORT web
もう[ハリアー]超えやん!! 日本の[ヤリス]にも採用してよ!! 欧州仕様のエアコン機能が神すぎる
もう[ハリアー]超えやん!! 日本の[ヤリス]にも採用してよ!! 欧州仕様のエアコン機能が神すぎる
ベストカーWeb
中上貴晶が語るテストチームとのズレ。ホンダRC213Vの現状は「問題が多過ぎる。データ解析しても表れない」
中上貴晶が語るテストチームとのズレ。ホンダRC213Vの現状は「問題が多過ぎる。データ解析しても表れない」
AUTOSPORT web
いよいよランクル250の販売がスタート!どんなモデルがライバルになる?
いよいよランクル250の販売がスタート!どんなモデルがライバルになる?
グーネット
プリウスオーナーにおすすめ!鋭角のフロントガラスにフィットする内窓専用ワイパー カーメイト
プリウスオーナーにおすすめ!鋭角のフロントガラスにフィットする内窓専用ワイパー カーメイト
グーネット
ジープ 限定車「コマンダー オーバーランド」発売 ブラウン内装がプレミアムな室内空間を演出
ジープ 限定車「コマンダー オーバーランド」発売 ブラウン内装がプレミアムな室内空間を演出
グーネット
レンジローバーイヴォーク 2025年モデル受注開始!PHEV車を中心に価格を見直し
レンジローバーイヴォーク 2025年モデル受注開始!PHEV車を中心に価格を見直し
グーネット
ベテランだってチト怖い!? 鬼門!! [高速道路の合流]への恐怖心を払拭せよ!
ベテランだってチト怖い!? 鬼門!! [高速道路の合流]への恐怖心を払拭せよ!
ベストカーWeb
昭和世代じゃなくてもグッとくる!?  ちょい[イケてるクルマ]にまつわる言葉8選
昭和世代じゃなくてもグッとくる!?  ちょい[イケてるクルマ]にまつわる言葉8選
ベストカーWeb
新型エルグランド大胆妄想!! アルファードに勝つために必要な性能と価格とは?
新型エルグランド大胆妄想!! アルファードに勝つために必要な性能と価格とは?
ベストカーWeb
なぜ「SLS AMG」は比類なきスポーツカーだったのか? メルセデス・ベンツとAMGが注いだコスト度外視の革新的技術とは
なぜ「SLS AMG」は比類なきスポーツカーだったのか? メルセデス・ベンツとAMGが注いだコスト度外視の革新的技術とは
Auto Messe Web
MotoGPスペインGPプラクティス|王者バニャイヤ、レコード更新し初日最速。マルク・マルケス3番手
MotoGPスペインGPプラクティス|王者バニャイヤ、レコード更新し初日最速。マルク・マルケス3番手
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

539.9920.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.03300.0万円

中古車を検索
フェアレディZの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

539.9920.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.03300.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村