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業界ニュース 2019.9.14

韓国で日産が月販58台の衝撃 徴用工問題と不買運動による自動車産業への影響とは

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■自動車産業も無縁ではない、日産の8月販売台数「58台」の衝撃

 物理的に距離の近い国と国は、さまざまなトラブルを抱えてしまうのが世の常ですが、日本と韓国の関係もまた、根深い問題を含んでいます。

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 最近では、徴用工訴訟問題などに端を発する日本製品不買運動が提起され、近年でもっとも日韓関係が悪化している状態です。

 同時期には、日産が韓国市場からの撤退を検討すると報道されるなど、自動車産業でもその亀裂は広がるばかりです。日本の基幹産業でもある自動車産業は日韓関係とどのような関係性があるのでしょうか。

 2018年の韓国における乗用車新車販売台数は155万8642台となっており、一定の規模はあるものの、それほど大きい市場ではありません。
 
 日系自動車メーカーも含めた輸入車割合は約17%となっており、ヒュンダイやキアといった韓国メーカーのシェアが高いことがうかがえます。

 輸入車のなかでは、トヨタが1万6774台を販売していますが、メルセデス・ベンツの7万798台、BMWの5万524台から比べると大きく離されているのが現状です。

 ほかの日系メーカーでは、レクサスが1万3340台、ホンダが7956台、日産が5053台、日産の高級車ブランドであるインフィニティが2130台となっていますが、決して大きな規模ではありません。またスバルやマツダについては現在正規での販売はおこなわれていません。

 さらに2019年は先述の日韓関係悪化を受けて、日系自動車メーカーの販売台数はさらに落ち込んでいます。とくに、「戦犯企業」にリストアップされた日産は、2019年8月の月間販売台数が58台となるなど、大きな影響を受けています。

 この数字は前年同月比-74.6%であり、高級車であるポルシェが280台、マセラティが126台販売していることからも異常な数値であることがわかります。また、トヨタやホンダもそれぞれ前年同月比-37.3%、-70.5%と大きく販売台数を落としているのです。

 世界の年間新車販売台数が550万台を超える日産にとって、局所的な数字とはいえ、「58台」という販売台数はあまりに衝撃です。

 そうでなくても年間5000台程度の市場ですから、韓国にこだわる理由はあまりなさそうに思われます。実際、一連の日韓関係の悪化を受けて、日産が韓国市場からの撤退を検討しているとの報道が日韓両国からなされています。

 実際に、ある業界関係者からは「韓国については単にひとつの市場として見ることはできず、外交問題の中で考えなくてはならない。これまでは『政冷経熱』というスタンスではあったが、ここまで市場が冷え込んでしまうとビジネス上のメリットはあまりに少ない」といった声も聞こえます。

 また、2019年9月にはルノー・日産・三菱アライアンス内のルノーサムスン釜山工場の生産台数において、半分を占める日産のSUVモデル「ローグ」の受託契約延長を中止すると決定しました。これまで、ローグの輸出台数は年間10万台ほどでしたが、2019年には6万台まで減少したことが理由のようです。

■販売台数が落ち込んだ理由。そして、決断の日は近い?

 日本製品不買運動の発端となっている徴用工訴訟問題は、2018年10月に新日本製鐵(現日本製鉄)に対し、韓国の最高裁にあたる大法院が、元労働者や遺族に対して損害賠償を命じる判決を出したことから多くの人に知られることになりました。

 第二次世界大戦時に日本の統治下にあった韓国では、「日系企業で多くの韓国人が奴隷のように働かされていた」という原告側の主張が認められたということになります。日本政府側もこの判決には強く反発をしており、双方の主張は平行線をたどっています。

 こうした日韓関係の摩擦が続くなかで、新たな動きとして2019年9月6日に、ソウル市と釜山市で、公共機関が対象となる日本企業の製品を購入しないことを努力義務とする条例が可決されました。

 この対象となる企業は250社を超えるとされ、それらの企業は「戦犯企業」と呼ばれているようです。また、同年9月10日にはソウル近郊の京畿道(キョンギド)で、小学校から高校までの学校の備品に対して「戦犯企業」と書かれたステッカーを貼ることを促す条例が可決されています。

 いずれも日本企業製品の購入を制限する条例ではありませんが、こうした動きは韓国全土に広がりつつあり、「戦犯企業」とされている企業は、製造業や化学関連企業を中心に多岐にわたりますが、自動車メーカーでは日産自動車、いすゞ自動車、マツダ、富士重工業(現スバル)がリストアップされているようです。

 韓国の国内市場は、南方に日本、北方に中国、ロシアに囲まれた朝鮮半島という地理的条件から今後の急速な発展は考えづらく、韓国政府も外貨を稼ぐべく輸出産業への投資を進めてきました。

 近年の韓国自動車メーカーや韓流アイドルの海外での活躍もそうした背景があります。一方で国内市場は先細りなうえに、ヒュンダイやキアといった自国のメーカーのシェアが高いため、外国メーカーにとっては決して美味しい市場ではありません。

 高級車に関してはまだ開拓の余地があると思われますが、量販車においてはほとんど旨味がないのが現実です。ただし、両国には非常にセンシティブな関係があることから、単にビジネス面でのみ撤退の判断をすることができず、トヨタやホンダ、そして日産といった日本を代表する大企業としては悩ましいところではないでしょうか。

 しかし、日系メーカーたちも営利企業である以上、ただ赤字を受け入れるわけにはいきません。このまま日韓関係の改善が見られないようであれば、撤退という判断が下ることは時間の問題といえそうです。

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(くるまのニュース Peacock Blue K.K.)

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