重大事故には至らなかったものの、それに直結してもおかしくないような経験を“ヒヤリ・ハット経験”と言う。ドライバーなら誰もが一度は体験したことがあるはずだ。
マクロミルが普通自動車免許を保有する55歳以上の男女に実施した『シニアドライバーの自動車運転に関する調査』によると、過去3年以内に、車を運転中にヒヤリ・ハット経験をしたシニアドライバーは66%という結果に。
具体的な経験としては「信号や道路標識を見落とした・見落としそうになった」41%、「走行中、自動車と衝突・接触しそうになった」32%、「走行中、歩行者や自転車と衝突・接触しそうになった」25%が上位だった。このヒヤリ・ハット経験の調査結果を“65歳以上”と“55~64歳”とで比較してみると、意外な傾向が見えてきたので紹介したい。
シニア層の利用意向や普段の自動車運転意識についての調査
アンケートで提示した7つのヒヤリ・ハット経験項目のほぼすべてにおいて、“55~64歳”よりも“65歳以上”の方が低い状況に。また、別の質問で聞いた車の運転への自信については、「とても自信がある」「まあ自信がある」と答えた人の合計が、“55~64歳”よりも“65歳以上”の方が高い、という状況だった。
重大事故に直結してもおかしくないような事象が実際に起きていたかどうかは当調査では読み解けませんが、“65歳以上”のシニアドライバーは“55~64歳”のドライバーよりも、ヒヤリ・ハットを経験したという意識を持つ人が少なく、運転に自信がある人が多いという意識結果が判明した。
「自動ブレーキ車限定免許」は、2人に1人が「取得したい」
また高齢ドライバーによる相次ぐ交通事故により、政府は新しく高齢ドライバー専用の“安全機能付き車限定免許”の導入を新しく検討している。このような免許ができたら「必ず取得する」が13%、「たぶん取得する」が37%だった。合計すると50%となり、グラフの通り「取得する」と「取得しない」は両者拮抗している。
ではそもそもシニアドライバーは、自動ブレーキなどが搭載された“安全サポート車“を持っているのか、持っていない人は購入したいと思っているのか聞いた。
安全サポート車を「すでに購入した」が16%、「購入を検討している」が11%、「購入を検討したことはあるが、購入はしなかった」が10%、「購入を検討したことがない」が63%。現状では、シニアドライバーの半数強が安全サポート車の検討に至っていない。
しかし、自動ブレーキ車限定免許に半数が前向きなことから、新しい免許の誕生が決定したら安全サポート車の購入検討率は高まっていきそうだ。
調査概要
調査主体:マクロミル
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:普通自動車免許を保有する55歳以上の男女(マクロミルモニタ会員)
割付方法:上記の調査対象条件の出現比率に基づき、男女×年齢(55~59歳、60~64歳、65歳以上の3区分)で割付 /合計1,000サンプル
構成/ino
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