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まるで半自動運転のようなクルマのアダプティブクルコン! 過信に潜む危険とは

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まるで半自動運転のようなクルマのアダプティブクルコン! 過信に潜む危険とは

 完全停止まで対応する全車速追従機能は便利だが……

 最近、中高級車にはもちろん、新型ホンダN-WGN、新型ダイハツ・タントのターボモデルなど、軽自動車にまで装備され始めたアダプティブクルーズコントロール(ACC)。従来の単なるクルーズコントロールとは違い、前車との距離を任意の間隔で一定に保ち、渋滞時には停止~再発進してくれる機能だ。レーンキープ機能と組み合わせることで、高速走行ではドライバーの精神的・肉体的負担を劇的に低減してくれる効果があり、便利かつ安全でもある先進装備と言っていい。

一度経験すると付いていないクルマに乗れなくなるほど便利な装備11選

 ボクもACC付きのクルマを所有し、また、多くのACC付きの新型車に試乗しているが、もちろん、ACCは万能ではない。まず、渋滞追従型でないと、本当に必要性を感じる、高速道路上での渋滞時に機能してくれない。旧来型のACCは約35~115km/hの範囲内でしか作動せず、渋滞に対応していない。最新のACCは、例えばトヨタ・カムリのように、約0~180km/hといった、全車速対応というものまであるのだ。一部高速道路で120km/h制限区間があるため、渋滞追従に加え、せめて120km/hまで対応してほしいところだ。

 また、注意したいのはACCが作動中でも、ペダルから足を離してフロアに置いていていいというわけではないこと。つねに緊急の場合に備え、ペダル操作ができるようにしなければならない。

 そして、日本で販売されている国産車や輸入車のACCは、今のところナビゲーションのマップを読んでいない。欧州ではすでにメルセデス・ベンツがナビデータとACCをリンクさせたモデルをラインアップしているが、日本仕様はそうはなっていない。

 これはどういうことかと言えば、カーブだろうと、高速道路の出口だろうと、前車のいない料金所だろうと、減速操作は一切行われないということ。たとえば、ACCを80km/hにセットして、快適に高速クルージングしていたとしよう。前車がいれば、設定速度内で、任意にセットした車間距離を保ち、追従。これはついうっかりの急接近(あおり運転と誤解されることも)、自動ブレーキ作動の一歩手前の追突防止にもなり、ペダル操作から解放されるためじつに便利で快適だ。とくに、渋滞時を含め、足首疲労の低減になる。

 だが高速道路上で、減速しなければならないけっこうきついカーブがあっても、ナビデータとリンクしていないACCはそのままのスピードを保ち続けてしまう。高速道路のカーブ、出口、前にクルマがいない料金所でも同じ。結局、キャンセルボタンを押す、ブレーキを踏む、といった操作が必要になる。自動運転気分で、うっかりACCに身を任せきっていると、カーブなどに設定速度のまま進入し、曲がり切れずにクラッシュ! なんていうこともありうるわけだ。

 その点、欧州のACCは極めて賢く、地図データを読んでいるため、カーブでは減速するなどの制御を行ってくれるというから、さらに便利で安心なのである(自動運転に近い)。

 うまく活用すれば燃費の向上にもつながる

 また、最高速度120km/hの高速道路区間で、ACCを120km/hにセットして走っている場合、その先で制限速度が100km/h、80km/hになっても、自動で設定速度ダウン操作はしてくれない。場合によっては即、スピード違反になるから、要注意。その都度、設定速度を変更する必要があることも、覚えておきたい。

 基本的に高速クルーズ、とくに高速道路上の渋滞時に威力を発揮してくれるACCだが、じつは、車種によって実力が大きく異なるのも事実。その一例が、料金所のゲートをくぐったあとや、追従している前車が車速を落とし、レーンチェンジしたような場面での、再加速性能だ。輸入車の多くは再加速性能に優れ、BMW 5シリーズなどはかなりの勢いで再加速してくれたりする。スバルのアイサイトも不満のない再加速性能の持ち主だ。

 一方、ホンダ車の一部、たとえばステップワゴンのACCは、再加速性能がもっさりすぎて、追従している前車が速度ダウン後の再加速、高速道路の料金所をくぐったあとの再加速など、追突されやしないかと、ひやひや。オデッセイになると、再加速性能に大きな不満はなくなるのだが……。

 最後に、ACCの隠れた実用性を紹介したい。これはあくまで個人的なデータだが、長距離走行でACCを使うと、燃費が10%ぐらい伸びたりするのだ。愛車でよく出掛ける、東名高速・東京~御殿場間の実燃費は、ACCを使わないとどんなに走行条件が良くても18km/Lに届かないのに、ACCを入れっぱなしで走ると20km/Lを超えることがある。

 この理由は明白。自身でアクセルコントロールするより、ACCまかせで最適かつスムースに加減速しているほうが、燃料消費が少なくて済む……ということだろう。

 これからのクルマは、2020年から新車装着が義務化される自動ブレーキはもちろんだが、高速走行をする機会の多い人にとって、制御に優れたACCとレーンキープ機能、そして高速レーンチェンジ時の接触事故を未然に防いでくれるブラインドスポットモニターは不可欠と思っている。

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