2019年7月3~4日、埼玉県和光市にある本田技術研究所で開催された「ホンダミーティング2019」にて、ホンダの新型EV、ホンダeの日本仕様が初公開された。
ホンダeはホンダ初の量産電気自動車で、すでに欧州で発表されている。日本でいつ発売されるのかと、待ち侘びているホンダファンも多いハズだ。
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そこでホンダeの全貌を探るべく「ホンダミーティング2019」に取材に訪れ、ホンダeがどんなモデルなのか、開発責任者の人見康平さんに話を聞くとともに、ホンダeの今わかっている情報をすべて明らかにする!
文/ベストカー編集部
写真/ベストカー編集部 ホンダ
初出/ベストカー2019年8月26日号
欧州では2019年5月から予約開始、日本発売は2020年春!
充電はフロントフードから。またフェンダーいっぱいの17インチタイヤを装着し、銘柄はミシュランのパイロットスポーツというから走りへのこだわりは相当なものだ
まずはホンダeがどんなクルマか説明しておこう。ホンダeはホンダ初の量産電気自動車で、4人乗りのシティコミューターとして開発が進められており、初代シビックを思わせるレトロ感とシンプルなボディラインで構成されたエクステリアデザインが注目を集めている。
リチウムイオン電池は床下、駆動用モーターはリアサスペンションの中央付近に搭載することで後輪駆動を成立させた。
応答性の高いダイナミクスと効率性、さらには優れたパフォーマンスにより、今までの電気自動車とはひと味違うホンダらしい楽しさを追求しているという。
空気抵抗低減のために小型のデジタルミラーが装着される。通常のサイドミラー装着車に比べ最大3.8%の航続距離の伸びが期待できるという
2019年5月21日から、欧州の4カ国(イギリス・ドイツ・フランス・ノルウェー)で予約受付が始まっており、正式な注文は2019年後半から、デリバリーは2020年春からスタートするという。
肝心の日本の発売時期は、2020年春から導入予定(ホンダ広報部)となっているが、現段階では予約開始時期や発表、発売時期はまだ決まっていない。
おそらく2019年10月に開催される東京モーターショーで発表され、その際に明らかになるのではないだろうか。
最高出力は150ps、航続距離は200km
35.5kWhの駆動用バッテリーと150ps/30.6kgmのモーターを組み合わせる
ホンダeの航続距離はWLTCモードで200kmしかない。東京から箱根往復は厳しい。乗車定員も4人乗りだ。
駆動用バッテリーは35.5kWhで110kW(150ps)の最高出力と、300Nm(30.6kgm)の最大トルクを発生する。
ちなみに日産リーフは、駆動用バッテリーが40kWh仕様の場合、最高出力が110kW(150ps)、最大トルクが320Nm(34.7kgm)と、ホンダeと最高出力が同じで、最大トルクはリーフのほうが20Nm上だ。
いっぽう、リーフの高性能版、e+は62kWhの駆動用バッテリーを搭載し、最高出力は160kW(218ps)、最大トルクは340Nm(34.7kgm)。
リーフの航続距離はWLTCモードで、40kWh仕様が322km、62kWh仕様が400kmと、ホンダeのWLTCモードの航続距離200kmを圧倒する。
「ホンダeはスポーツカーですから!」
コーナリング1発で走りの楽しみがわかるというから試乗が楽しみだ
では、ホンダeの概要がわかったところで、現地で取材した内容をお伝えしていこう。まずはホンダeの開発責任者・人見康平さんに話を聞いた。
―まずはホンダeの価格ですが、英国では3万ポンド(約435万円)で販売される予定ですが、日本でも400万円以上で売るのでしょうか?
人見さん 安くありませんよ。でも本当に気に入っていただけるお客様に乗っていただければいいと思っています。
―スペック的にリーフに劣っていますが、リーフとは違う、ホンダeの個性、魅力はなんでしょうか?
人見さん 乗って走ってもらえば必ずわかります。“スポーツカー”ですから。
人見さんは2代目フィットや初代N-WGNの開発責任者を務めたホンダのエース級開発者。その人見さんが「ホンダのEVとは何か?」を突き詰めて出した答えが走りの楽しさだという。
EV専用プラットフォームを採用することで、モーターはリアに搭載。いわゆるRRで前後重量バランスは50対50というから、まさに理想的。ステアリングにはVGR(可変ギアレシオ)を搭載し、その曲がりのよさは「絶対に驚きますよ」と人見さんは力を込めて答えた。
EV専用のプラットフォームを開発し、地域ごとにバッテリーを最適調達し、バッテリー幅を固定した水平平置きバッテリーパックとして搭載できるのが新しい。 ホンダeにも採用されるが、低重心かつ重量配分は50対50とし、リア駆動を基本に4WDも展開していくという
赤と黒の2トーンエクステリアは日本仕様の特徴で、想像以上に低くワイド、精悍な印象だ。ミラーレスのデザインも新鮮で大型サンルーフも標準仕様だ。ちなみにミラーレスは空気抵抗を抑え、最大3.8%も航続距離を伸ばすという。
全車ルーフがブラックの2トーンカラーでサンルーフも標準装備
インテリアはとにかく斬新。メーターとは別に10インチモニター2つと6インチのサイドビューモニターが配置される
インテリアは和風モダンといった装い。ナビやいろいろなインフォメーションを操作できる10インチのモニターを2つセンターと助手席側にレイアウト、左右には6インチのサイドビューモニターがあり、運転が楽しめそう。
日本発売は2020年春、埼玉寄居工場で生産されるという。価格はおそらく430万円前後になるだろう。
人見さんの言うとおり、ホンダeは既存のEVとは違う、走りが楽しめる、ホンダらしいスポーツカーに仕上がっているのか、期待して待ちたい!
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