■ウインカーの点滅間隔の差は法律的に問題ないのか
クルマはメーカーや車種によって大小様々な違いがありますが、なかには実際にクルマを動かさないとわからない違いもあります。ウインカー(方向指示器)の点滅間隔も、そのひとつです。
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交差点で信号待ちをしているクルマを観察すると、ウインカーの点滅する間隔はそれぞれ異なっていることがわかります。しかし、安全に関わる装備の仕様がクルマによって異なっていても問題はないのでしょうか。
ウインカーの仕様について、各自動車メーカーはどのように設計しているのでしょうか。
スバルは「灯火類は重要な保安部品であることから、車種を問わず法規に則り開発しています」と説明します。
また、マツダも「ウインカーの点滅間隔はレギュレーションで指定されています。そのため、それを満たすことを開発の基準としています」とコメントしています。
開発にあたって基準となる法規の内容とは、いったいどのようなものでしょうか。
道路運送車両法における保安基準 第41条 第2節 第137条のなかで、ウインカーの点滅間隔について「毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅するものであること」と記されています。
この範囲内でないウインカーは、保安基準を満たさない状態とみなされて、車検を通すこともできません。もちろんメーカーの純正品である場合は問題ありませんが、社外品のウインカーに交換する場合は注意が必要な点です。
いい換えれば、点滅間隔が毎分60回以上120回以下の一定周期であれば、メーカーはどのような点滅間隔に調整しても問題はありません。
なお、マツダは自社商品の点滅間隔については「軽自動車などのOEM車をのぞく自社開発商品では、基本的にはどれも同じ間隔になるよう設計しております」とコメントしています。
■「サンキューハザード」はアリ? 警察やメーカーの見解は
ウインカーは、前後左右のウインカーをすべて同時に点滅させることでハザードランプ(非常点滅表示灯)としても使われます。しかしこのハザードランプの使い方に関しては、正しく伝わっていないものもあるのが現状です。
通常の使用方法とは異なるハザードランプの使われ方に「サンキューハザード(ありがとうハザード)」があります。
これは、合流時や車線変更時に進路を譲ってくれたクルマに対して、譲られた側のクルマが感謝を伝える目的でハザードランプを数回点滅させるというものです。
しかしこのサンキューハザードは法規で規定されていないうえ、ハザードスイッチに手を伸ばすことでドライバーの前方への注意が途切れる可能性があります。
この行為について、警察や自動車メーカーはどのように考えているのでしょうか。
埼玉県警は「厳密にはハザードランプは、挨拶をするものではありません。道路交通法でもそのように定められていないので、使用用途によっては違反行為になる可能性があります」という見解を示しています。
また、ホンダも「ハザードランプの本来の使用法とは異なるほか、地域や状況によって意味合いが異なる場合があります」と指摘しています。
周囲に誤解を招く可能性もあることから、ハザードランプを他車への合図として使う場合には注意が必要です。
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