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伝統のブランド「ロイヤルエンフィールド」って知ってる? 『ROYAL ENFIELD CONTINENTAL GT650』(2019年)#試乗インプレッション

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伝統のブランド「ロイヤルエンフィールド」って知ってる? 『ROYAL ENFIELD CONTINENTAL GT650』(2019年)#試乗インプレッション

バイクの原点を思わせるスポーティな親近感
ロイヤルエンフィールドほど、数奇な運命を辿ってきたメーカーはないだろう。

イギリスでバイク生産に乗り出したのが1901年だから、世界で最古の名門メーカーの一つなのだが、60年代後半には他の英国メーカーと同様、日本車の進出もあって経営状態が悪化、70年に倒産してしまう。

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ところが、54年にかつて植民地であったインドからの受注があって、インドに現地工場が設立されており、おかげで倒産後もインド側が独自に生産を続行、生き延びてきた。

そして95年には、ボルボとの合弁で産業用自動車などを扱う大手のエイカーグループ傘下に入り、今日に繋がっている。

さらに、4年前にはイギリスに技術センターを開設。れっきとしたインドメーカーにして、英国の名門としての復活を目論んでいるかのようである。

ミドルクラス車での世界進出を企てており、名門にして発展途上にあると言っていいわけだ。

生産モデルも、長きに渡って「生きた化石」的なものであったが、08年にはクランク・ミッション別体式を一体式に改め、アルミシリンダや電子制御式燃料噴射を採用、現在に適合させたものへと進化させている。

14年にはその単気筒ユニットをさらに発展させ、ロイヤルエンフィールドにとって初めてのダブルクレードルフレームに搭載したコンチネンタルGT535を登場させ、将来への口火を思わせたものである。

この新しい2気筒のコンチネンタルGT650は、その車名を引き継ぎ、ともに65年のコンチネンタルGT250をイメージリーダーとするカフェレーサータイプである。

ただ、GT535は昨年に生産を終えており、650はそれに代わる新型車と考えてよさそうだ。

ともかく、カフェレーサーと言えども、このGT650にはスポーツすることを強要するとか、スパルタンといった雰囲気はどこにもない。

ハンドルがセパレートタイプであっても、上体の前傾度は昨今のスポーツネイキッドに近い水準にあり、バックステップが装着され、燃料タンクもINT650とは異なる専用品であっても、それはライポジを最適化し、よりカフェらしさを演出するためのものであるようだ。

積極的にダイナミックに体重移動して、コーナリングを楽しみやすくても、あくまでも普通に使えるバイクなのである。

何より、走り出すや、ホッとした気分に浸れるのがいい。

空油冷4バルブエンジンはSOHCで、ヘッド回りが軽量のはずだし、シリンダもわずかに前傾しているので、低重心感があって、走り出したときに安心感に浸れる。

低回転域からトルクは豊かで、粘りもあるから尚更で、ゆっくり走って気持ちいいのである。

そして、1軸バランサー付きの270度クランクが発する不等間隔のビート感がまた心地いい。

そのトラクション感がバイクを駆っていく気分を高めてくれるが、不快な振動はない。

単気筒のGT535にあった極低回転での燃調の不備も見事に解決されている。

また、高速度域での振動や走行安定性に関しても、もはやさほど問題に感じることはなく、技術水準の向上ぶりを思わせ、今日的にレトロっぽさを楽しめる。

SPECIFICATION
全長×全幅×全高2119×745×1067mm
ホイールベース1398mm
シート高820mm
車両重量208kg(90%装備)
エンジン形式空冷4ストOHC270°クランク2気筒
総排気量648cc
ボア×ストローク/圧縮比78×67.8mm/9.5
最高出力47PS/7250rpm
最大トルク5.3kg-m/5250rpm
燃料供給方式FI
燃料タンク容量12.5L
キャスター角/トレール量NA/NA mm
変速機形式6速リターン
ブレーキ形式 前・後ディスク・ディスク
タイヤサイズ 前・後100/90-18・130/70-18

RIDING POSITION 身長:161cm 体重:53kg
カフェレーサータイプながら上体の前傾度は強くなく、専用のレーサータイプのタンクと、40mm後方、20mm上方に移動したステップによってピタリと決まる。

足着き性は悪くない水準にある。

COLOR VARIATION
アイスクイーン
85万9000円

ミスタークリーン
88万9000円

ブラックマジック
83万9000円

DETAILS
メーターはアナログ式の回転計と速度計が並べられた2眼式という伝統的な構成。

トリップ、オド、燃料計が内部に設置される。

燃料タンクはカフェレーサーらしく前後長がわずかに長く、後端上部の角が盛り上がっている。

容量はINT650より少々小さい12.5リットル。

エンジンは排気量648ccの空油冷式4バルブSOHC、1軸偶力バランサー付きの270°クランクだ。

フォルムもかつてのイメージを踏襲する。

ヘッドライトは、形状が伝統的な丸型で、ハロゲンバルブを用いるリフレクタータイプだ。

ハンドルバーはセパレートタイプである。

[ アルバムはオリジナルサイトでご覧ください ]

TEXT、PHOTO:和歌山 利宏

公式サイト
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