■むしろ首都圏中心部には少ない“郊外型渋滞の”不思議
国土交通省の発表によると、渋滞によって遅れた時間を表現する数値(渋滞損失時間)のランキング1位は、千葉市内にある「国道16号線」の長沼交差点から穴川インター交差点までの区間です。
なぜ多い? 煽り運転のきっかけ「通せんぼ走行」 高速追い越し車線で法定速度走行はNG?
2位から5位の間には、首都圏周辺や東海地方の名前が並び、意外にも首都圏の中心部はランクインしていません。これらの場所で渋滞が起きやすい理由は、いったいなんでしょうか。
●国土交通省 渋滞損失時間ランキング
1位:「国道16号線」長沼交差点~穴川インター交差点(千葉県 千葉市)
2位:「国道19号線」瑞穂通 5丁目交差点~春日井インター西交差点(愛知県 春日井市)
3位:「国道6号線」本田広小路交差点~青戸八丁目交差点(東京都 葛飾区)
4位:「国道4号線」環七通り交差点~西保木間交差点(東京都 足立区)
5位:「国道1号線」江原公園~市立病院南(静岡県 沼津市)
ランキング1位の「国道16号」は、神奈川県横浜市を起点として首都圏を結ぶ、東京都心部を中心とした道路です。横浜市をはじめ、東京都町田市、八王子市、埼玉県川越市、さいたま市、千葉県柏市、千葉市などいわゆる首都圏の「ベッドタウン」を結んでいるため、渋滞も当然と思われるかもしれません。
しかし、ランクインした千葉市の区間(長沼交差点から穴川インター交差点まで)がとくに混むのには、理由がありました。
この区間は千葉市の稲毛区から若葉区に位置するのですが、稲毛区に入ると東関東自動車道の「千葉北IC」があり、この合流を起点として「穴川IC」までのエリアが非常に渋滞します。
そもそも、この区間の16号線は一部が「京葉道路」という有料道路となっており、トラックなどの運搬車両から周辺住民の通勤車両などさまざまなクルマが通ることから、交通量は非常に多いです。
じつは京葉道路と呼ばれるのは、この穴川ICまでで、そこから先は京葉道路(以降は国道14号となる)の側道となるため、とくにこの区間が混雑するようです。
また交通関係の事情に詳しいライターは、混雑するほかの理由について次のように話します。
「16号線の沿道には飲食店や量販店などの大型店舗が多く、この利用客で混雑するということも理由として挙げられます。つまり、この区間が最も混雑するする理由としては、運搬利用と通勤利用と買い物利用、この三つどもえが大きな理由なのではないでしょうか」
また、通称「トラック街道」とも呼ばれている16号線ですから全長の長い大型車両が多く、そのため通常のクルマよりも渋滞の列が長くなるということもあるようです。
■原因は横断歩道? 中央自動車道の大渋滞
2位にランクインしたのが、愛知県春日井市を通る「瑞穂通5丁目交差点」から「春日井インター西交差点」までの間ですが、ここが渋滞する理由には交通量の多さのほかに、意外なものがありました。それは、道路の歴史と行政事情にかかわっています。
この区間は片側二車線以上が確保されているものの、1972年開通という50年近い時間が経過した古めのバイパスであるうえ、市街地の中を走るので、交通量も多く慢性的に混雑しています。
この道をよく利用するドライバーは、次のように話します。
「市民の間からは『名古屋高速道路』を『春日井IC』まで延ばせばいいいのでは、という声も聞かれますが、そのためには『東名阪自動車道』を一度経由しなければならず、別途料金がかかってしまいます。そのため、実現は難しいでしょう」
一方で、この区間に設けられている交差点の多さも理由のひとつとして挙げられます。春日井IC周辺を筆頭に、わずかな区間に七つの大きな交差点があり、国道や県道、大型郊外施設がある道などへつながっているため、ひとつの要因となっているようです。
3位にランクインした「国道6号線」は、東京都中央区日本橋から茨城県水戸市を抜けて宮城県仙台市に至る、いわゆる「水戸街道」でもあります。
江戸時代の頃から、東京と東北地方を結ぶ大動脈として交通量の多い路線ですが、なぜ葛飾区内にあるこの区域(本田広小路交差点から青戸八丁目交差点まで)がとくに混雑するのでしょうか。その理由は、このエリアの立地条件にあるようです。
まず、この区間は「荒川」と「中川」という大きな川に挟まれています。荒川には「新四ツ木橋」、中川には「中川大橋」という橋が架かっていて、これが渋滞の原因になっているようです。
また、東京から向かった場合はまず「新四ツ木橋」を通るのですが、この橋は片側一車線の橋が並行して走っているという特殊なものです。右側の路線は東京側では国道6号と直結していないため、新四ツ木橋の渋滞緩和にはあまり役立っていないように見えます。
このため橋の先にある「本田広小路交差点」が渋滞緩和の起点になっているようです。
さらに「青戸八丁目」のすぐ先にある中川大橋の手前には、都内でも有数の交通量である「環状七号線」が交差しており、これも渋滞の原因となっています。
■“魔の環七”と旧国道との合流が渋滞の原因
東京都から青森県までを縦断する日本一長い国道が「国道4号線」です。この路線の渋滞ポイント(環七通り交差点から西保木間交差点まで)もまた、環状七号線に起因します。
東京から向かった場合、まず「環七通り交差点」が渋滞の起点となります。さらにその手前には「千住新橋」という日常的に交通量の多い橋があり、続けて環状七号線と交差することで、渋滞の原因となります。
その後、「梅島」や「竹ノ塚」といった人口の多い区域を抜けた、「西保木間」の交差点までが渋滞ポイントとなっていて、この交差点は旧国道4号線との分岐点でもあります。
ちなみに住宅街を擁することから、やはり朝方が混むようで、とくに埼玉県越谷市方面から都内を目指す上り線が渋滞するということです。
2018年のランキングでは5位、そして2015年には年間の渋滞ワースト1位にもなってしまったのが、 「国道1号線」の静岡県沼津市「江原公園」から「市立病院南」の間です。この区間は沼津バイパスとなっています。
とくに江原公園交差点の場合、上り線の右折レーンが常に混雑しており、「片側三車線の道路が一車線に感じる」というドライバーの意見さえ聞かれるほどです。そのため割り込みによる事故も多発し、交通事情の悪化に拍車をかけています。
過去にも同区間を含む区域が何度もワースト5入りをしており、国道1号線の中でも、もっとも混雑するポイントとなっています。
できれば避けておきたい渋滞スポットですが、生活環境や仕事の関係でそうもいかないというドライバーも多いことでしょう。しかしイライラは事故の元です。時間的余裕を持って、安全運転を心がけていきたいものです。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
4児の父「杉浦太陽」、新車で買った「高級ミニバン」初公開! 「すごく乗りやすくて…」全貌を明かし「カッコイイ!」「好感持てる」の声集まる
1000馬力の“4.1L V6”搭載!? 新「R36GT-R」まもなく登場!? レトロなデザイン採用した「和製スーパーカー」 どんなクルマ?
ホンダ新型「高級ミニバン」登場! めちゃ「豪華リアシート」×専用“黒すぎ顔”採用! 516万円の「新型オデッセイ 最上級仕様」はどんなモデル?
ホンダ「新型コンパクトミニバン」登場! 8年ぶり刷新でゴツい「アウトドア仕様」に上質“洗練スタイル”も用意! 「新型フリード」純正アクセ公開
ついに発売! 注目のトヨタ新型「ランドクルーザー250」人気グレードは何? プラドオーナーの評判は? 販売店に聞いてみた
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?