2019年シーズンのMotoGPでは、早くも1勝を挙げるなど、絶好調のスズキGSX-RR。その、誕生の流れを解説。
ついに市販モデルとリンクしたスズキの並列4気筒GPマシン
2002年に、世界グランプリのマシンが4ストローク化されたのは、主催者側からは、新しいメーカーの参入を期待するという思惑があった。
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そして、参加側には「GPマシンと市販モデルとリンクさせよう」という思いがあったはずだ。
2ストローク500ccという、市販モデルとして時代にそぐわないエンジンでいるより、4ストローク化して市販スーパースポーツとの相互イメージを持たせよう、というものだ。
ホンダは、エンジン型式こそ違えど、ユニットプロリンクやセンターアップマフラーといったGPマシンゆずりのメカニズムを持つCBR1000RR/600RRを発売したし、ヤマハはクロスプレーンクランクシャフトをYZF‐R1に投入した。
スズキは、GPマシン「GSV‐R」にV型4気筒エンジンを採用したことで、市販SSにGPマシンのエッセンスを採り入れてはいなかった。
GPマシンはV4=GPでは結果を残せたとは言い難いGSV‐Rで、市販SSは並列4気筒=数々の栄光を獲得してきた名車GSX‐R、という完全別路線だ。
スズキがGP活動を休止し、復活を目指したとき、ひとつのテーマとなったのが、このGPマシンと市販SSのリンクだった。
その大きな成果のひとつが、GPマシンが並列4気筒エンジンを採用したことだ。
もちろんGPマシンのエンジン型式は、戦闘力が第一条件。
まずスズキは、現在のモトGPの統一タイヤや統一ECUといった環境、レギュレーションの中で、いちばん戦闘力を発揮しやすいエンジンとして並列4気筒を選んだのだ。
そして、丸3年のブランクを経て復帰した2015年シーズンでは、GSX‐RRは期待以上の走りを見せ、目標としていたトップ10は当たり前、他メーカーのファクトリーマシンの尾が見えるところまで前進した。
特に第8戦カタルニアGPでは、なんと2台のGSX‐RRが予選1‐2を決めたのだ。
最高出力230PSオーバー、V4エンジンと車体幅がほとんど変わらない並列4気筒、そこに「初優勝」が加わった時、数々の栄光をつかんできた市販SS、GSX‐Rに、またひとつ大きな勲章が加わるのだ。
GPへ再び参戦を果たした2015年
GSX-R1000に特別カラー登場!!
2015年モデルのGSX-R600/1000は、GPマシンGSX-RRのカラーリングをイメージしたグラフィックを採用。さらに、それをベースに全日本選手権ではMotoMapスズキが、世界耐久チームS.E.R.T.もこのカラーでレースに参戦。
こうした試みを行ない、ブランディングに統一性を持たせることも、GPマシンと市販SSのリンクの成果だといえる。
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