■世界中で愛されるホンダ「スーパーカブ」シリーズ
国内2輪市場は低迷を続けています。そんななか2018年に誕生60周年を迎えた、ホンダ「スーパーカブ」シリーズ。豊富なエンジンサイズと様々なボディタイプをラインナップし、幅広い層のユーザーから親しまれているロングセラーモデルです。そのなかでも高額なモデルが非常に人気となっています。なぜ市場が低迷するなか、高額な「スーパーカブ」が販売好調なのでしょうか。
ホンダ、初代誕生から60年 最新装備を採用した新型「スーパーカブC 125」を発売
2019年4月現在では、50cc/110cc/125ccの3タイプのエンジンと、スタンダードからビジネスユース、レジャー向けなどのボディを用いることで計9モデル(特別仕様車を含めると11種)までラインアップを拡充しています。
それらの中でも異彩を放つモデルとして挙げられる「スーパーカブC125」は、2018年6月末に登場した車両で、初代モデル「スーパーカブC100」のデザインを踏襲しつつ、省エネルギー性に優れたLED灯火器や、より便利にエンジン始動できる「Honda SMART Key システム」などを採用することで、スマートな使い勝手と上質さが追求されました。
「スーパーカブC125」は、ヤマハやスズキ、カワサキなど国内メーカーの125ccクラスモデルと比較しても高額な39万9600円という車両価格(消費税込)ながら、発売から約半年で年間販売計画台数3000台を上回るセールスを記録しています。
■原付一種よりも高額な原付二種クラスの販売が好調な理由とは?
近年、日本国内市場では原付二種免許で乗ることができる125cc以下のバイクの販売が右肩上がりに推移しています。実際に2018年の国内新車出荷の統計データを見ると、総出荷台数33万5572台のうち、原付二種は約10.5万台と1/3近くの割合を占めています。
この結果について、ホンダモーターサイクルジャパンの加藤千明社長は、「2018年の国内二輪の需要は原付二種クラスが大幅に増加し、軽二輪クラスは若年層のお客様を中心に堅調な数字となったものの、最大ボリュームゾーンである原付一種が減少したことにより、全体の国内二輪総需要は前年比96%という結果になりました。
その中で私共ホンダは新製品14モデルを導入することで、コミューター領域では原付二種が原付一種を、ファンモデルでは軽二輪が普通・大型バイクの販売減少をカバーすることができました。
この要因としては、スーパーカブ50、並びに110に加え、クロスカブ、スーパーカブC125また、一昨年生産を終了したモンキーの後継機種として投入したモンキー125が好調な売り上げを記録していることが挙げられます。
原付二種クラスの市場は、機動力や積載性、省スペース製などのほか、原付一種と比べ道路交通法での各種規制が少ないことなどもあり、大幅に伸張をしております。さらに、AT小型限定普通二輪免許の取得容易化の追い風により、今後も需要が堅調に推移していくと考えられます。その需要が大型ファンモデルへ移行し、活性化につながるよう、ホンダの強みであるグローバルリソースを最大限に活用し、さらにラインナップの充実を図って参りたいと考えております」といいます。
※ ※ ※
また、ホンダ広報部の村瀬弘晃主任は、現在の販売台数の推移について以下のように説明します。 「スーパーカブC125は約半年で年間販売計画台数3000台を達成したあとも順調な推移を見せており、現在では約3500台まで到達しています。C125以外にも、スーパーカブC110が約1万2000台(ビジネスモデルPROを含む)、クロスカブ110は1万台と、スーパーカブ・シリーズはいずれも堅調な販売台数を記録しています。 正確な年齢層は集計できておりませんが、クロスカブ110は50ccモデルよりも大幅に台数が販売されていますので、免許などの都合を考えれば年齢層は高めであることが推測されます」 ※ ※ ※
タイやインドネシアなどのアジア諸国では、125ccクラスのコミューターは一般的なものとして広まっていますが、日本国内の販売台数を見る限り、今後の国内市場でもこうしたクラスのバイクがさらにシェアを拡大していくことが予想されるでしょう。 これから隆起する市場に対し、国内メーカー各社がどのような新型車を打ち上してくるのか、期待が高まります。
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