現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ対応分かれる? 全方位のトヨタ、電動化の日産、エンジンのマツダ、各社の戦略とは

ここから本文です
業界ニュース 2019.4.16

なぜ対応分かれる? 全方位のトヨタ、電動化の日産、エンジンのマツダ、各社の戦略とは

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

■全方位的な戦略をみせるトヨタとホンダ

 クルマ業界を取り巻く状況は大きく変化しています。数十年前までは、より良いガソリンエンジンを開発することを目標にしていました。

    超売れっ子、日産「ノート e-POWER」の実燃費はいかに? 下りでは脅威の燃費値も!

 最近では世界的な環境問題や電動化の影響によって、ガソリンエンジンだけを開発するだけでは対応できなくなっているのです。日本には多くの自動車メーカーがありますが、各社ではどのような方向性を打ち出しているのでしょうか。

 一般的に 「パワートレイン」とは、エンジンなど、クルマを動かす動力装置の総称です。かつて「パワートレイン」といえば、エンジンとトランスミッションのことを意味していました。

 しかし、現在ではハイブリッドのようにエンジンにモーターを追加したシステムがあれば、EVのようにモーターだけ、さらには燃料電池を組み合わせたFCVというパワートレインも実用化されています。

 世界最大級の自動車メーカーともいえる、トヨタのパワートレイン戦略は、「全方位」です。内燃機関であるエンジン、ハイブリッド、EV、FCVとすべてのパワートレインの研究開発を進めています。

「EVの量産車がないから、遅れているのでは」という疑問の声もありますが、そんなことはありません。近々、中国などでEVの販売をスタートさせる予定があり、EVに関する技術もしっかりと用意されています。

 ちなみに、トヨタの電動化技術を採用するというのがスズキです。先だって、トヨタが発表した「電動化技術に関する特許の公開」というのは、スズキなどに電動化の部品を供給するための地ならしという意味合いもあったようです。

 ホンダのパワートレインへの取り組みは『2030年ビジョン』で示されています。「2030年に四輪車グローバル販売台数の3分の2を電動化することを目指す」というのです。

 電動車とは、EVに限らず、ハイブリッドも含まれます。ホンダは「ハイブリッドシステムをベースとする、Honda独自の高効率なプラグインハイブリッドシステムを採用したモデルを、今後の開発の中心とします」というコメントをしています。

 また、「ゼロエミッションビークル(ZEV)についても、燃料電池自動車(FCV)に加え、電気自動車(バッテリーEV)の開発を強化します」と説明していることから、どちらかといえばハイブリッドが中心で、EVもFCVもやりますよというニュアンスでしょう。

 先だって、見学したホンダのモーター工場では、生産ラインが続々と増強中となり電動化への強い意欲が感じられました。ただし、ハイブリッドということはエンジンが搭載されていることも意味します。

 つまり、2030年でも、ホンダの大多数のクルマにはエンジンが搭載されているということになり、電動化を進めつつも、エンジンはやめないということです。

 対して、ルノー・日産・三菱の3社は、2017年9月に『アライアンス2022』という6年間の中期経営計画を発表していました。  そこには「(2022年までに)12車種の新型ゼロ・エミッションEVを発売する」「EVの領域でリーダーの地位を強化」とあります。EVに対する強い意欲が見られます。

「2020年までに、新たなEVモーターおよびバッテリーを投入し、アライアンスで共有」ともありますから、「リーフ」に続く、新型のEVが登場するのも近いでないでしょうか。

 ただし、中期計画には「共通パワートレインの使用を全販売車両の75%まで拡大する」という文言もあり、日産は世界初の量産可変圧縮比エンジンであるVCターボを発表しているほか、三菱自動車もディーゼルエンジンの開発を継続しています。

 実際に、日産の現在の売れ筋は、ハイブリッドの「e-POWER」。つまり、エンジンが搭載されています。EVに力を入れつつも、内燃機関とハイブリッドもしっかりとやるというスタンスのようです。

■内燃機関をしっかりやるマツダとスバル

 ガソリンエンジンやディーゼルエンジンといった内燃機関に力を入れている自動車メーカーもあり、そのひとつがマツダです。

 マツダの長期ビジョンは『サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030』。そのなかで「Well-to-Wheel(資源から走行までの意味)での企業平均CO2排出量を、2030年までに50%削減を目標とする」と宣言しています。

 ただし、CO2を半分に削減=半分をEVというわけではありません。「内燃機関の理想を徹底的に追求し、効率的な電動化技術と組み合わせて導入」するというのです。

 つまり、ハイブリッドでも軸足を内燃機関に置きつつ、内燃機関を“徹底的に追及する”ことで効率を高めます。もちろんEVを否定するわけではなく、マツダは、「クリーン発電地域や、大気汚染抑制のための自動車に関する規制がある地域に対して、EVなどの電気駆動技術を2019年から展開します」と述べています。

 また、水平対向エンジンがブランド価値となっているスバルにも、ハイブリッド車は存在します。しかし、その存在は大きなものではありません。

 しかし、2018年に発表された中期経営計画『STEP』では「電動車ラインアップの拡充(EV、PHEV、HEV)と既存エンジン車の燃費改善」とあります。

 実際、2018にはアメリカ市場向けに「XV」のプラグインハイブリッド版を投入。これは、トヨタ「プリウスPHV」のシステムが搭載されていました。もしかすすると、将来はスズキのようにトヨタから電動化の部品を供給されるかもしれません。

 このように、国産自動車メーカーのパワートレイン戦略を見渡してみれば、電動化は進めるものの、一方では内燃機関の開発も抜かりなく行うというスタンスがほとんどのようです。

 実際に、世の中の電動化は、ハイブリッドを経て、EVに向かうことになるでしょうが、その変化のスピードは、それほど早くはないはず。そういう意味で、国産自動車メーカーのスタンスは堅実なものといえるのではないでしょうか。 【了】

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(くるまのニュース 鈴木ケンイチ)

コメントの使い方

みんなのコメント

ログインしてコメントを書く

(株)カービュー関連サービス

メールマガジン メールマガジン

愛車無料一括査定

あなたの愛車今いくら?

車の種類を選択
事故車 商用車
お住まいの郵便番号を入力
-
※郵便番号がわからない方はこちら

※(株)カービューのページへ移動します