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【試乗】ホンダ推し進める電動化は二輪も同様! HVやEVも揃えるスクーター「PCX」をイッキ乗り

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【試乗】ホンダ推し進める電動化は二輪も同様! HVやEVも揃えるスクーター「PCX」をイッキ乗り

 リターンライダーなどにも需要が高まっている原付二種

 ホンダが「スポーツハイブリッドi-MMD テクニカルワークショップ&エクスペリエンス」というイベントをメディア向けに開催した。ホンダの四輪における電動化の中心を「スポーツハイブリッドi-MMD」が担うという宣言であり、また電動化時代に向けた生産能力の増強などをアピールするものだった。その一環として行われたのが日本でも人気の原付二種スクーター「PCX」の比較試乗だ。

約10年後は全体の65%に! スポーツハイブリッドi-MMD生産現場で見えたホンダの電動車戦略

 国内の二輪市場は、四輪以上にシュリンクしているという印象が強い。実際、自動車工業会の統計データを見れば、1980年には237万台規模だった国内市場は、2017年で35万7000台程度となっている。増減はあるが、21世紀に入ってからはおおむね40万台規模で推移しているといっていいだろう。そうしたなかで勢いを増しているのが原付二種(51~125cc)のカテゴリーなのだという。2018年の道路交通法改正によって普通四輪免許所持者であれば、最短2日間の教習で「AT小型限定普通二輪免許」が取れるようになったことも、そうしたトレンドを後押ししているということだ。

 そうしたなかで、人気を集めているのがホンダの原付二種スクーター「PCX」だ。125ccモデルのメーカー希望小売価格は34万2360円(消費税込)。比較的、手頃な価格ながら立派なボディは所有満足度が高そうだ。実際にまたがってみても、立派なボディであることが実感できる。もっとも、身長160cm台と小柄な筆者(普通二輪免許所持)にとっては、ちょっと大きすぎると感じる部分もあったが、リターンライダーがいきなり触れても取り回しやすいところなどは、人気の理由を感じることができた。

 環境対応から4サイクルエンジンとなったスクーターは、50ccの原付では力不足を指摘されることもあるが、125ccクラスであればそうした不満もない。今回、クローズドコースで試乗したが、街乗りであれば流れに余裕で乗っていけるだけのパフォーマンスを感じることができた。具体的には、リターンライダーゆえの遅いコーナリングからの立ち上がりで、想像以上に早く60km/hまで到達する。

 二輪業界にも電動化の波が押し寄せる

 さて、いまや二輪業界にも電動化の流れが到達している。とはいえ、四輪車では当たり前の存在となったハイブリッドはまだまだ珍しい存在だ。その代表格といえるのが「PCX HYBRID」。メーカー希望小売価格は43万2000円(消費税込)、エンジンを始動するスターター(ACGモーター)を使ったモーターアシスト型のマイルドハイブリッドだ。駆動用バッテリーにはリチウムイオン電池を使用、モーターアシストの時間は4秒間(最大トルクを3秒間継続、1秒間で徐々に減らしていく仕様)となっている。

 リチウムイオン電池の充電はクルージング中や減速時にACGモーターが行うというシステムだ。走行モードにはスポーティな「Sモード」も設定。エコだけでなく、モーターアシストによるパフォーマンスアップを味わうことができる。その走りはガソリンエンジンの標準車と比べると、明らかにレベルが違う。同じように走ってコーナーの立ち上がり加速を比べてみたが、ガソリン車がメーター読みで60km/hに到達した地点で、ハイブリッドのほうが65km/h近くまで速度を伸ばしていた。さらに「Sモード」を選ぶと、スロットル開度に対するレスポンスが鋭くなる。リターンライダーとしては少々ビビッてしまうほどの加速感だった。

 さて、最後に紹介するのは観光地でのレンタル事業がはじまったばかりの「PCX ELECTRIC」。年間の計画台数は250台でリース販売のみということで、まだまだ普及期というわけではないが、原付二種としては初の100%電動バイクである。モバイルパワーパックと呼ばれる脱着式バッテリーを2個使った96Vシステムを搭載、カタログ値での航続可能距離は50kmというから、ガソリン車の代替にするのは難しい面もあろうが、100%電動化によって二輪の走りがどのように変わっていくのかは興味津々だ。

 というわけで、またがってアクセルを回してみると……意外におとなしい走り出しだ。四輪でモーター駆動といえばグッとトルクを立ち上げる走り味だが、二輪でそうしたトルクの出し方をするとウィリー状態になってしまい走りづらい。むしろエンジン車よりもマイルドに発進させるよう躾られているといった印象だ。それにしても振動が少なく、スムースな加速感というのは二輪においても快適性を高めてくれることが確認できた。30~60km/hあたりの中間加速もマイルドで、この領域ではモーターらしいトルク感の演出も欲しい気はするが、航続距離を稼ぐことを優先して全体的におとなしめの出力特性にしているのだという。なるほど、四輪車とは異なるアプローチが必要なことは発見だった。

 ちなみに、四輪の電気自動車ではバッテリーパックが100kg以上になるので交換式とするのは、いくつかの社会実験を経て、非現実的という結論に達しており、バッテリーを多量に積むことで航続距離を確保している。一方、二輪の場合はバッテリーパックが小型なので交換型とすることで航続距離の短さをカバーするというソリューションになっているのは面白い。バッテリーステーションがインフラとして整備されれば、二輪の電動化は一気に普及フェイズに入るかもしれない。

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