東芝の分社会社である東芝インフラシステムズは、西日本旅客鉄道(JR西日本)の新型車両である「227系1000番代」車両向けに、3.3kV All-SiC(シリコンカーバイド)素子を適用した車両制御装置をはじめ、主電動機、デジタル伝送装置、空調装置などの電気品を納入した。これらの製品を搭載した227系1000番代車両は、3月16日に和歌山線・桜井線(紀勢本線の一部を含む)で運行が開始される予定。
車両制御装置は、2台の主電動機を駆動するVVVF(注)インバーター装置と、空調などのサービス機器および制御機器に電源を供給する補助電源装置で構成され、JR西日本向けとしてはこれまで321系、225系等の車両向けに納入してきた。今回の227系1000番代車両では、VVVFインバーター装置の素子として、従来のSi(シリコン)に代わりSiCを用いている。
注:Variable Voltage Variable Frequency(可変電圧可変周波数制御)
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All-SiC素子は、高温での動作が可能、導通損失とスイッチング損失が少ないなどの特長がある。これらの特長を活かした制御により、システムの高効率化を実現した。さらに主電動機には高効率、省メンテナンス、低騒音の全閉式かご形三相誘導電動機を用いている。
東芝グループは昨年11月に発表した「東芝Nextプラン」において、All-SiC素子をはじめとしたパワーエレクトロニクス領域を成長事業と位置づけている。SiC素子は鉄道システムの省エネ化及び装置の小型軽量化に貢献できることから、今後の市場拡大が期待されている。
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