■「86」のブレーキの仕組みとは?
トヨタ「86」のブレーキは、一般的にディスクブレーキと呼ばれる機構で、ブレーキペダルを踏むことでブレーキラインに充填されたブレーキフルードを押し出します。
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その油圧で車輪と一緒に回転するブレーキローターを、ブレーキキャリパーに組み込まれたブレーキパッドで両側から押さえつけることで摩擦力が発生。運動エネルギーを熱エネルギーに変換し、制動する仕組みとなっています。
そんなブレーキを構成する重要なパーツの中で、特に制動力に大きく関わるブレーキラインとブレーキパッドを交換します。
クルマの運転を楽しむ上で最も重要な、『安全』を大きく左右するパーツという事もあり、レースという極限の環境で培われたノウハウが存分に詰め込まれたTOM’Sの製品を、今回も装着する事に決めました。
■TOM'Sの「86」用ブレーキパッドは3種類
TOM’Sで現在販売されている「86」用のブレーキパッドは全部で3種類あります。
街中での初期制動を重視し、比較的安価な『スポーツ』と、全体的に制動力を上げつつ、ダストも出にくい高級志向の『パフォーマ』。そしてサーキットなどで性能をフルに発揮しるために制動力を最も重視したスポーツ走行向けの『レーシング』をラインナップしています。
私の「86」は、TOM’SのRacingエアロキットにスポーツサスペンションキット、ヨコハマタイヤのADVANシリーズの最高峰スポーツタイヤ「NEOVA」でカスタムしています。
そこまでカスタムしていたら、ブレーキパッドもサーキットでの制動力にこだわらない訳にはいかない!という事で、ここはもちろん『レーシング』を選択し、走りに特化したカスタムに振り切る事に決めました。
ブレーキラインも純正のゴムホースから、テフロン&ステンレスメッシュ製のものに変更します。
■TOM'Sのブレーキラインの特徴とは
TOM’Sのブレーキラインについて、株式会社トムス 自動車用品部の桑原氏は次のように説明します。
「純正のブレーキラインはホース自体がゴム製で出来ています。そのため、ペダルを踏んでパットがブレーキディスクを挟む時に、オイルの勢いでホースが若干膨張し、オイルの圧力が伝わるのが遅くなるのです。
TOM’Sのブレーキラインは、ホースをステンレスのメッシュにする事で、ホースが縮まることがなくオイルの圧力がダイレクトに伝わるので、ブレーキのペダルタッチにラグがありません。
そしてもう一つ。ペダルタッチがダイレクトに伝わるという事は、タイヤのグリップも感じられるという事。ブレーキを当てた時に、タイヤがグリップしている感覚が伝わりやすくなるんです。
そうなるとコントロール性も上がり、ブレーキの性能も良くなるので、TOM’Sではステンレスメッシュを使っています」
TOM’Sこだわりのブレーキラインとブレーキパッドを組み込んだ「86」は、いったいどのような変化を遂げたのでしょうか。
■「86」の制動力はどう変化したのか?
まず、ブレーキの踏み始めからキーンという金属の擦れる音が小さく、それでいてハッキリとコクピット内に鳴り響くようになりました。そしてキャリパーがディスクをぎゅっと挟み込む感覚が伝わってきた瞬間に、想定以上の勢いで停止します。
その制動力の高さは慣れるまでは少し扱いづらく、普段通りにブレーキングしていても、全てが急ブレーキになってしまう程です。
しかし感覚を掴むと、その扱いづらさは一変。ペダル操作に遅れることなくついてくる、減速のスピードが面白い。パットがどの程度キャリパーを挟み込んでいるのかが手に取るように分かるので、どんな速度域からも止まれないという不安を感じる事は一切ありません。さらにタイヤのグリップ感も伝わってくるのでブレーキの怖さもなくなりました。
そして、最初は耳についていたブレーキパッドが擦れる音も、愛車が一所懸命かつ最速で減速しようと頑張ってくれているみたいでなんだか可愛くなってきて、パッドが鳴かないように加工もできるそうだけど、敢えてこのまま乗る事に決めました。
新車で納車した時から運転しやすく、全く不満を感じない完璧な1台だと思っていましたが、カスタムをする事でよりドライバーの思うままに走ってくれるクルマに進化した私の「86」。パーツを追加していくごとに明確な変化を感じられ、まるで成長しているみたい。
そんなカスタムの世界に魅了され、次はどこを変えようかな?そればかり考えてしまいます。
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