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世代の人にはたまらない映画やアニメのワンシーン再現ジオラマも?オートモデラーの集いin名古屋2018

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世代の人にはたまらない映画やアニメのワンシーン再現ジオラマも?オートモデラーの集いin名古屋2018

カーモデル愛好家の有志によって、全国で持ち回り開催されているカーモデラーの祭典「オートモデラーの集い」。今年もその締めとなる「オートモデラーの集いin名古屋」が、今年もトヨタ博物館で開催されました。今年は実車の方のゴタゴタでカーモデルにはまったく手を付けていなかった筆者も、開催直前になってあわてて一つ完成させ、会場となるトヨタ博物館新館の多目的ホールへむかいました。

例によって会場から一時間以上たってから会場入りした頃にはこの通り、すでに自分の作品を置ける卓はなく、しばらくして追加の卓が用意されてからようやく展示の準備にかかる事が出来たという盛況ぶり、移動するにも撮影するにも一苦労するくらいの混雑に一時は危機的状況だったのが嘘のように思えてきます。

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輸入車編

輸入車のカーモデルで真っ先に目に飛び込んだのは1968年モデルのAMT1/24フォードマスタングGT390ファーストバック、エンブレムなしのグリルに「JZZ109」のナンバープレートにグリーンのマスタングファーストバックと言えばご存知「スティーブ・マックィーン」主演の「ブリット」の劇中車。

スタントマンを使わず演者のマックィーン自身によるスタントドライブによる一発撮りで、約10分間セリフもBGMも無しのカーチェイスシーンは今も語り草になっています。

前回も展示されていた「岐阜県の納屋で発見された埃まみれのフェラーリデイトナ」ですが、その後「埃まみれのまま、フェラーリの70周年記念のオークションに出品」された模様を、ジオラマで再現していました。

ちなみにこの個体、サザビーズの参考価格である1.8~2.1億円を上回る、2億3300万円で落札され、デイトナとしては史上最高価格を記録し、現オーナーはあえてレストアせずこの状態のまま保存する意向でいるという話です。

MG-Bはメーカー不明ですが、グンゼ産業(現、GSIクレオス)の1/24スケールの1953年トライアンフTR2(白)と1955年トライアンフTR3(黒)、繊維メーカーのグンゼ産業が化繊技術の応用でプラモデル産業に進出したというのは容易に想像がつくことかと思いますが、まだ日本ではクラシックカーが自動車趣味として一般化する前から、クラシックカーをモデル化していたという稀有なメーカーでもあります。現在ではMr.カラーでお馴染みの塗料や接着剤等のエクィップメント専業となっていますが、金型が現存しているのであれば再販が望んでいる愛好者も多い事かと思います。

1/24 1936年メルセデスベンツ500Kロードスター、現在入手可能なキットはフランスエレール製ですが、一時期はグンゼ産業が日本版していた時期もあったようです。

競技車両編

1/24トヨタヤリスWRC、WRCの愛知県開催や映画「オーバードライブ」等、何かと今年はメディアで目にする機会が多かったヤリスWRCですが、いつの間にこんなキットが?と思っていたらプロフィールには「手作り」とあり、なんとフルスクラッチのようです。

伝説のラリーマシン、ランチアストラトス、ランチア037、ランチアデルタ。ある一定の世代の人にはピンポイントで突き刺さる物があるかと思います。

遠目に見たときは普通にプラモデルかと思っていたのですが、よく見ると昔の3Dポリゴンのレースゲームのような見た目にまさかと思ったら、精巧なペーパークラフトでした。

タミヤ1/24プジョー205ターボ16 1985年モンテカルロラリー チュリニ峠、実はこのジオラマ、背景をボカすことで流し撮り撮影を再現するという非常に手の込んだ作品となっています。

フィギュア・情景編

ソロキャンパーを大いに沸かせた人気アニメ「ゆるキャン△」の志摩リンとヤマハビーノ。ガレージキットとフルスクラッチモデルを組み合わせたという力作です。作中に登場するクルマやバイク、テントやシュラフといったキャンプ用品の描写の細かさから、ソロキャンプ愛好家の間では話題になり、ついにはヤマハが公式に劇中の車両を再現したモデルを製作するにいたっています。

女子高生による国産クラシックカーのレストアを描いたWebコミック「ぜっしゃか!」の一巻の表紙を再現したアリイ1/32マツダR360クーペ。ウェザリングはもちろん質感や色合いも「実物のクルマ」ではなく「イラストに描かれたクルマ」を再現しているところが素晴らしい作品です。

筆者自身カーモデラーに出戻って早10年、道具やマテリアルの進化で昔はいつも悩んでいた失敗の回避やリカバリーが可能になり、絶対にムリだと思っていた改造やスクラッチビルドもできるようになったのですが、いまだにどうにもならないのが「フィギュア製作」です。

クルマ単体で飾るだけでなく、やっぱりドライバーも欲しいとか、自分の好きな映像作品の劇中車を再現した以上、登場人物のフィギュアも作りたいと思うのですが、いまだ持って顔や髪、手足や指先をうまく作ることが出来ずにいるため、こうした肌や骨格、服の皺まで再現できる人は畏敬の念を抱きます。

トラックモデル編

CL読者の皆様の中にもこのノーズを見て「ダンプのがらっぱち」という絵本を思い出す方もおられるのではないでしょうか?日産ディーゼルTW50LDダンプ、TW50のキットは存在しないのですが、フルスクラッチで愛好家が自作した作例は複数存在するようです。

アオシマ1/32トラック野郎「望郷一番星」(左)、「突撃一番星」(右)LEDを50個以上使い、実車同様のパターンで点滅する電飾を再現した力作です。「見ただけで間違いなく壊されるとわかる」お約束の型落ちのセダンのパトカー(アリイ1/32プリンスグロリアスーパー6)もオマケ製作と言いつつ芸の細かさに見る人を楽しませた事でしょう。

資材が置いてある情景を再現したものかと思ってよく見たら、製作途中のアバルトのトランスポーターのフレームとのこと強度上の問題で真鍮でフレームを組みタイヤは光硬化タイプの3Dプリンタで製作でしょうか。

往年のキット編

今や、プラモデルというと高価格で精巧な観賞用のミニチュアモデルばかりになってしまいましたが、昔は低価格でゼンマイやフリクション動力を内蔵したミニチュアというよりは玩具としての要素が強いキットもありました。

いわゆるツッパリや族車がブームだった時代を感じさせる一品、シンプルなキット構成ながらモールドがしっかりC130型ローレルの特徴を捉えています。

昔は駄菓子屋等で低価格のプラモデルを見かけた物です。「駄プラモ」とありますが、こういったチープなキットがプラモデル趣味の入り口だった事を思うと、その存在意義もあながち侮れないものがあったのではないでしょうか。

筆者のお気に入り国産クラシックカー編

ニチモもまた1980年代で「史上の栄光車シリーズ」と銘打って国産クラシックをシリーズ化していた稀有なメーカーです。他にもハコスカGT-R 2ドアハードトップやコスモスポーツ、トヨタ2000GTをモデル化していた記憶があります。30年以上前のキットながら現在で見てもプロポーション、ディテール文句なしのキットです 。

本来は中期型をモデル化したキットですが「出目金」と呼ばれるヘッドライトが飛び出した初期型に改造されています。スライドウィンドーやレバー式ドアハンドル等から、初期型の特徴を丹念にリサーチして製作されていることが伺えます。

サニートラックのモデル化は絶妙な車種選択が話題になったものの、一方でセダン・クーペ・バンに準拠したシャシーのサニートラックは「ショート」のため、乗用モデルへのバリエーション展開は無いという落胆の声もあったのですが、中にはそれがモデラー魂に火をつけるかのようにシャシーをスクラッチ製作して乗用モデルに改造する愛好家がいるのも事実のようです。

もはや何が出てもおかしくないハセガワのヒストリックカーシリーズですが、サニートラック同様他のバリエーションを作りたくなるのが人情というものでしょう、さっそくイルムシャーやハンドリングバイロータスをベースに一般グレードやボディバリエーション違いに改造した作品が展示されていました。

何処を見ても力作ばかりで、写真の選定にいつも困るのがこの展示会です。来年はどんな力作が見られるのか今から楽しみです。

[ライター・画像/鈴木 修一郎]

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