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なぜ増えた? 法定速度超え70km/h以上の一般道 制限速度引き上げる理由

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なぜ増えた? 法定速度超え70km/h以上の一般道 制限速度引き上げる理由

■制限速度が法定速度を超える一般道は全国に75区間もあった!

 日本において、道路の法定速度は道路交通法で定められていて、一般道では60?/h、高速道路では100?/hとなっています。

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 しかし近年では、新東名高速で新静岡IC~森掛川IC間の50.5km、東北道では、花巻南IC~盛岡南ICの27kmにおいて制限速度110km/hが試験導入され、制限速度の引き上げがなされています。

 この制限速度の引き上げは、高速道路だけではなく一般道でも行なわれています。現在では、制限速度が60?/hを超える、70?/hや80?/hの道路は、日本全国に多数存在します。

 例えば、制限速度80km/hは静岡県の浜名バイパスの一部区間など、全国で7区間あり総延長は26.9km。また、制限速度70km/h区間は千葉県の北千葉道路の一部区間など、全国で68区間、総延長は506.0?もあり、法定速度である60?/hを超える区間は、全国で75区間、総距離は532.9?にもおよびます。

■制限速度引き上げの実現には高いハードルも…

 これら制限速度の引き上げは、なぜ可能になったのでしょうか。警察庁の広報室に、制限速度引き上げの理由や、条件についてうかがいました。

──道路交通法で制限速度の引き上げられたきっかけは何でしょうか。

 警察庁では、平成18年度(2006年)から平成21年度(2009年)にかけて、「規制速度決定の在り方に関する調査研究検討委員会」を開幕し、このなかで一般道においても実勢速度(注1)が時速80kmを超える箇所が存在する結果が得られ、道路構造の水準が高く、走行上の危険因子が少ない自動車の走行を重視した道路(以下、「自動車の通行機能を重視した構造の道路」)が含まれたことから、このような道路では、時速60?を超える規制速度を指定することも兼用することとされました。

 その結果を踏まえ、平成21年10月に交通規制基準が改正され、その中で「自動車の通行機能を重視した構造の道路」における規制速度の基準も定められたところです。

 (注1)調査研究検討委員会における「実勢速度」とは、85パーセンタイル速度(ある区間を走行する車両の速度を低い順から並べた場合に、全体の85%が含まれる速度)を表す。

──制限速度が70km/h以上に引き上げられる道路の条件は何でしょうか。

「自動車の通行機能を重視した構造の道路」は、「交通規制基準」(平成29年4月24日付け警視庁丙規発第6号)にて「一般道路のうち、道路水準が高く、走行上危険因子が少ない道路の走行性を重視した道路」と定めています。また、時速70km以上の最高速度を指定する場合は、交通事故発生状況を考慮するとともに、原則として、歩行者、軽車両及び原付の通行止め規制を実施することとします。

※ ※ ※

「自動車の通行機能を重視した構造の道路」には、大きく4つの条件があります。

 1.設計速度が60km/h以上であること 2.高架や掘割などの構造によって立体交差化されていること 3.上下線が中央分離帯などで分離されていること 4.歩行者、軽車両、原付の通行止めがされていること

 さらに「見通しがよい」「勾配が少なく全体的に平坦である」といった、複数の特徴も備わっている必要があり、市街地などにあるような道路には適用が難しく、すべての道路に対して速度の引き上げが行なわれることはありません。

 ただし、これまでに制限速度の引き上げられた区間で事故の増加などがなく、諸条件がそろっていれば、制限速度が引き上げられる道路が増えていくかもしれません。

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