思うところあって中古車を見に行ったときのこと。目当てのクルマは車検が切れているため敷地内のチョイ乗りしかできませんでしたが、今回の主題はそこではありません。そのクルマの両側に並んでいたクルマが気になった、というお話です。
並んでいたのは左に先代「クラウン」、右に先代「レクサス LS」という日本を代表する高級車。驚いたのはその中古価格です。クラウンは平成26年式アスリート、走行距離は6万3000キロで238万円。レクサスの方は平成20年式LS460、走行距離は2万7000キロで172万円でした! 10年経っているとは言え、新車で1000万円もしたレクサスの最高峰が172万円。僕も心が揺らぎます。
購買層の高齢化に歯止めをかけたい、なんとか若者にクルマを買ってもらいたいとメーカーは考えているようですが、トヨタ期待の「カローラ スポーツ」もクラウンも、残念ながらターゲットの若者世代には買えない価格です。それなら新車を買ってもらうのはそろそろあきらめて、中古車を買うように仕向けたらどうでしょうか。
その昔、いわゆる団塊世代は頑張っただけ収入も上がり、クルマもステップアップしていくものでした。クラウンを買う最後の世代とも言われています。続く団塊ジュニア世代もクルマを見ながら育ちました。初めて運転したクルマがお父さんの“ハイソカー”だった人も多いんじゃないでしょうか。「エエクルマや」と思い、当たり前のように「オレもいつか買う」と思ったでしょう。なんとなく自分の車ライフをイメージしながら、最初に乗ったのは新車ではなく中古車。それもシニアが乗るクラスの中高級車だったというケースは良くあります。
ところがそれより下の世代になると、手持ち資金で買えるクルマは中古でも大衆車という経済状況になっていきます。大枚はたいて買ったクルマがプラスチッキーじゃ、購入意欲も高まらないはず。中古車についての知識もなく、周りにウンチクを語ってくれるクルマ先輩がいなかったとしたら、なかなか手が伸びないというのが今の現実ではないでしょうか。
そこで提案。
“若年層が新車時価格500万円超の中古車を初めてのクルマとして買う場合に50万円補助金を出す。財源はエコカー減税を廃止し、13年超のクルマに増税した分を充てる(13年超の中古車は自動車税と重量税が増額されるため)”
新車にこだわらなければ、若い人でも良質なクルマに早くから触れられるので、人生の中でクルマ代を積極的に予算化するでしょうし、そのうち新車を買う機運も高まるはず。メーカーもいきなり新車を買ってもらおうとはせずに、ちょっと待つわけです。中古市場が活性化すれば新車市場もつられるというのは世の常です。
逆に富裕層向けには、孫世代に新車をプレゼントする祖父母には相続税を減免するとか。無茶ですかね、こんな提案?
(取材・写真・文:大田中秀一)
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大田中秀一(おおたなか しゅういち):自動車エッセイスト
ジャカルタで過ごした少年時代、バジャイ(現地の名物三輪タクシー)を無免許で走らせクルマに目覚める。インドネシア語と英語を操るトリリンガルで、某電池系大手企業の国際営業部、父が経営するインドネシア企業を経て、現在複数のクルマメディアに寄稿中。語学力と押しの強さを武器に、世界のモーターショー巡りをライフワークとし、バスにまで及ぶ知識は仙人の域。
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