一般的にノズル加工では、径が小さくアスペクト比の高い、テーパや円弧の寸法精度と滑らかな加工面が要求される。身近な例では、筒内に燃料を直接噴射するガソリンエンジンやディーゼルエンジンのノズルでは噴霧特性が与える性能面への影響が大きいため、さらなる効率化を目指したノズルの改良・開発が続けられている。
しかしながら、数値計算やシミュレーションから得られた最適な流路設計を実際の加工・量産で実現することは非常に困難となっている。特に1mm以下のノズルの加工では内径が単純なストレートの穴加工の場合であっても工具の損耗も激しく、耐食性や耐摩耗性に優れるステンレス材・チタン合金については特に加工難度が高くコストが跳ね上がり、加工自体も長時間を要するため、量産可能な生産能力の確保も難しくなる。
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今回は機械加工での限界とされるφ0.05mmを下回るφ0.03mm、アスペクト比5以上での量産化が可能となった。このサイズ感は髪の毛の太さの半分以下、痩せたミドリムシがなんとか1匹通れるかどうかという大きさ。μ-MIMで培った“金型技術”“成形技術”微粉での“高密度焼結技術”によって緻密で金属材料の本来持つ、なめらかな結晶状態に仕上がることで、表面粗さRa=0.3μmを後加工なしの状態で実現している。
今回のような微細加工では、最新のレーザー加工でも加工淵部分の微細領域ではドロスの付着や熱による影響の残留は避けられない。機械加工においてもL/D=5以上はビビリなどの加工歪や、難削材での超微細孔ではドリル径が小さい為、すぐに破損してしまう。また工具も一般的なサイズではない為、コストアップや納期に時間が掛かってしまう。
量産を考えるならプラスティック創業だからこそ可能に出来る超精密金属射出成形(μ-MIM)にて実現可能にする。また超微細孔だけではなく薄肉パイプや複雑流路もμ-MIMだから出来る技術で実現可能にする。
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