現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 危険な「車検切れ」走行の実態 推定20万台前後 国交省も新装置で街頭検査を本格化

ここから本文です

危険な「車検切れ」走行の実態 推定20万台前後 国交省も新装置で街頭検査を本格化

掲載 更新
危険な「車検切れ」走行の実態 推定20万台前後 国交省も新装置で街頭検査を本格化

2時間の調査で違反車両2台、うち1台は悪質

 国土交通省関東運輸局 千葉運輸支局は2018年9月14日(金)、「可搬式ナンバー自動読取装置」を使用した街頭検査を、千葉県内の道の駅で実施しました。

中古車選び、車検が長く残っているほうがお得? そうとも言えないワケ

 この装置は、道路脇などに設置したカメラで走行する車両のナンバーを読み取り、瞬時にデータベースと照合して登録情報を確認するもの。目的は無車検(車検切れ)の状態で公道を走る車両への対策強化です。

 国土交通省では2017年度から公道でこの装置の試行運用を重ねていますが、本運用は今回が初めて。2時間の検査で746台のナンバーを読み取り、車検切れ車両1台、無登録車両1台をとらえ、ドライバーに対して直接指導・警告を行ったといいます。この2件についてはさらに、警察も道路運送車両法違反の容疑で捜査中だそうです。

「クルマは使っているうちに必ず壊れます。車検が切れているということは、点検整備をしていないということですので安全上の問題もあるうえ、ほとんどの場合、自賠責保険も切れており、事故時の補償もできません」

 このように話すのは、国土交通省自動車局整備課の担当者です。同課に詳しく話を聞きました。

――まず、ナンバー読み取り装置を用いた街頭検査の手ごたえはいかがでしょうか?

 効率が全然違います。従来の街頭検査では、担当者が1台ずつ車両を止めて車検証を確認していましたが、今回のような装置を用いた検査は手間も時間もかかりません。

――試行運用の段階と本運用とで、何がちがうのでしょうか?

 試行運用では、無車検運行が確認された使用者に対し、まずその使用停止と車検を受けるよう促すハガキを送付してきました。今回から始まった実運用は、直接その場で指導・警告を行うという即時性に効果があります。なお、試行運用の段階でも警察に通報するなどして連携しており、悪質性が高いと警察が判断したものについては適切な処分がなされているでしょう。

※ ※ ※

 ちなみに、関東運輸局によると、今回の千葉における街頭検査でとらえられた無登録車両1台は、ナンバー登録を一次抹消のうえ、ちがうクルマのナンバーをつけて運行していたとのこと。国土交通省自動車局整備課の担当者は、悪質性の高いケースであると考えているそうです。

無車検車は増えている? うっかりか、確信犯か

 そもそも、無車検の車両は増えているのでしょうか。再び国土交通省自動車局整備課に聞きました。

――無車検の車両は増えているのでしょうか?

 増えているというより、けっこうな割合で公道を走っている事実が近年露呈してきたというのが実際のところです。2014年から2016年にかけ、全国の歩道橋に定点カメラを設置して通過車両のナンバーを読み取ったところ、全体の0.2 0.3%が無車検(編集部注:2018年6月末現在における日本の自動車保有台数は約8200万台で、そのうちの16万4000台から24万6000台にあたる)であることがわかりました。

――その事実を受けてどう対応したのでしょうか?

 まず、無車検車両のユーザーにハガキを送り、車検を受けるよう促しました。車検切れから1年以内くらいの人は「うっかり忘れ」が多いので大半は受けてくれましたが、残念ながら確信犯の人もいます。最終的には直接そのユーザーに指導・警告を行い、さらに警察の取締りが行われることもありました。

※ ※ ※

 実際に車検整備を担う現場では、車検切れが近いユーザーに対してどう通知しているのでしょうか。関東地方のある自動車整備工場の代表によると、通常は車検の3か月前、そして1か月前にもダイレクトメールを送り、さらに直前の時期を含めて折に触れ電話でも「車検どうしますか? それとも乗り換えますか?」といった相談を行っているそうです。

 この代表によると、「無車検車の大半は『うっかり忘れ』ですが、たまたま修理を依頼された車両が車検切れであるとこちらで気づくケースもあります」とのこと。そうしたクルマは大概ボロボロだったり、車内が汚なかったりして、何となくわかるのだとか。「お金がないなどの理由で、バレなければいいと、あえて受けないのでしょう」と話します。

 なお、無車検車両を公道で走行した場合の罰則は、違反点数6点、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金、無保険車両を公道で走行した場合も違反点数6点、12か月以下の懲役または50万円以下の罰金とされています。いずれも、一発で免許停止になる重大な違反です。

 国土交通省自動車局整備課は「可搬式ナンバー自動読取装置」を2018年度中に全国の街頭検査へ導入するそうです。「持ち運びが簡単なので、どこで街頭検査が行われるかわからないという抑止効果もあると思います」と期待を寄せており、実施場所も事前に公表しないといいます。また、国土交通省では「無車検車・保険(共済)車通報窓口」をウェブサイトに設置しており、寄せられた情報に基づき必要な措置を講じていくとしています。

【写真】持ち運び可能 ナンバー自動読取装置のカメラ

関連タグ

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

高速の超大渋滞… 結局「左・中・右」どの車線が早い? 長く続く激論…答えは? NEXCOに聞いてみた
高速の超大渋滞… 結局「左・中・右」どの車線が早い? 長く続く激論…答えは? NEXCOに聞いてみた
くるまのニュース
音だけじゃない!マフラーを変えると何が変わるのか?
音だけじゃない!マフラーを変えると何が変わるのか?
バイクのニュース
アストンマーティン初の住宅プロジェクト、66階建ての豪華タワマンが米国に完成
アストンマーティン初の住宅プロジェクト、66階建ての豪華タワマンが米国に完成
レスポンス
「なぜだかトップで終わることができた」フェルスタッペン、“ひどい”ポールラップに驚き隠せず|F1マイアミGPスプリント予選
「なぜだかトップで終わることができた」フェルスタッペン、“ひどい”ポールラップに驚き隠せず|F1マイアミGPスプリント予選
motorsport.com 日本版
年間“42時間”も無駄無駄無駄ァーッ! 交通渋滞は貴重な「時間」「お金」を捨てる行為だ
年間“42時間”も無駄無駄無駄ァーッ! 交通渋滞は貴重な「時間」「お金」を捨てる行為だ
Merkmal
「一目惚れした!」 アバルトが新型EV「600e」の写真を公開 アバルト史上最強ホットハッチに対するSNSでの反響とは
「一目惚れした!」 アバルトが新型EV「600e」の写真を公開 アバルト史上最強ホットハッチに対するSNSでの反響とは
VAGUE
ホンダ・ヴェゼルがマイナーチェンジ。e:HEV Xにアウトドア志向の「HuNTパッケージ」を、e:HEV Zにスタイリッシュな「PLaYパッケージ」を新設定
ホンダ・ヴェゼルがマイナーチェンジ。e:HEV Xにアウトドア志向の「HuNTパッケージ」を、e:HEV Zにスタイリッシュな「PLaYパッケージ」を新設定
カー・アンド・ドライバー
安全性と快適性をさらに向上!スズキが軽トラック「キャリイ」シリーズの新型モデルを発売
安全性と快適性をさらに向上!スズキが軽トラック「キャリイ」シリーズの新型モデルを発売
バイクのニュース
ホンダが新型「個性派 軽バン」発売! “高質感内装”採用の「車中泊仕様」 「STYLE+ NATURE」どんな人が買う?
ホンダが新型「個性派 軽バン」発売! “高質感内装”採用の「車中泊仕様」 「STYLE+ NATURE」どんな人が買う?
くるまのニュース
防災×車中泊、『240 SURVIVAL』発表! ボルボをベースにドクターVが提案
防災×車中泊、『240 SURVIVAL』発表! ボルボをベースにドクターVが提案
レスポンス
アロンソ、鬼才ニューウェイ離脱も“レッドブル帝国”崩壊の兆候とは捉えず「彼らは2021年からF1を支配している」
アロンソ、鬼才ニューウェイ離脱も“レッドブル帝国”崩壊の兆候とは捉えず「彼らは2021年からF1を支配している」
motorsport.com 日本版
まるでハマーの「Hot Wheels」を1/1スケール化したみたい! トイチックに変身したジムニーが凄い【大阪オートメッセ2024】
まるでハマーの「Hot Wheels」を1/1スケール化したみたい! トイチックに変身したジムニーが凄い【大阪オートメッセ2024】
WEB CARTOP
物流の「2024年問題」にラベルで貢献 処理しやすく作業負荷軽減 RFIDもシールに一体化
物流の「2024年問題」にラベルで貢献 処理しやすく作業負荷軽減 RFIDもシールに一体化
日刊自動車新聞
【未来予想図】2025年登場予定の「アウディ Q7」3代目Q7は内燃機関搭載車として復活!
【未来予想図】2025年登場予定の「アウディ Q7」3代目Q7は内燃機関搭載車として復活!
AutoBild Japan
ホンダ『NSR500』:2ストエンジンの秘密に迫る!!
ホンダ『NSR500』:2ストエンジンの秘密に迫る!!
レスポンス
トヨタ「プリウス“ド迫力エアロ”仕様」!? 巨大ウイング&ワイドボディが超カッコイイ! 新型「“GR”プリウス」CG実現に期待大!
トヨタ「プリウス“ド迫力エアロ”仕様」!? 巨大ウイング&ワイドボディが超カッコイイ! 新型「“GR”プリウス」CG実現に期待大!
くるまのニュース
「写真で見る昭和の風景」経済成長とともに国産バイクも高性能化【1950年代半ば~1960年代】
「写真で見る昭和の風景」経済成長とともに国産バイクも高性能化【1950年代半ば~1960年代】
モーサイ
[バイク歴史探訪] フリーウェイやフュージョンなどの250スクーターが、若者向け“ビグスク”の原点だった!
[バイク歴史探訪] フリーウェイやフュージョンなどの250スクーターが、若者向け“ビグスク”の原点だった!
WEBヤングマシン

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村