現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 地味だけど使い勝手がよくて走りが楽しい「秀才車」 4選

ここから本文です

地味だけど使い勝手がよくて走りが楽しい「秀才車」 4選

掲載 更新
地味だけど使い勝手がよくて走りが楽しい「秀才車」 4選

 スポーツモデルといえば、ハイパワーエンジンを搭載し足をがっちり固めた粋のいい奴と相場は決まっている。しかし、飽きないだろうか? 

 それよりも、一見普通でコンサバ、エンジンもタイヤも大したことはない平均レベル。サスペンションも柔らかい。それでも、走ってみるとバランスが良くて、ハンドルを握ることが楽しくて仕方ないモデルがある。

デカいけど!! 高いけど!! シビックの走りは「お値段以上」だ

 本記事では、そんな少し地味ながら走りが楽しめる車を紹介。その“懐の深さ”は本格スポーツに勝るとも劣らない!

文:松田秀士


写真:編集部

驚くほど足が動くカローラスポーツ

 スポーツモデルは法定速度内では持っているポテンシャルの50%も使えない。サーキットしかないわけですよ、性能を使い切るには。

 一方で、スポーツモデルというほど気張ってはいないけれど、バランスが良くてハンドリングが楽しいモデルがある。その筆頭がカローラスポーツ。車名にこそ「スポーツ」を謳うが、このクルマ、サスペンション柔らかいです。ロールも結構します。

 恐らくWRX STIや昔のシビックタイプRを絶賛する人からすれば、思いっきり拍子抜けすると思う。とにかく「足こんなに動いて良いの?」というくらいにストロークもありロールもする。

 エンジンは1.2Lターボで116ps/185Nmと大したパワーではない。トランスミッションは6MTかCVT。しかし、185Nmの最大トルクを1500~4000rpmという低中速域で発生するので、コーナリング中にアクセル操作を加減して車の姿勢をコントロールする楽しみがある。

 しかも、リヤサスペンションは左右が独立したダブルウィッシュボーン式。ロール(車の傾き)が深くなってもロールセンターの移動とキャンバー&トレッド変化がコントロールされているので、しっかりと路面を捉えて安定しています。

 ダンパー内のオイルも、強いストレスを受けたときに粘性を上げて減衰力を瞬間的に上げる特性のものが採用されている。しかも、ボディ剛性が高いから、タイヤが路面にへばりついている感覚、そして路面の状況がしっかりとドライバーに伝わってくる。

 これには新設計のスポーツシートの出来の良さも貢献している。最初はレカロか? と間違えたほど。長距離にも耐えるマルチなシートだ。とにかく、カローラスポーツはプチ走り屋さんが腕を磨くにはもってこい。

アクセラは激シブ仕様の走りが楽しい!!

 次にお勧めなのがアクセラスポーツ。なかでも、アクセラスポーツのなかでも1.5LモデルのMTがイチオシ。

 搭載される直列4気筒1.5Lエンジンは、あのロードスターに搭載されているものと同じ。こっちはロードスターよりも車重があるために中速寄りのチューンがなされている。その出力は111ps/144Nmと、やはり大したことはない。

 しかもカローラスポーツスポーツは1.2Lではあるがターボで武装していたからそれなりにトルクもあったが、こちらはノンターボ・自然吸気。パワー的にもトルクの盛り上がりも、それほど期待はできない。

 ただ、このエンジン、高回転域まで回すとスッキリ気持ちが良い。パワーがないから使い切れるともいえるし、やはりロードスターの血を引いた高圧縮のSKYACTIV-Gだ。さらに、6速MTはATやCVTよりも軽量。

 ロードスターでは縦置きだったエンジンも、アクセラスポーツではFFゆえに横置き。つまり、フロントセクションが重くなってしまうレイアウトながら、6速MTによって比較的フォローされている。

 サスペンションは初期がすっきりと動くけれども、ロール角そのものは大きくない。アクセラスポーツもリヤサスペンションは左右が独立したダブルウィッシュボーン式の進化系であるマルチリンク式。よ~くスペックを見ると、さすがな仕様なのだ。

 また、6速MTなのにレーダークルーズコントロールとレーンキープアシスト(LAS)が標準装備されている。MTなのにLASまで装備されているのは、日本でもこの1台だけではないだろうか。

 このシステムがあれば、高速道路で遠出する間はこの2つの運転支援装置で疲れずに移動。目的地の峠道をしっかり楽しむ、なんてこともできる。マツダはMTだからといって安全快適面で手を抜かないところがうれしいね。

走りのバランス秀逸なスバル&ホンダのミドルハッチ

■スバル インプレッサスポーツ/G4

 インプレッサスポーツ/G4は、サスペンションが比較的ハード目だが、今日のスバル車のなかではソフトな方だ。

 このモデルの魅力はエンジンが縦置きの4WDで、前後輪共に左右のドライブシャフトが等長であること。これによってスバルでは「シンメトリカルAWD」と呼ばれる、究極の前後左右荷重配分を達成している。つまり、素性のレベルがとても高い。

 こちらもリヤサスペンションはダブルウィッシュボーン式。スバルはボディ作りが素晴らしく、ステアリングを操作した時の応答性が速い。この俊敏なハンドリングを、家族を乗せた時にはそのクイックさを感じさせないようなドライビングに切り替える。自分を鍛えてくれるモデルといってよいだろう。

■ホンダ シビックセダン

 最後はホンダ シビックだ。シビックには5ドアのハッチバックとタイプRがあるが、ここではセダンに拘りたい。

 1.5LのVTEC直噴ターボエンジンは173ps/220Nmだからそれなりにパワーはある。サスペンションはこちらもフロント:ストラット式/リア:マルチリンク式。シビックもサスペンションがよく動く。

 しかも、バンプストッピングラバーを使っていないのは? と思うくらいに、どこまでもスムーズにサスペンションがストロークする。フロントのストラット式サスペンションがより良く動くのだ。

 また、走行中のロードノイズを含めた耳障りな音が小さく、安全面や支援面でもホンダセンシングを採用するなど、今度のシビックは完成度が高い。

 1年前に米国でドライブした時に、路面が悪い高速道路にもかかわらず、とても乗り心地が良く室内静粛性も高かった。快適性と走りのバランスの良さが魅力の1台なのだ。

◆  ◆  ◆

 売れ筋のひと回り小さいコンパクトハッチと比べて、ここで紹介したモデルは販売面で目立った存在ではなく、性能面でも本格派スポーツモデルと比べればちょっぴり地味な印象。

 けれど、実は走りが楽しく、実用性を含めたバランスも良好で、価格もべらぼうに高いわけではない。

 カローラやアクセラ、インプレッサの車名にあるように、こうしたモデルこそ、新しい「スポーツ」の形なのかもしれない。 

 「最近、走りの楽しいスポーティ車が減った!」とお嘆きの方は、ちょっと地味だが走りが楽しめるモデルたちを愛車の候補に加えてみるのも悪くないだろう。 

こんな記事も読まれています

GAINER TANAX Zが岡山で待望のシェイクダウン。ドライバーふたりもポテンシャルに手ごたえ
GAINER TANAX Zが岡山で待望のシェイクダウン。ドライバーふたりもポテンシャルに手ごたえ
AUTOSPORT web
もう[ハリアー]超えやん!! 日本の[ヤリス]にも採用してよ!! 欧州仕様のエアコン機能が神すぎる
もう[ハリアー]超えやん!! 日本の[ヤリス]にも採用してよ!! 欧州仕様のエアコン機能が神すぎる
ベストカーWeb
中上貴晶が語るテストチームとのズレ。ホンダRC213Vの現状は「問題が多過ぎる。データ解析しても表れない」
中上貴晶が語るテストチームとのズレ。ホンダRC213Vの現状は「問題が多過ぎる。データ解析しても表れない」
AUTOSPORT web
いよいよランクル250の販売がスタート!どんなモデルがライバルになる?
いよいよランクル250の販売がスタート!どんなモデルがライバルになる?
グーネット
プリウスオーナーにおすすめ!鋭角のフロントガラスにフィットする内窓専用ワイパー カーメイト
プリウスオーナーにおすすめ!鋭角のフロントガラスにフィットする内窓専用ワイパー カーメイト
グーネット
ジープ 限定車「コマンダー オーバーランド」発売 ブラウン内装がプレミアムな室内空間を演出
ジープ 限定車「コマンダー オーバーランド」発売 ブラウン内装がプレミアムな室内空間を演出
グーネット
レンジローバーイヴォーク 2025年モデル受注開始!PHEV車を中心に価格を見直し
レンジローバーイヴォーク 2025年モデル受注開始!PHEV車を中心に価格を見直し
グーネット
ベテランだってチト怖い!? 鬼門!! [高速道路の合流]への恐怖心を払拭せよ!
ベテランだってチト怖い!? 鬼門!! [高速道路の合流]への恐怖心を払拭せよ!
ベストカーWeb
昭和世代じゃなくてもグッとくる!?  ちょい[イケてるクルマ]にまつわる言葉8選
昭和世代じゃなくてもグッとくる!?  ちょい[イケてるクルマ]にまつわる言葉8選
ベストカーWeb
新型エルグランド大胆妄想!! アルファードに勝つために必要な性能と価格とは?
新型エルグランド大胆妄想!! アルファードに勝つために必要な性能と価格とは?
ベストカーWeb
なぜ「SLS AMG」は比類なきスポーツカーだったのか? メルセデス・ベンツとAMGが注いだコスト度外視の革新的技術とは
なぜ「SLS AMG」は比類なきスポーツカーだったのか? メルセデス・ベンツとAMGが注いだコスト度外視の革新的技術とは
Auto Messe Web
MotoGPスペインGPプラクティス|王者バニャイヤ、レコード更新し初日最速。マルク・マルケス3番手
MotoGPスペインGPプラクティス|王者バニャイヤ、レコード更新し初日最速。マルク・マルケス3番手
motorsport.com 日本版
トヨタ・ランドクルーザーの中核モデル「250」シリーズが発売。特別仕様車のZX“First Edition”とVX“First Edition”も設定
トヨタ・ランドクルーザーの中核モデル「250」シリーズが発売。特別仕様車のZX“First Edition”とVX“First Edition”も設定
カー・アンド・ドライバー
ボルボ「XC40」仕様変更&プレミアムな装備を採用した特別限定車を発売
ボルボ「XC40」仕様変更&プレミアムな装備を採用した特別限定車を発売
グーネット
日産 新エネルギー車のコンセプトカー4車種をお披露目 北京モーターショー【動画あり】
日産 新エネルギー車のコンセプトカー4車種をお披露目 北京モーターショー【動画あり】
グーネット
ホンダ 新EVシリーズ第2弾 新型「e:NP2」「e:NS2」発表 北京モーターショー
ホンダ 新EVシリーズ第2弾 新型「e:NP2」「e:NS2」発表 北京モーターショー
グーネット
エンジン版と共有部品ナシ! ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 ちゃんと「らしい」 航続500km以上
エンジン版と共有部品ナシ! ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 ちゃんと「らしい」 航続500km以上
AUTOCAR JAPAN
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村