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業界ニュース 2018.9.8

小排気量バイクがおもしろい──じゃじゃ馬的スペックでも、ウェルバランスな軽量スプリンターたち

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ひと昔前は「ナナハン」がビッグバイクの代名詞だった。けれど、現在、ナナハンといえばミドルクラスのちょっと上程度。大型免許を取得したライダーたちがすすんで買いたい排気量ではなくなってきている。今やフラッグシップマシンであればリッタークラスが当たり前。1200ccや1400ccなんて排気量も珍しくない。

この傾向は、年々厳しくなる排ガスや騒音等の環境問題に対応した結果ということが理由に挙げられる。同じ排気量では、それまで以上の性能を出しにくいことから排気量アップ、それも単純に速さだけを求めたものではなく、ツーリングシーンやタンデム等でのゆとりある走りなどを狙っての判断といえよう。

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ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキといった日本が誇る4大メーカーは、どこも下は50ccから上は2リッター近くまでカバーする総合ブランドである。一方で、これまでは日本の免許制度で言えば、中型免許では乗れないマシン(400cc以上)しかラインナップしていない海外ブランドも少なくなかった。

しかしここにきて、その状況が変化してきている。もちろん、大型は大型で相変わらず魅力的なマシンが多数あるが、小排気量マシンの販売に乗り出す海外ブランドが増えてきているのだ。あのハーレーですら250ccから500cc程度の排気量のマシンを近年中にリリースするとのことだ。

これは東南アジアを中心としたモーターサイクル需要の盛り上がりに対応している点が挙げられる。それと同時に、欧州マーケットのライダーの高齢化による衰退に歯止めをかける狙いもあるだろう。要は購入しやすい価格で、カッコいいマシンの登場が待たれているのだ。

そんな状況に先陣を切って小排気量マシンを登場させたのが、オーストリアのKTM。もともとオフロード色の強いブランドだったが、最近ではオンロードシーンで目にする機会が非常に多い。レースシーンでも世界選手権のモト3クラスでは幾度もの世界タイトルを獲得しているし、2輪最高峰のモトGPクラスにも同朋のレッドブルをスポンサーに2台体勢で参戦している(2019年シーズンは4台)。

READY TO RACE(レディートゥーレース)。つまり、市販状態でレースに参戦できるようなマシンをリリースするというスローガンを持つ同社は、これまで過激でマニアックなマシンを多くラインナップしていた。しかし、2011年にエントリーモデルの位置付けで「125DUKE」を発表。スタイリッシュでパワフルなこのマシンは、ライダーのスキルを選ばない非常に間口の広いキャラクターであることがポイント。道具としてではなく、趣味の1台として欲しいと思わせる久々の小排気量マシンであった。

さらに同じプラットフォームを用いて「200」と「250」、そして373ccのエンジンを搭載した「390」と、ラインナップを徐々に展開していったことに注目したい(すでに「200」は廃盤)。とくに2014年に登場した「390」は、125ccの車体にその3倍もの排気量を持つエンジンを搭載。そして44psというパワフルなパワーを発揮するという暴挙。スペックだけを見れば、まさにじゃじゃ馬だ。

しかし、その予想を裏切るほど、このマシンはバランスが良かった。むしろこのエンジンをベースに車体を設計したのでは? と思わせるほどの仕上がり具合。「390」に搭載したエンジンは低回転域からトルクがあるから、不必要に高回転まで引っ張る必要がない。それでいて、高回転時はフロントが軽くなるほどのパワフルさを発揮。「125」や「200」では感じにくかった、パワーでマシンをコントロールする楽しみがそこにはあるのだ。

2017年には大幅なブラッシュアップが施され、デザインを一新。兄貴分である大排気量マシンのスーパーデュークR寄りのスタイリングとなり、シャープさに磨きがかかった。しかし変わったのはスタイリングだけではない。

足回りは内部構造が変更。ややバタバタしていた足回りにしなやかさが加わり、乗り心地とともに路面の追従性が高まった。エンジンの制御もより高度化。フライバイワイヤー式となり、低中速域のパワーデリバリーもよりスムーズとなっている。弾けるように加速し、良く止まり、旋回していく。手に余ることのないコンパクトなボディには走り回る楽しさが詰まっている。さらにスポーティに走るだけでなく、のんびり走らせたときの心地良さもアップしている。

「125」、「250」、そして基本的に同じ車体をベースにフルカウルとセパレートハンドルを装備した「RC」シリーズもラインナップ。選択肢が多いのも嬉しいところだ。

さらに、このKTMに続き、BMWも313ccの排気量の「G310」シリーズを発表。プレミアムブランドの販売戦略が新たな局面を迎え、今後もそんなブランドが増えていきそうな予感にワクワクしてしまう。

新たなチャレンジに、そのセグメントの先駆者たちは戦々恐々としているかもしれない。視点の異なる新規参入者たちの作るマシンは、新鮮で非常に興味深いもの。とはいえ、勢力図云々ではなく、街にモーターサイクルが溢れることにまずは期待したいところである。

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(GQ JAPAN 鈴木大五郎)

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