フェラーリしかり、ポルシェしかり、スーパーカーメーカーの歴史においてレースに参戦することは必要不可欠な要素だ。しかし、ランボルギーニの創業者であるフェルッチオ・ランボルギーニは性能のいい市販車を作ることに注力し、レースには参戦しないという信念の持ち主だったという。したがってフェルッチオの在任中はランボルギーニがレースに参戦することはなかった。
1989年、当時はクライスラー傘下にあったランボルギーニはレース活動を開始する。いきなりの舞台はF1で、ラルースF1チームへのエンジン供給というかたちでの参戦だった。翌年には、鈴木亜久里がラルースのドライバーを務め、ローラ製のシャシーにランボルギーニのV12エンジンを搭載したマシンで日本人初の3位表彰台を獲得した。
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その後はロータスやリジェ、そして1992年にはラルースのほか、イタリアのレーシングチームであるミナルディにV12エンジンを供給した。この年のミナルディはジャンニ・モルビデリとクリスチャン・フィッティパルディという2人の有力なドライバーを擁し、シーズン序盤のマシンは前年のM191の改良版であるM191Bで、5戦目以降は新型のM192にマシンを変更してシーズンを戦った。
ちなみにミナルディは片山右京や中野信治も在籍した日本人にとっても馴染み深いチームだ。その後、2005年にレッドブルへチームが売却され、「スクーデリア・トロ・ロッソ」となり、今シーズンはホンダがパワーユニットの供給を開始したことで、チーム名が「レッドブル・トロ・ロッソ・ホンダ」となっている。
そして約26年の時を経て、ランボルギーニのF1プロジェクトで活躍した元技術者たちの協力のもと、ヒストリックモデルの修復やアーカイブ管理を行うレストア部門、ランボルギーニ・ポロストリコによって、M191B(シャシーNo.003)がレストアされた。これはポロストリコにとっても初めて手掛けたフォーミュラカーという。
レストアには約7カ月間を要し、タイヤ、燃料タンク、ECU、シートベルト、消火装置など安全に関する部品は交換したものの、ほぼオリジナルパーツはそのままに本来の性能を取り戻すことができたという。
LE3512と呼ばれたランボルギーニ製エンジンは、フェラーリからランボルギーニへと移籍したレースカーおよびエンジン設計者のマウロ・フォルギエリが設計したバンク角80度のV型12気筒で排気量は3493cc、最高出力はレストア後の現在も約700psを発揮している。実は1993年にエストリルのテストでアイルトン・セナがこのエンジンを搭載したマシンをドライブし感銘を受けたという逸話が残っている。
7月12日、ランボルギーニのレース部門、スクアドラ・コルセによってM191Bのシェイクダウンが実施された。結果は良好でイタリア人レーシングドライバーのミルコ・ボルトロッティのドライブによって、トラブルなく20周以上を走りきった。
その場を訪れたチーム創設者のジャンカルロ・ミナルディは次のように振り返った。
「25年から30年前のF1マシンは、いま見ても心が躍ります。それらはテレメトリーシステムやオートマチックトランスミッションが登場する以前の最後の世代のマシンなのです。高まる排気音が往年のF1を彷彿とさせます。あのV12エンジンは低回転から強大なパワーを発揮する柔軟性を備えていました」
当時のM191Bのベストリザルトは、クリスチャン・フィッティパルディがスペインGPで獲得した11位だった。今後は、近年欧州で人気が高まっているクラシックF1マシンによるチャンピオンシップに参戦する予定という。日本でもその勇姿を拝み、そのV12サウンドに身も心も抱かれる日を心待ちにしたい。
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