■「右側出入口」には都心部ならではの理由が存在
東京の道を走る際に心配なことといえば、「交通量の多さ」や「首都高の左右出口」を挙げる人がいます。確かに、交通量の少ない地域や普段走りなれていない道を走る上で、“東京の道”はハードルが高いです。
なかでも、首都高速道路(以下:首都高)は初心者を困惑させる「右側出入口」が多く存在します。一般的な高速道路では、「出入口」は左側にあることが多いです。
左右に出入口が存在する理由や上手く走る「ポイント」など、首都高を管理する首都高速道路株式会社に話を伺いました。
――首都高速には、なぜ「右側出入口」が多いのでしょうか?
出入口の位置については、ご利用する際の分かりやすさや、交通の円滑な流れの面から、左側に統一し設置することが望ましいと考えています。
しかし、都市部においては建設用地を公共用地以外で確保することが困難であるためできるだけそれらの公共空間を活用しつつ、出入口付近の一般道路との交通処理など、様々な制約のもとで、総合的に考慮した結果、右側に出入口を設置せざるを得ない場合もあります。このため、都市部の狭隘な空間の中で建設された首都高は、他の高速道路と比べて、右側での分岐合流が多くなっております。
■初心者必見「首都高の上手な走り方」
実際、首都高は場所によって入口から本線までの距離が短く合流に手間取ることもあります。普段からよく運転している人でもカーブや分岐、合流が多い首都高をスムーズに走るのは大変です。初心者でも上手に走るポイントはあるのでしょうか。
――首都高を上手に走るポイントを教えてください。
首都高を初めて走行される方には、首都高ホームページで公開している『首都高のミカタ』を見てもらうことをおすすめしています。首都高のミカタには、「右側から入る」入口、「右側から出る」出口を示した出入口マップがありますので、事前に予習して頂けると実際の走行でも焦ることはないかと思います。ホームページには他にも要注意地点などの動画も掲載していますのでご活用頂ければと思います。
また首都高には各路線に名称や番号が割り当てられています。たとえば、東京都心を走る「C1」(都心環状線)や東名高速道路に繋がる「高速3号渋谷線」(通称:3号線)などです。ご自分が走るルートにはそれぞれ名称(番号)があるので事前に覚えておくのも上手く走るポイントです。
■五輪で来日する外国人観光客への対応策
右側出入口や事前ルート確認を意識することでスムーズに首都高を走ることができます。しかし、近年増加している外国人観光客は、慣れない日本の道路事情に加えて複雑な首都高を走るとなると多くの混乱が予想されます。
外国人観光客への対応や『2020年 東京オリンピック』に向けてはどのような対策をしているのでしょうか。
――近年増加している外国人観光客への対応はありますか? 現在、首都高では外国人観光客に対して『お客様センター多言語対応』、『パーキングエリア トイレサインの多言語表記』、『ドライブ情報誌の多言語版発行』などのような対策を実施(または実施予定)しております。『お客様センター多言語対応』では、平成30年4月16日より多言語化(英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語)対応しています。トイレサインや情報誌では、英語、中国語、韓国語に対応しています。また、設備面でもトイレの洋式化を進めるなどしています。
※ ※ ※
一見、難しそうに見える首都高ですが、事前のルート確認をすることで慌てることが少なくなりそうです。また、遠方の他県ナンバーのクルマや外国人観光客が運転するレンタカーなどを見かけたら、譲り合うことでよりスムーズな走行ができるでしょう。
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