ずいぶん前の話だが、知人が複数人でドライブしたとき、友人は全行程の運転をすべて任せられたという。助手席はもとより、2列目/3列目がいまや人気の場所なのだろうか。それとも、単に運転したくなかっただけだろうか。「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」オールラインナップ試乗会でSERENA AUTECH SPORTS SPECを試乗したとき、ふと友人の話が思い出され、“7人乗り”のニーズってなんだろうなってふと頭をよぎったのだった。TEXT●福永貴夫(FUKUNAGA Takao)PHOTO●降旗俊明(FURIHATA Toshiaki)/AUTECH JAPAN/MotorFan.jp編集部
「後ろに座って、メールチェックとか電話連絡してもいい?」
編集部にカジャーがやってきた!〈ルノー・カジャー長期リポートVol.1〉
試乗会前、Motor Fan.jp編集部の編集長Kと編集部員Fは都内某所で早朝ロケを実施。長い一日の始まりだったのだが、それはそれ。逆に長い一日なかのちょっとした空き時間を利用して、電話連絡やメールチェックなどの業務を効率的に進めていく。
試乗車は、SERENA AUTECH。編集部員Fがステアリングを握り、編集長Kが2列目に座る。編集部員Fは新たな一歩を踏み出したオーテックの第一弾モデル、SERENA AUTECHをドライブできると思い少々興奮気味。そもそも中身は、NISMOチューンが施されているので、走行性能などについての味付けは期待度高しといったところ。
編集長Kは、すかさずSERENA AUTECHの2列目シートに乗り込む。前述したように、早朝から撮影をしていたため、その間滞った業務をこの時間を利用して処理したかった模様。
「後席に座っていい?」と、編集長K。あるタレントばりではないが「おっけ~!」と、編集部員F。逆に、ミニバンらしくていいなって、思ってみたりもして。
編集長Kは、スマホ片手にパソコンをパチパチ。試乗会当日も連日同様の酷暑だったが、程よく冷えた車内ゆえ、どこか涼しげな顔をして業務に集中していた。
編集部員Fとしては、編集長Kに気持ちよく仕事をしてもらいたいと思い、違和感ある挙動は避けなければと意識する。だが、NISMO仕込みのSERENA AUTECHのステアリングを握ると、それよりも運転を楽しみたいという衝動が芽生え……、編集長のことは忘却の彼方へ。ふと我にかえり、編集長Kを確認したが、2列目シートで普通に仕事を進めていたのでホッとした。
【SERENA AUTECH 主な特別装備】
●AUTECH専用エクステリア
・フロントグリル
・フロントエアロバンパー <e-POWER車は標準装備>
・フロントプロテクター(メタル調フィニッシュ)
・サイドシルプロテクター
・リヤバンパー
・リヤプロテクター(メタル調フィニッシュ)
・AUTECH専用エンブレム<フロント・リヤ>
●専用テールフィニッシャー&専用マフラー グレード別設定
●専用LEDリヤコンビネーションランプ(クリアライナータイプ) グレード別設定
●専用16インチアルミロードホイール<2WD車>
●専用15インチアルミロードホイール<4WD車、e-POWER車>
“3列目も乗ればよかった”とお互いが試乗後に気づくという……
SERENAだけではないが、最近のミニバン/SUVの各モデルには、3列目シートを用意しているモデルを多く見かける。昔から3列目がなかったわけでもなく、なにも目新しい話ではないが。とはいえ最近のモデルを見る限り、どうも7人乗りに注目が集まっているのではと思ってしまうほど。あるモデルの3列目シートを見たとき“このモデルにも7人乗りの設定があるのか”と意外に思うものもあった。
ちなみに、SERENA AUTECHの試乗を終えた、編集長Kと編集部員Fは、どちらからともなく、「これからは運転席以外を乗り倒すってのもいいかもね~」なんて言い出す始末。
7人乗りにお乗りのユーザーさん、どんな使い方をしていますか?
ここまでご覧になっていただき、たぶん、いや確実に、“編集部員Fは、ここでなにを述べたかったんだ?”と思われる向きばかりだと思う。そこはご容赦いただき……。SERENA AUTECHの試乗を終えてから、今さらながら”7人乗り”ってどんな使い方をユーザーはしているのかな、って思ってしまったということなのだ。
頻繁にフル乗車で出かけられている方にとってのミニバンの魅力は理解できる。我々が掘り下げていくべきは、カップルのふたり乗車で2列目以降は荷物置き場にされている方、はたまた2列目/3列目のゆったりしたスペースを利用してオーディオを組んでいる方、自転車やオートバイのトランスポーターとして活用している方などなど、そういったユーザーにとっての魅力ではないか。楽しみ方や活用法はユーザーぞれぞれだが、7人乗りが秘めた新たな可能性ってなんだろう、と改めて思ったのだった。
今後は、ドライバー以外の視点からもリポートしていく必要があると再認識したのであった。
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