昔のようにバイクが売れない。という情報だけでバイク人気がないと断言するのは早合点だ。確かに、市場のボリュームは年々縮小してきているのが現実ではあるのだが、その多くはいわゆる原チャリなどと呼ばれる50ccのスクーター群。大型バイク、とくにプレミアムクラスともいえるBMWやドゥカティなどはここ数年、世界規模では過去最高の登録台数を記録しているほどで、本当の意味で趣味としてバイクに乗る人口はかならずしも減っているとはいえない。
そんななかで、どんなバイクが売れているのか? じつは現在、もっとも熱いカテゴリーといえるのが、ビッグアドベンチャーバイクと呼ばれるマシンたちである。いわゆるマルチパーパス。オンロードはもちろん、どんなシチュエーションの悪路でも走破できる性能を持つマシンの大排気量版だ。クルマでいえば、メルセデスのGクラスやBMWのXシリーズといったところ。いままでそんなジャンルには参入していなかったメーカーさえもアドベンチャーマシンをリリースしてきている状況は、昨今のSUVブームに似ているのかもしれない。
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タフで男らしいスタイリング。オフロードテイストのマシンには当然、オフロードの走破性を備えている。ところが、ライダーが走るのは、悪路ではなくオンロード。しかし、視界の高さからくるコントロール性の高さやハンドル切れ角の大きさ、そして乗り心地の良さで人気を博している。そんなところもSUVと似ているのだ。
そのベンチマークとなっているマシンがBMWのR 1200 GSである。
伝統のフラットツインエンジンを搭載するそのマシンは、エンジン性能やハンドリングといった走行性能が極めて高いことはもちろん、圧倒的な悪路走破性と、その迫力あるスタイリングなどから、アドベンチャーマシンの最高峰となっている。
そんなR 1200 GSの弟分としてラインナップされるのがF-GSシリーズだ。並列ツインエンジンを搭載するそれは、R 1200 GSと比較し、圧倒的にスリムでコンパクト。そんなF-GSシリーズがこのたびフルモデルチェンジを果たし、エンジン、フレーム、スタイリングなどのすべてが刷新された。
もともとF 700 GSとF 800 GSだったものが、この結果、それぞれF 750 GSとF 850 GSに変わった。この2台は、エンジンおよびフレームは同一のものを用い、足回りやボディデザイン、電気的な出力コントロール等でキャラクターの違いを生み出している。そこは先行モデルと同じ手法だ。従来の798ccから853ccに排気量をアップしたエンジンであるが、実は単純な排気量アップとはなっていない。
先代までは360度クランクを採用し、同社のフラットツインエンジンを彷彿とさせるサウンドとフィーリングを持っていた。しかし新型は270度クランクを採用する。そして、そのクランクは通常とは反対方向に回転する逆回転クランクである。これにより、サウンドもフィーリングも全く違う世界観を持つこととになった。それはまるでVツインエンジンのようなフィーリングで、鼓動感が楽しめ、トルクも非常に豊か、そしてしっかり高回転まで回りきる伸びやかさが特徴なのだ。
ライディングモードも4種類(F 850 GSは5種類)を選択することができ、シチュエーションにあったキャラクターに変貌する。これは電子制御技術が高まったからこそ可能になったものだ。
F 750 GSは出力が77馬力に抑えられるが、一般道でそれに不満を感じるような場面は皆無といえる。まるでスポーツネイキッドマシンのようなイージーなハンドリングで、スイスイとコントローラブル。それでいて、ディープに攻めてもなかなか破綻する気配のないオンロードでの侮れない速さを持つ。オフロード走行も視野にいれたパッケージングはコントロール性良好で、アドベンチャーマシンの長所をしっかり感じることができる。
エンジン出力が95馬力にアップしたF 850 GSはよりオフロードでの走破性に照準を合わせたマシンだ。前後のサスペンションはストローク量もしっかり確保され、フロントホイールはF 750 GSの19インチに対して21インチと本格派のオフロード仕様。燃料タンクがシート下から、通常のマシンと同様のエンジン上に移動したことにより重量バランスが最適化された印象で、オフロードにおけるマシンのコントロール性が大幅に向上した。これはF 750 GSと同様のレイアウトなのであるが、より大柄なF 850 GSのほうがその恩恵を感じることができる。また、前後のサスペンションのグレードもアップされ、接地感とともにギャップの吸収性もしなやかなものへ高まっている。
電子制御技術の進化もしっかり感じとることができた。例えば「エンデューロ・プロモード」を選択すれば、心地良いスライドアングルをキープしたままコーナーを立ち上がっていくような芸当も不安なく試せる。もちろん路面状況にもよるのであるが、過去のトラクションコントロールのような、スライドとグリップが途切れ途切れとなるような制御ではなく、非常にスムーズ。安心感は格段に高まっている。
そして、新型はオフロードを走らないライダーにとっても親しみやすいマシンとなっている。従来型はストロークの長いサスペンションと重量バランスによるものか、オンロードではやや接地感が薄く、コーナーリングが得意といった印象は少なかった。しかしF 850 GSはF 750 GSでのオンロード性能に近い一体感を感じ、グイグイ攻められる安心感がある。
ツーリングシーンでの快適性も高まり、クルーズコントロールやアップ&ダウンに対応するオートシフター、スマホと連動してさまざまな情報をメーター上に表示することが可能な6.5インチのTFTディスプレイ等をオプションで装備する。アドベンチャーマシンとしての完成度が一段、高まった。
GSの弟的イメージだったFシリーズであるが、今回のモデルチェンジでF-GS独自のポジションを明確にした。その大きさやパワー感は、間違いなくわが国の道路事情にマッチしているはずだ。日本への早期導入が待たれるところだ。
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