現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クルマにかかる税金が高すぎる日本「古いクルマに乗ることは罪なのか」

ここから本文です

クルマにかかる税金が高すぎる日本「古いクルマに乗ることは罪なのか」

掲載 更新
クルマにかかる税金が高すぎる日本「古いクルマに乗ることは罪なのか」

自動車に関わる税金の種類は9種類、車齢13年以上は本来の2.3倍という負担に

クルマには下表の取得、保有、使用の段階で多くの税が課せられている。しかも、自動車重量税やガソリン税には、当分の間の措置として、本来の税率(本則税率)に上乗せされた税率が課されたままだ。まずは、2017年度現在の自動車税制(エコカー減税等適用外)について見てみよう。

「古臭い」がオシャレ!! 見た目はクラシカルでトラブル知らずなカスタム提案

このように、クルマにはなんと9種類の税金が存在する。そして「自動車取得税」、「重量税」、「ガソリン税」などは、もともと道路整備等の支出に充てられていた特定財源だったが、現在は廃止。税収の使途に限定がなく、国や地方公共団体の裁量で自由に使える「一般財源」になっているものが多い。

しかも、日本では自動車の取得段階で「消費税」や「自動車取得税」が課せられ、さらに保有段階においては、「自動車税(軽自動車は軽自動車税)」と「自動車重量税」が課税されている。じつに、車体課税の負担は欧米諸国に比べて2.6~34.4倍(消費税除く)。そもそも欧米には、自家用車に自動車重量税と同種の税金を課している国は存在しないそうだ。

ちなみに、自動車取得税は2016年度の与党税制改正大綱を踏まえて法律が改正される。消費税が8%から10%に引き上げとなる2019年10月1日より、「自動車取得税」を廃止するとされているのだ。同時に、保有に対する税である「自動車税」と「軽自動車税」へ、新たに「環境性能割」の制度を付加。自動車取得時に環境性能(燃費基準値の達成度)に応じて、価格の0~3%を課税することになっている。

これらを踏まえて、自動車税制に関するアンケートを「JAF(一般社団法人日本自動車連盟)」が実施。例えば、1,800cc(車重1.5トン以下)の車両を保有し、年間ガソリンの使用量が1,000リットル(リッター130円)だった場合。自動車税、重量税、ガソリン税、消費税でかかる年間の税金は115,200円となるが、これらの税金に”負担と感じている”割合は全体の98%を占めた(2017年度調査)。

そして、ここからが本題。自動車にまつわる税金には、”国の財政が厳しい”という理由で本来を上回る税率が「当分の間の税率」として、上乗せされたままのものがある。

ガソリン税(本来の税率に比べ1.9倍)もひとつだが、「自動車重量税」も然りだ。本来であれば、年間0.5tあたり2,500円だったのが、1.6倍の4,100円に。さらに、車齢13年超ならば5,700円、18年を越えると6,300円となり、それぞれ本来の2.3倍~2.5倍もの負担を強いられている。

同じく、JAFのアンケートでは「旧暫定税率が上乗せされたままであること」に対して、9割以上が反対しているわけで、”国の財政が厳しいという理由だけでは納得できない”、”税率が恒久的になるのでは”という意見がある。しかし、”財政が厳しいので仕方ない”、”税率を上げることで環境負荷が軽減される”という理解の声もあるものの、車齢13年以上の所有者に対してさらに重い税率がかかっている事には、どうしても腑に落ちない。

諸外国に比べて自動車にかかる税負担が多いうえ、その使途もいまいち不明。さらに、単に車齢が古いというだけで自動車税や重量税を上げる……。まるで、1台のクルマを長い間乗ることがいけないような、そんな気がしてならない。しかも、田舎暮らしや高齢者にとっては必需品。そう簡単に乗り換えられるワケでもないはずだ。

確かに自動車は”贅沢品”なのかもしれない。新車の需要が増えることで経済に活気が出ることもわかる。しかし、大切にしてきた愛車を泣く泣く手放せばならない人が増え、これらの名車たちを所有する事が厳しくなったいま、一部は外国に輸出されていく始末。希少性が高まって中古車相場が高騰し、簡単には取り戻せないクルマも増えている。

昨今、言われ続けている”若者の車離れ”も然り。このままでは所有することの魅力は薄れ、クルマ自体の購入を躊躇する人が増えてくるかもしれない。

負担だけでなく、複雑すぎるクルマの税金。いまこそ、日本に見合った法整備を行なうべきではないだろうか。

【参考】自動車税制改正に関する要望活動(JAFサイト)

(レポート:ちんサブ)

関連タグ

こんな記事も読まれています

トヨタ新型「コンパクトSUV」発表! 驚きの”レクサス顔”に進化!? 顔面刷新の”最売れモデル”「カローラクロス」亜で登場
トヨタ新型「コンパクトSUV」発表! 驚きの”レクサス顔”に進化!? 顔面刷新の”最売れモデル”「カローラクロス」亜で登場
くるまのニュース
トラックドライバーの働き方改革なるか? 「物流の2024年問題」解決策は? 各社の取り組みから見えたもの
トラックドライバーの働き方改革なるか? 「物流の2024年問題」解決策は? 各社の取り組みから見えたもの
くるまのニュース
カワサキ「Z650」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
カワサキ「Z650」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
生産終了が痛すぎる!! 軽スポーツがイイことだらけ! 100万円で狙う[アルトワークス]
生産終了が痛すぎる!! 軽スポーツがイイことだらけ! 100万円で狙う[アルトワークス]
ベストカーWeb
大きなコの字型シートからフルフラットへの変更もできる! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
大きなコの字型シートからフルフラットへの変更もできる! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
まるで[高級スニーカー]のようなクルマ!? 新型SUV[キックス]はe-POWERのみで2025年日本上陸か
まるで[高級スニーカー]のようなクルマ!? 新型SUV[キックス]はe-POWERのみで2025年日本上陸か
ベストカーWeb
【ポイントランキング】2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル後
【ポイントランキング】2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル後
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024MotoGP第5戦フランスGP終了時点
【ポイントランキング】2024MotoGP第5戦フランスGP終了時点
AUTOSPORT web
くるまりこちゃん OnLine 「免許証、更新するとき… 」第96回
くるまりこちゃん OnLine 「免許証、更新するとき… 」第96回
ベストカーWeb
ホンダ ZR-V&N-BOX 自動車アセスメントで「ファイブスター賞」獲得【動画あり】
ホンダ ZR-V&N-BOX 自動車アセスメントで「ファイブスター賞」獲得【動画あり】
グーネット
ロールス・ロイス 新型「カリナン シリーズII」 迫力増した「ブラックバッジ」発表
ロールス・ロイス 新型「カリナン シリーズII」 迫力増した「ブラックバッジ」発表
グーネット
ロールス・ロイス「カリナン シリーズ II」発表 ブランド初のSUVが進化【動画あり】
ロールス・ロイス「カリナン シリーズ II」発表 ブランド初のSUVが進化【動画あり】
グーネット
ドゥカティによる三つ巴の激闘をマルティンが制す。M.マルケスは最終ラップで2位奪取/第5戦フランスGP
ドゥカティによる三つ巴の激闘をマルティンが制す。M.マルケスは最終ラップで2位奪取/第5戦フランスGP
AUTOSPORT web
ポルシェ「ハイブリッド版911」ワールドプレミアは5月28日、夜10時!オンラインで生配信
ポルシェ「ハイブリッド版911」ワールドプレミアは5月28日、夜10時!オンラインで生配信
グーネット
【最終結果】2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル パワーステージ後
【最終結果】2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル パワーステージ後
AUTOSPORT web
オジエが2連勝。突然の濃霧もお構いなし、自身6度目のラリー・ポルトガル制覇【WRC第5戦最終日】
オジエが2連勝。突然の濃霧もお構いなし、自身6度目のラリー・ポルトガル制覇【WRC第5戦最終日】
AUTOSPORT web
中古200万円超えにも納得!! 1.5Lターボが超刺激的! コルトの超絶モデル[ラリーアート]
中古200万円超えにも納得!! 1.5Lターボが超刺激的! コルトの超絶モデル[ラリーアート]
ベストカーWeb
レーシングドライバー前澤友作、フェラーリ・チャレンジのデビュー戦でクラス優勝&3位の活躍
レーシングドライバー前澤友作、フェラーリ・チャレンジのデビュー戦でクラス優勝&3位の活躍
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村