「運送約款」に具体例とその対処を明文化
タクシー乗務員が、客からモラルハラスメント、セクシャルハラスメント行為を受ける事例があるといいます。
東京、横浜を中心にタクシー事業を展開する国際自動車(東京都港区)によると、たとえば禁煙車内での喫煙や、無理な要求を迫りドライバーを罵倒する行為のほか、女性ドライバーがお釣りを渡す際に手を握られたり、運転中に後ろから髪を触られたりするなどの事例があったそうです。
同社はこのような事態に対応すべく、運送行為において企業と利用者のあいだのルールを定めた「運送約款」を2016年2月に変更し、乗務員が利用者からハラスメント行為などを受けた際の乗車拒絶や慰謝料請求、喫煙された際の清掃代請求などを明文化したといいます。たとえば次のような条文が運送約款に追記されました。
「ハラスメントがあった場合、運転者はハラスメントの中止を求め、旅客がこの求めに応じない場合には、運送の引受け又は継続を拒絶する他、運転者又は当社の判断において警察等へ通報します。またハラスメントにより生じた損害の賠償および、慰謝料を請求します。」(国際自動車「一般乗用旅客自動車運送事業運送約款」第4条の3)
このように運送約款を変更した背景について、国際自動車に聞きました。
――どのような経緯で運送約款を変更したのでしょうか。
職場環境を整えていく過程で、「乗務員の声」を集めたところ、乗務員がハラスメント行為に我慢を強いられていた実態が明らかになりました。たとえばお客様からセクハラ行為を受けても、営業所から「仕事しにくくなるから我慢しろ」と言われた経験を持つ者もいます。「それはよくない」ということになり、乗車拒否などの対処が合法的に可能になるよう、約款を変更しました。
――約款変更後、乗車拒否などを実際に行ったことはあるのでしょうか?
いえ、約款変更から現在に至るまで、実際に乗車拒否などに及んだことはなく、お客様によるハラスメント行為も顕在化していません。変更から半年間は、具体的なハラスメント行為をイラストで示したお知らせを運転席ヘッドレストの裏に掲示しました。これによりお客様の理解が深まったこともありますが、犯罪行為が抑止できている要因は約款の内容だけでなく、車内を撮影するドライブレコーダーの存在も影響しているでしょう。どちらかが欠けていては、抑止効果が薄いのではないかと考えています。
被害者は本当に多い? それでも約款変更が相次ぐワケ
国際自動車は、約款変更の効果が最も実感されるのは、利用者への対処というよりも、「安全に働ける職場であると外部にアピールできたこと」だと話します。同社では2010(平成22)年から約款を変更した2016年までに新卒の乗務員を300人近く採用したといい、運送約款の変更は、若者を含むすべての人が安心して働ける環境を整える目的があったそうです。
運送約款の変更には、その地域を管轄する運輸局に届け出て認可を受ける必要がありますが、国際自動車によると、同社が約款変更を発表して以後、東京都内を拠点とする事業者の6割がその届け出を行ったとのこと。大阪や広島など、他府県のタクシー協会からも問い合わせを受けたといいます。実際に同社へ詳細を問い合わせたという広島県タクシー協会の担当者は、次のように話します。
「もともと、各社の運送約款にはたいてい、『運送の引き受け及び継続の拒絶』といった項目があります。ただその内容には『公序良俗に反する行為があった場合』といったあいまいなものがあり、たとえば乗務員がお客様から暴言を受けた際、これに反しているのかどうか、その場では判断できないという声がありました。そこに、具体のハラスメント行為や、それへの対処を明記した条文を付け加える形で運送約款を変更しているのです」(広島県タクシー協会 担当者)
担当者によると、県内のタクシー事業者から乗務員がセクハラ、モラハラ行為を受けた話は耳にするものの、実際の事例としてはそれほど多くはないとのこと。それでも、乗務員を守るために、運送約款の変更を運輸局に届け出る事業者が増えているといいます。
ちなみに、タクシーでは防犯のために前部座席と後部座席をアクリル板で仕切るケースがありますが、国際自動車では、あえてこれを設置していません。「お客様にハイヤーのようにご利用いただくため」などの理由があるそうですが、乗務員の安全を確保するための防犯システムは別に設けているそうです。
【図】こんな行為には「乗車拒否」可能に
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