100kmなどと言われるがデータ上は2000kmぐらいは大丈夫
クルマの日常トラブルで、一番ロードサービスのお世話になる頻度が高いのが、タイヤのパンク(JAFのデータ)だ。最近はパンク修理キットが標準のクルマも増えてきているが、まだまだスペアタイヤを搭載しているクルマも多い。
乗用車の場合、スペアタイヤは応急用のいわゆるテンパータイヤが一般的。テンパータイヤは、「temporary」=「間に合わせ」という意味なので、取扱説明書を見ても、速度は100km/h以下(あるいは80km/h)、そして、できるだけ速やかにパンクを直して標準タイヤに戻すよう指示されている。その「できるだけすみやかに」というのは、具体的にはどのぐらいなのだろうか?
一般的には、テンパータイヤでの走行は、100km/h以下のスピードで、距離も100kmが限度と言われているが……。タイヤメーカーのお客様相談室に訊ねてみると意外な答えが返ってきた。まずスピードは製品にもよるが、テンパータイヤの速度記号は「M」とある。速度記号(スピードレンジ)は、規定の条件下でそのタイヤが走行できる最高速度を示す記号で、「M」はその速度が、130km/hという意味になる。
ただし、テンパータイヤで走れる速度の基準は、自動車メーカーが取扱説明書に明記しているので、その速度を優先することになっているとのこと。
そして肝心の走行距離に関しては、データ上2000kmぐらいまではOKらしい。もっともこれも最大値であり、テンパータイヤはパンク地点から自宅まで、あるいは最寄りのタイヤショップやディーラーなど、パンク修理ができる工場へ移動する間だけ装着する、「応急用タイヤ」ということをメーカーは強調していた。
そういう意味ではテンパータイヤ=「100km/h以下・100km以内」は、妥当な線でこれを目安に覚えておくのは正解だろう。なお、テンパータイヤに限らず、すべてのタイヤは製造から10年経過したものは、未使用でも新品に交換することをタイヤメーカーは推奨している。
また、タイヤの空気圧は1カ月で5~10%低下する。テンパータイヤは通常のタイヤよりも細いので、高い空気圧(420kpa)が必要。パンクしてテンパータイヤが必要となったとき、空気圧不足で役に立たない……といったことにならないよう、テンパータイヤの空気圧も定期的にチェック・調整することを忘れずに。
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